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ぼくらのカスみたいな青春に捧げるレクイエム  作者: 藤原ゴンザレス


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6/7

第六話 どうしてこうなった!

 頭を縫う。

 一日経過観察で入院とのことだ。

 フードコートの天井崩落事故では10人以上が死亡。

 ネットもテレビもニュースはそればかりだ。

 三橋が自殺するためにショッピングセンターの駐車場から飛び降りたことが原因らしい。

 ぼくの治療費はショッピングセンターが払ってくれるらしいよ。

 よかった。親に借りを作りたくない。

 真田の方はもっと豪華。

 治療費と血まみれになったスマホの弁償までついてくるらしい。

 ライブは100万バズ。

 無許可でテレビニュースで使われていた。

 別に収益化してないからいいけどって真田は笑ってた。

 ぼくらは離れ離れになった恋人だけど、スマホで繋がっていた。

 真田のスマホは最新機種だけどね。

 と、思ったらぼくのも弁償してくるって。

 あとで確認したらぼくのスマホはひしゃげてたのだ。

 一番良い機種に変えてくれるらしい。

 ただしリンゴじゃないやつ。

 ただぼくのも真田のも証拠として警察に提出するのが条件だって。

 別に困らない。

 写真だって、ほとんどが授業中のホワイトボードを撮影したものだ。

 それもクラウドにある。

 見られても困ることはない。

 ……あと先生たちの頭頂部を撮影したファイルがあるか。

 まあ犯罪じゃないからいいか。

 学校に行きたくないなと思ったら一週間休みらしい。

 記者会見に保護者説明会に……どこぞの議員やらライバーが学校に乗り込んだらしい。

 完全にぼくらの受験は詰んだ。

 学校名でお断りレベルの地獄だった。

 学内グループチャットでは俺をつるし上げる声が多数書込まれた。

 知らねえよバカ!

 ぼくらはたまたまそこにいただけなのだ。

 特に最後の大会がキャンセルになった体育会の鼻息は荒い。

 バレー部を中心にぼくを殺してやると息巻いてる。

 だからフードコートの事件で「なんでも相談してね」と言ってた少年課の警察官にスクリーンショットを送信。

 お前らがどうなろうがもう知らん。

 学校もどうなろうが知らん。

 義理もなければ憐れむ気持ちもなくなった。

 地獄に落ちろ。

 さらにムカついたのでスクリーンショットをSNSで全世界にさらしてやった。

 順調に視聴回数が増えていく。

 クラスの連中の進学がどうなろうがもう知らん。

 すると呼び出しがあった。

 ぼくをボコボコにしてやろうというのだ。

『死ね』と返そうと思ったが、冷静になって警察にさらにスクリーンショットを送信。

 そしたら真田に連絡。


「真田。ぼくが殴られてるとこ撮影して」


「わわわわわ、わからないっぴ!」


 ここまでお約束。

 ナイフで刺されたとき用に腹に教科書入れてベルトで固定してっと。

 ケブラー繊維って服屋で売ってないんだね。知らなかった。


「よし行くぞ」


 真田は黒い服にしてもらった。

 連中に捕まらないようにね。

 配信するぞー!

 連中が警察に蹴散らされてたらそれを撮影。

 警察がいなかったらぼくが殴られるところを配信してやろう。

 多少痛いだろうが暇つぶしにはいい。

 なにより十年先まで被害者面できる。

 被害者ポジションこそが至上なのだ。

 呼び出されたのは学校近くの公園。

 学校の近くに呼び出すとかやはりバカなのだろう。

 ぼくたちが到着するとすでに現場はたいへんなことになっていた。

 なぜかバレー部男子が知らん連中と喧嘩してた。

 バレー部はみんな長身で喧嘩も強い。

 空手も習ってる遠藤が 相手を一方的に殴っていた。

 だけどそれも長くは続かなかった。ナイフを出した。

 男はナイフを遠藤に何度も突き刺した。

 すでにライブで撮影していた。

 遠藤が倒れる。


「ふ、ふひ! そんな!」


 もうぼくらは呪われているのだろう。

 またもや血まみれである。

 いいかげんチャンネル自体が凍結されそうな気がする。

 男は遠藤が倒れても執拗にナイフを突き刺した。

 かなり遅れて他のバレー部が止めに……入らず逃げた。

 遠藤は見捨てられたのだ。

 ぼくらが呆然としてるところにサイレンの音が聞こえてきた。

 そのパトカーの前に……バカの一人が……あ、バカ!

 パトカーがバカをはねた。

 あわててパトカーを止める警察官。

 ぼくは真田の手をつかんでせめてと警察官の方に逃げる。

 警察は刺された遠藤と、自分が跳ねたバカの両方の対応に混乱した。

 なぜかぼくらに「近づくな!」と怒鳴りながら拳銃を向ける。


「どわあああああああああああああ!」


 真田を守って横の路地へ避難。

 バンッと銃声が響く。

 撃って来やがった!


「ななななななな! なにが!?」


 パニックになる真田。

 だからぼくはこう答えるしかなかった。


「わ、わからないっぴ」


 警察官に犯人が突撃したのが見えた。

 ぼくは真田からスマートホンを受け取ると路地からその様子を撮影した。

 犯人は獣みたいに叫びながら警察官の一人にのしかかりナイフを突き刺した。

 もう一人の警官が叫びながら仲間の警官ごと拳銃で蜂の巣にする。

 ……どえらいものを撮影してしまった。

 すでに同接は十万人に届こうかという勢いだった。

 ええじゃないか状態になった視聴者のコメントが滝のように流れる。

 ぼくが殴られるところを撮影するはずだった。

 なのになぜ四人も死んだ!

 死んだと断定するには気が早いかもしれない。

 でも……もう生きてるとは思えなかった。

 視聴者が通報したのだろう。

 警察のサイレンに救急車の音がする。

 すると警察官と目が合った。


「ぶち殺してやる!」


 ぼくは路地にサッと隠れ……ズドーン!


「どわあああああああああああああ!」


 弾がコンクリート塀に当たり破片が舞う。


「須田! てめえなにやってやがる!」


 やってきた警察官が怒鳴った。


「うるせえ! あのガキだけはぶち殺さねえと!」


 ぼくがいる路地に向かって発砲する。

 またもやコンクリートブロックが割れる音がした。

 だけどそれは最後の一撃だったようだ。

 須田と呼ばれた警官は何人もの警察官に囲まれ押さえつけられた。


「てめえふざけんな! ぶち殺してやる!」


 なぜかぼくは怒鳴られた。

 そこまで悪いことはしてないはずなのに。

 嗚呼……ぼくらのライブはトレンド一位になっていた。

 なにもかもわからない。

 どうしてこうなった!

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― 新着の感想 ―
現職警官が全世界ライブ中継で二人はコロコロ……本人は極刑だろうし、警視総監どころか国務大臣の首が飛ぶのでは?
三橋とズブズブな少年課か?
デスチューバーwww
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