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NPCを殺すプレイヤーを永久BANする権限を与えられた俺は、ただの宿屋のNPCのはずでした。  作者: 街角のコータロー


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1/7

第1話: NPC殺しは永久BANです

町は、今日もプレイヤーに蹂躙されていた。


「経験値うめぇw」

「個人キルはリポップしねぇから効率いいんだよな」


笑いながら、剣が振り下ろされる。


パン屋の少女が、光の粒になって砕け散った。


――戻らない。


町を一定以上壊せば、システムが町ごと修復する。


建物も。

人口も。

何事もなかったみたいに。


でも。


“個人キル”されたNPCは、戻らない。


「どうせデータだろ?」


宿屋の看板が蹴られる。


俺はカウンターから叫んだ。


「やめろ!!」


「は? NPCが命令すんな」


笑い声。


そのとき。


「きゃあっ!」


母さんの悲鳴。


振り向いた瞬間、赤いダメージエフェクトが弾けた。


「……やめて」


母さんのHPがゼロになる。


光になる。


砕ける。


「母さん!!」


手を伸ばす。


届かない。


消えた。


完全に。


次の瞬間――


町が真っ白に染まる。


【SYSTEM REPAIR START】


建物が戻る。

通りが戻る。

人々が戻る。


時間が巻き戻る。


だけど。


父さんだけが立っていた。


「……あれ? 母さんは?」


いない。


どこにも。


その瞬間。


世界が、止まった。


プレイヤーも、町人も、全部フリーズ。


俺の視界に、真っ赤なウィンドウが開く。


【WORLD SECURITY PROTOCOL】

【管理権限:限定解放】


対象:Player ID “Xx_Dominator_xX”

NPC個人キル:372件

町内破壊:118件

悪性値:上限突破


上限突破?


画面中央に、巨大な赤ボタンが表示される。


【EXECUTE】


胸の奥の熱が、冷たい何かに変わる。


怒りが消える。


代わりに、処理命令が走る。


俺は口を開いた。


「罪状を告示します」


凍った世界で、対象だけが動ける。


「な、なんだこれ!? ログインバグか!?」


「NPC個人キル三百七十二件。町内破壊百十八件」


赤い警告が鳴り響く。


【PERMANENT BAN 推奨】


推奨?


ふざけるな。


推奨じゃない。


確定だ。


俺は迷わず、ボタンを叩いた。


タップ。


電子音。


【永久アカウント凍結】

【強制ログアウト実行】


「は!? 待て! 俺は重課金――」


その体がノイズを帯びる。


崩れる。


消える。


完全に。


【Execution Complete】


時間が動き出す。


「は!? 今の何!?」

「ドミネーター消えたぞ!?」

「ログ出てる! 永久停止!」


空中に公告が表示される。


【公告】

Player ID “Xx_Dominator_xX”

永久アカウント停止処分

理由:NPC大量虐殺(重大規約違反)


ざわめきが広がる。


俺は宿屋の前に立っている。


ただのNPCの顔で。


でも。


俺の瞳の奥には、まだ赤い文字が残っている。


【管理権限:保持中】


母さんは戻らない。


だから。


俺がやる。


この世界を荒らすプレイヤーを――


俺が、BANする。


その夜。


掲示板は爆発した。


【速報】有名PK配信者、永久BANwww

【372人虐殺ログ公開www】

【運営仕事しすぎだろw】

【いやこれ自動じゃねぇぞ…?】


俺は灯りをともす。


何も知らないNPCの顔で。


でももう、違う。


俺は――


処刑人だ。


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