目が見えなくて良かった!
あー目が見えなくてよかった!
僕の名前はメクって言うんだ!僕は生まれたときから目が見えない‼だから道行く人は皆こう言うんだ。
可哀そうだねって、でも僕は全くそうは思わない!なぜかって?
「メク!生活大変だろ?これ持っていきな!」
こんな風にいろんな人が僕に食べ物や日用品をくれるんだ。
目が見える人たちはそうはいかないんだろ?
あー目が見えなくてよかった!
「なぁ聞いたか?隣国との関係がヤバいらしい、戦争が起こるかもしれねぇぞ」
「マジかよ…徴兵とかされたら嫌だな」
僕は目が見えないから徴兵なんてされないよ!
あー目が見えなくてよかった!
コンコンとドアをノックする音が聞こえる。
メクはゆっくりと体を起こしてドアに向かった。
ちなみにこの家も目が見えない僕を案じて大工が作ってくれたんだ!
あー目が見えなくてよかった!
ドアを開けるときっちりとした服装の男性が立っていた。
無論、メクには目の前に立っているのがきっちりとした服装とも男性ともわかっていない(目が見えないのに目の前というのもおかしい気もするが)
その男性が声を出してようやくメクは何者かに気づく。
やぁザラじゃないか!上がりなよ!
訪ねてきたのは幼馴染のザラだった。彼は処刑人という仕事をしているらしく、みんなに憧れの的だ。しかしザラ曰くかなりしんどい仕事らしい。どうやら少しでも気を紛らわしたくてうちに来るようだ。
あー目が見えなくてよかった!
今日はいい天気だ。目が見えなくても空気で分かるよ!
心地いいから散歩に行こう!
「メクじゃないかほらジュースやるよ!」
ありがとう!無料でジュースが飲めた!
あー目が見えなくてよかった!
僕の人生は幸せで一杯だ!
あー目が見えなくてよかった!
あー目が見えなくてよかった!
あー目が見えなくてよかった!
ズルッ!
グシャッ‼
「メク、工事中の穴に気づかず落ちて死んだらしいぜ」
「目が見えてれば死ななかったのにね」
メクが死んだことによりザラは精神を病んで自殺しました。




