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ワールドリカバーアドベンチャー  作者: 矢神 汰一
第二章

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第十一話 腐の予兆

 更新速度はすごく遅いですけど、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 感想なんかもあったらぜひよろしくお願いします。

 リックたちがストロント町を出発してから数日後。


 僕たちは新たな町に辿り着いていた……。


 「この町もなかなか活気があるなぁ〜」

 「えぇ、でもストロント町よりは少し静かね」


 レンガでできた住宅の通りを僕たちは移動していた。


 「おい、ストロント町で事件が起きてそれを子どもが解決したらしいぞ!」

 「ほんとか! 世の中にはすごい子どももいるもんだなぁ。俺も昔は強くなろうといろいろ頑張ったもんだが……」


 声の聞こえた方を見ると、おじさんたちが新聞を見て話をして盛り上がっていた。


 僕らの話かな?


 「それにしてもすごいなぁ。このリーク・オズウェルドっていう子どもは」


 えっ、リーク・オズウェルド?

 一体誰なんだ?


 「確か公爵の令息だろ? 年齢は確か……5歳だったかな。しかも、たった一人でアーチボルド団ってのを壊滅させたらしい」


 オズウェルド公爵の息子?!


 しかも5歳ならコールより一つ下の年齢で……


 そのとき、少し離れていたボルトが走って戻ってきた。


 「リック! 今さっきそこで新聞記事をもらったんだがこれ俺たちが……」

 「わかってる」

 「じゃあ、今からでも記事を書いたところに問い詰めて……」

 「いや、誰が称賛されたかは大切じゃない。町を守ることができたっていう事実の方が大切だ」

 「そうか……。そうだよな」


 今はあまり、深くは考えないでおこう。


 その後僕たちは町で何か情報が得られないか町の掲示板を見てまわった。


 そこには、賞金稼ぎまたは暗殺者による殺人が付近で発生していて警備隊や雇われた正規の冒険者などが警備に当たっているという掲示があった。


 「僕らも気をつけないとな」

 「そうね、今は関わらない方がいいでしょうね」


 確かに周りを見ると巡回している警備の人たちがいる。


 僕らの出る幕じゃないだろうな。


 「そういえば正規の冒険者になるには国立の冒険者学校を卒業しないといけないんだっけ」

 「えぇ、確かそうだったはずよ」

 「……そうかぁ、いつか学校行ってみようかな」


 「……学校といえばリック、アリシアさんには手紙出したのか?」

 「まぁ、出したけど。……そういえばロイドはお祖母さんとお祖父さんには手紙書いたのか?」


 ロイドは首を横に振った。


 「そうか、じゃあみんな手紙書いて出しに行かないか?」

 「「賛成〜!!」」


 僕らは商店街に入り、郵送機関の建物を探した。


 「この大きさの町なら商店街に郵送機関の建物があると思うんだけどなぁ」


 「ねぇ、リック。この建物じゃない?」


 「……! ほんとだ気付かなかった」


 僕らは中に入って受付へ向かった。


 「すみません。紙を……えーと、3枚ください」

 「かしこまりました。……こちらでよろしいでしょうか?」

 「はい。ありがとうございます」


 僕は紙をロイドとヴィクトリア、ヘレナに渡した。


 ――十数分後


 3人は手紙を書き終え、係員に渡した。


 あとは魔力波長を辿って宛先に届くだろう。


 「なぁ、これからどうしようか?」


 と、言いながら建物を出たその時だった。


 「誰かぁー!! うちの子が男に攫われたの〜!」


 「なんだって!! どこだ」


 「リック! あそこよ」


 ヴィクトリアが指差した方を見ると男が子どもを抱えて路地に入っていくところが見えた。


 「追うぞ!」


 僕らは男のあとを全力で追った。


 ロイドが素早く男の前に立ち塞がり、僕らが男の後ろを固めた。


 「クソッ! なんなんだてめぇら」


 男は右手で子どもを抱えながら、左手の剣で切り掛かってきた。


 僕はそれを剣で防ぎ、その隙にロイドが子どもを救出した。


 「俺の邪魔をするんじゃねぇー!!」


 そう言うと男は剣を振りかぶった。


 僕はその瞬間に男の腹に肘を入れ、気絶させた。


 「よし、暴れられないようにロープで縛ろう」

 「私がやるわ」


 ヴィクトリアはカバンからロープを取り出して男を縛り上げた。


 「男を警備のところに連れて行く前に子どもをお母さんのところへ帰そう」


 ボルトが男を持ち上げて、ヘレナは子どもを抱き上げてお母さんのところへ向かった。


 すると、さっきのお母さんは警備の人のすぐそばにいた。


 「クルト!!」


 助けた子どものお母さんは走ってきて、ヘレナから子どもを帰してもらうとしっかりと抱いて僕たちにお礼を言うと、家の中へ戻って行った。


 そして警備の人が近づいてきた。


 「もしかして君たちがその男を捕まえて、子どもを連れ戻したのかい?」


 「はい、そうですけど……」


 「君たちの名前を聞いてもいいかい?」


 「僕はリック・オズウェルドで……」

 「もしかしてあのストロント町を救った?!」


 「はい、そうです」


 ――その時、僕らの後ろから呼ぶ声が聞こえた。


 「おい、そこのお前」


 僕は後ろの声がした方を向くと、そこにはフードを被った男が立っていた。


