第一話 カスみたいな青春終了のお知らせ
SNSに野球部の動画が表示される。
場所は学校近くの中古携帯販売店。
新品も中古も売ってる店だ。
高校生にもなって猿にも劣る知能しかないバカどもがガラスケースをこじあけて、キャッキャと笑いながらスマートフォンをバッグに入れていく。
ボス猿は店員に話しかけて気を引いていた。
盗み終わると猿どもは仲良く逃げていく。
最後に猿どもを追う店員の姿が映っていた。
ぼくはため息をついた。
SNSの別の投稿には大手新聞社のニュースリンクが添えられている。
それをクリックするとまた同じ動画が流れた。
何度見てもそれは悪夢じゃなかった。
そいつらはぼくらと同じ高校の生徒だ。
連中は警察に逮捕。
全国ニュース取り上げられ、ネットのさらし者になった。
それはいい。
こいつらの人生がどうなろうが、ぼくたちには関係ない。
自業自得だ。
だが世の中ってのはぼくらが思ってるより数段厳しい。
最初に起こったのは、体育会系の部活動をしている連中の推薦内定が取り消された。
野球部の不祥事のせいだ。
ここまではぼくら一般生徒も他人事だった。
だけど次に起こったのは、ぼくらが出した指定校の推薦願書が次々取り消された。
なかったことにされたのだ。
ぼくらは世の中に必要とされてなかったのだ。
さらに不運は続く……野球部のバカどもは、あの殺しても殺したりないゴミどもはいじめをしていたのだ。
ぼくたちと同じ学年のいじめられっ子の……えっと吉田をよく殴ってた生徒。
そいつが他のゴミどもにいじめを受けてたらしい。
なぜ判明したのか?
愚かなカスどもが動画を撮影して自らアップロードしたからである。
カスオブカス。
ネットでは学校ぐるみ、まるでぼくたちまでもが反社のように書かれていた。
曰く、殺人鬼養成学校。
ぼくらだって野球部のひどいいじりの被害者なのにだ。
それと同時に野球部の寮、ぼくらはどこにあるかも知らない野球部だけの寮から出るわ出るわ……。
女子生徒への盗撮写真の山。
家宅捜索で出て来てしまった。
顧問の部屋からもね。
はい児童ポルノ禁止法違反。
関係者ども首吊って死ねカス。
でも世間のサンドバッグはぼくらだ。
手が届く位置にいるからね。
推薦組は無事爆死。
一部は事前に無理だよって連絡があったようだ。
親切なのか、それとも近づくなカスと言われたのかはわからない。
なぜ……ぼくらが世間にまで殴られなければいけないのだろうか?
野球部の連中は学校に出てこない。
学校側は野球部は守るけどぼくらを守る気はゼロのようだ。
いまから一般受験に備えろってさ!
ここから語るのはそんなぼくらの絶望の記録だ。
記録者【神宮司奏】




