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ぼくらのカスみたいな青春に捧げるレクイエム  作者: 藤原ゴンザレス


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7/8

第七話 豚小屋が燃えた

 ぼくらも警察にお持ち帰り。

 お互いの両親を呼び出された。

 おそらくバレー部2人に、よくわからんやつ、それと警官一人が死亡。

 ぼくと真田のスマホは没収された。

 まだ新しいのに。

 警察には何度も同じ事を聞かれたが、ぼくらの行動はVログの通りだ。

 夜中に解放された。

 よくわからん犯人は近くの工場で働く外国人だったらしい。

 公園から出てけといきなり殴られてパニックを起こして刺したのはないかと言われてる。

 久しぶりに顔を見た父親と母親に怒られた。


「なぜ相談しない! そんなに親が信用できないか!」


「うん、信用できない」


 正直に答えたらグーで殴られた。

 だって両親は家族じゃないもの。

 警察から帰ってきた午前一時。

 タケルはいつものツーリングで家にいない。

 学校から非常識な時間に家に連絡が入った。

 学校は明日全校生徒を集会を決定。

 空気を読まずに呼び出すことにしたようである。


「寝不足でいけないと思う」


「そうも言ってられんだろ」


 親父が偉そうに言った。

 それはそう。

 嫌々学校に行く。

 なお親父に殴られた顔は腫れていた。

 同級生の立て続けの死亡にクラスの連中は怯えていた。

 その証拠に女子を中心として欠席が相次いだ。

 ぼくは思うのだ。

 昨日の今日で学校に来させるうちが異常なのだと。

 学校に行くと門で待ってた教師に講堂に連れて行かれた。

 ぼくの存在が他生徒を動揺させるとのことだ。

 存在まで否定されたぼく! 人権なし!

 教師に連れて行かれると真田がいた。


「あ、あ、あ、あ! 神宮司くん!」


「おはようマイハニー」


「え、え、え、え、え、えへへへへへ♪」


 このやりとりを見て教師が一言。


「お前ら本当につき合ってたんだな……」


「なにか問題でも?」


「何人も死んでる」


 確かにそう!

 でも俺らは関係ない。

 勝手に死んだのだ。


「偶然では?」


「そう思うんなら大人しくしてろ。いいか。お前ら完全に警察にマークされてるからな!」


「なんでぇ!?」


「当たり前だろ! お前らがライブやると必ず死人が出るんだ! いいか。真っ先に疑われてるからな!」


 ライブにたまたま事件が映ってるだけ。

 自分たちに意図はない。

 と言っても……それを信用してもらえないのもよくわかる。


「ところで先生は……ぼくらが犯人じゃないと思うので?」


「お前ら二人の運動神経じゃ誰も殺せないからな」


 たいへん説得力ある言葉であった。

 たしかにぼくらの運動神経じゃ体育会を殺すのは難しい。


「え、えへへへへ。よかったね。先生信じてくれるって」


 おそろしくポジティブにとらえた子がここに。


「それにカメラが回ってるからな。お前らになにかする余裕はないだろよ」


 たしかに。

 それにぼくらには被害者を殺す理由がない。

 殺すなら野球部を殺すだろう。

 ぼくらが恨みを持ってるのは野球部だけだ。


「おっと時間だ。お前らは俺の隣に座れ。帰る時もお前らだけ別な」


「そこまでするんですか?」


「神宮司、学校から一歩出たら……たとえお前が刺されても警察の責任だ。学校の責任じゃない」


「ド畜生が!」


 ぼくの校内人間関係は完全に破綻した。

 別にぼくは悪くない。

 ぼくは完全に終わった進学をぶん投げて恋の一つくらいしてみたかっただけだ。

 そう、包丁持って野球部と差し違えるか、ええじゃないかを踊るか。

 後者を選んでなにが悪い!

 ただ俺たちがデートすると人が死ぬだけだ!

 だいたい野球部を恨め!

 野球部にやり返されるからって俺に八つ当たりしてるだけだ!


「絶対作家デビューして母校の悪口あることないこと書いてやるもん!」


「あはははは! 負け犬の遠吠え気持ちいいいいいいいいッ!」


「うわああああああああああん!」


 しかたなく教師と裏口から講堂……というか体育館に向かう。

 裏口から行く途中、部員の半分が退学になった野球部の道具倉庫が見えた。

 寮に置いときゃいいのに。

 こっちにまで侵食してくんなバカ!

 来年の大会、まだ出るつもりなんだぜ。

 廃部しろよ!


「……そもそもこの学校存続可能なのかな?」


 ぼくは口に出していた。


「やめろ。40代の再就職とか考えたくない」


「せ、せんせ! がんばって!」


 真田はいい子だな~。

 なでなで。


「え、えへへへへへへ」


「はーい、いちゃつくな~。40代には致死量の青春です」


「るせえ! もうぼくらにはこれしか残ってないんですよ! 全力でイチャコラしてやる!」


「えへへへへへ~♪」


「真田、悪いことは言わない。そいつ優しく見えるけどかなりのクズだぞ」


「うるせえッス」


 喧嘩しながら行動に向かう……。

 なぜか野球部の倉庫の前に下級生が集まっていた。

 なんか揺れてる。

 数人がスマホを構えてる。

 小屋から煙が立ち上ってるような?


「てんてー。豚小屋が燃えてます」


「は? なにを言って……どわあああああああああああああッ!」


 とはいえもう騒ぎになっている。

 消防へ通報くらい行ってるだろう……。

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