 「はい?」


 なんか、すごい不気味な人だなぁ。


 「お前がストロント町を救ったというリーク・オズウェルドか?」

 「あっ、はい。そうですけど……」


 あっ! 間違えた。


 「僕の名前はリークじゃ……」

 「そうか、リーク・オズウェルド」


 ――その瞬間、今までに感じたことのない強烈な殺気が僕の背筋を凍り付かせた。


 「悪いが、お前にはここで死んでもらう」


 警備の人は僕らの前に出て言った。


 「まさか、お前は指名手配中の……」


 警備の人はそう言いながら剣を抜こうとしたその瞬間――フードの男が警備の人の顔を掴むと緑色の光が現れるとともに警備の人の体が一瞬にして腐った。


 警備の人の体がその場に腐り落ちた。


 ……嘘だろ……なんだ今の魔術……


 逃げなきゃ、でも体が凍りついたように動かない。


 「みんな!! 逃げるぞ!」


 ボルトの声で僕らはなんとかその場から動くことができた。


 「一体なんなんだ? あいつは!」


 「わからないけど、今は逃げることを考えましょう」


 「でもどうやって逃げるんだ?!」


 「あそこの路地に入ってあいつを撒きましょう」


 ヴィクトリアが指差した路地に僕らは逃げ込んだ。


 しかし、両側の建物の壁が腐敗して崩れ落ち、僕らの逃げ道を塞いだ。


 「お前たち、もう逃げられないぞ」


 クソッ!! こうなったらやるしかない!


 「うおおーー!!」

 「リック!!」


 ヴィクトリアの静止を振り切り僕は叫びながら、剣を振りかぶり男に向かって走った。


 「ほう、中々に威勢はいいな」


 男は僕の剣を手で受け止めた。


 「だが、遅い!」


 男は僕の剣を腐敗させた。


 僕は急いで男から離れようとしたが、男はしゃがんで僕の両足を蹴って後ろへ倒した。


 「終わりだ!」


 ――その時、フードの男と僕の間に火の球がどこからか放たれた。


 「クソ」


 男は僕から距離をとった。


 そのとき上からフードの男が飛び降りてきた。


 「君たち、大丈夫かい?」


 その声は、不思議なほどに落ち着いていて、こんな状況なのに、なぜか安心感があった。


 「は、はい。なんとか……」


 「そうか」


 助けてくれたフードの男はそう言うと、敵のフードの男の方を向いた。


 「フードを被ったままじゃ戦いづらいな」


 そう言うと、僕らを襲ったフードの男はコートを脱いだ。


 その姿は……


 「じゅ、獣人族……」


 見た目はトラ? のような姿をしていた。


 「まさか、賞金稼ぎの正体が獣人族だとはな。お前たち、こいつは俺が相手する。その間にお前たちは逃げろ」

 「え、でも……」

 「とにかく逃げろ!」

 「は、はい」


 でも、このまま何もせず逃げるわけにはいかないな。


 「火炎槍ランケア・イグニス


 獣人族の男に向かって火炎槍を放ったが、前に突き出した男の手に当たった瞬間――緑の光に包まれて消滅した。


 「何してるんだ! さっさと逃げろ!! ここに居られると邪魔なんだよ」


 「ご、ごめんなさい!!」


 僕らは急いで瓦礫を乗り越えてその場から逃げた。


 一体どこへ逃げれば……


 「リック! この町の中心地にある宿に逃げましょう。たぶんあの男は私たちが町の外に逃げると思っているはず」


 「そ、そうだな。一旦そこに逃げよう」


 僕らは特に警備の人数が多い中心地の宿に逃げ込んだ。


 部屋の鍵をもらい、部屋に入ると僕らは安堵のため息をついた。


 「はぁー。一体あの男はなんだったんだ?」


 「多分警備の人が言ってたとおり賞金稼ぎだと思うわ」


 「でもなんで賞金稼ぎが僕らを……」


 「推測だけど、誰かが裏社会で私たちに賞金を掛けたんじゃないかしら。でも賞金を掛けられたのは新聞記事に載ってたリーク・オズウェルドという人物。この人物についてはあまりわからないけど、わかっているのはオズウェルド公爵の息子だということ。でも今は今後どうするかを考えましょう」


 「そうだな。これからどうしようか……」


 クソッ! 俺は弱すぎる。


 朽ちた剣を持っている手がまだ震えていた。


 それにまだ、警備の人が腐敗したときの音が耳から離れない。


 あの場所でもあのフードの人の邪魔になっていた。


 アリシアさんなら……


 「あっ!」


 「どうしたの? リック」


 「そうだよ、僕らは弱すぎる。もっと強くなる必要があるんだ。それで思い出したんだけど、アリシアさんが言っていた……。今以上に強くなりたかったら国立グラン冒険者学校に行くと良いって」


 「確かに今のまま旅を続けていれば、明らかに死は見えているわ。リックのいう国立の冒険者学校を卒業すれば正規の冒険者になれて国からの旅の援助も得られて今後の旅も少しは楽になるわね。……私はリックの意見に賛成するわ」


 「俺も賛成だ」

 「私もよ」

 「……僕も」


 「よしっ! 決まりだな」


 僕は朽ちた剣を握りしめながら、はっきりと理解していた。

 このまま旅を続ければ、次はきっと死ぬ。


 だからこそ――僕たちは、強くならなければいけない。


 ――こうして僕たちの新たな目標、国立グラン冒険者学校に入学することが定まった。


 この選択が僕たちの運命を大きく動かすものになるとは、僕らはまだ知らない……。

 次回からはストックして1日ごとに出すか悩んでいるので決定したら、活動報告で発表します。

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