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ワールドリカバーアドベンチャー  作者: 矢神 汰一
第一章 ストロント町編

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第十話 ストロント町の決戦、決着

〜前回のあらすじ〜

ついに始まったリックたちとアーチボルド団との直接対決! リックはアーチボルド団のリーダー、アレスタ・アーチボルドと戦いピンチに陥るリックだったが、ビルたちストロント町の人たちが救うのだったーー。

 ボルトvsドミニク


 「大横斬り」


 俺の斬撃をドミニクは剣でそらした。


 「風雅流 花霞斬はながすみざん


 ドミニクはしなやかな足運びと体の捻りを駆使して、連続で流れるように斬撃を繰り出してきた。


 俺はドミニクの攻撃をなんとか剣で捌いた。


 その後、俺とドミニクは互いに剣をぶつけ合った。


 そろそろ、決着をつけたいな。


 うっとおしくなってきた。


 俺は普段以上に魔力を込めた。


 「迅雷球グローブ・フルミニス


 ドミニクが距離を詰めてきたときに俺は迅雷球を放った。


 迅雷球が直撃したドミニクは建物へ吹っ飛んでいった。


 「ふぅー、やっと終わったぁ。さてと他のとこの加勢でも行こうかな」


 その時、周囲を見ると夜にも関わらず、明るかった。


 ロイドvsブランドン


 「水月流 流月一閃りゅうげついっせん


 僕はしなやかな足運びと身体の捻りを利用して、弧を描くように攻撃した。


 「精鋭流 冷徹斬り(れいてつぎり)


 ブランドンは流月一閃を剣でそらし、斬撃を加えてきた。


 それに対して僕は防御したが、押し負けた。


 やっぱりこうなったら"あれ"を使うしかない。


 「宿れ、剛力の加護! 身体能力強化・力フィジカルアップ・パワー


 僕は筋力を魔術で増強した。


 「水月流 水鏡の構え(すいきょうのかまえ)


 (なんだ? あいつスキだらけだぞ)


 ブランドンは僕に向かって距離を詰めてきた。


 僕はブランドンの動きに合わせて身を翻し、背中を斬りつけた。


 「てめぇ、やってくれたなぁ」


 ブランドンは僕の方に向かってきた。


 「精鋭流 点斬連鎖てんざんれんさ


 「宿れ、俊足の加護! 身体能力強化・速フィジカルアップ・スピード


 身体能力強化・力を解除して俊敏力を強化した。


 身体能力強化フィジカルアップは力か速さどちらか片方しか一度に発動できない。


 僕はブランドンの連続攻撃を剣で捌いた。


 その後、僕とブランドンは互いに距離を取り、互いに様子を見た。


 すると、ブランドンは武器を構えた。


 「精鋭流 精密切断せいみつせつだん


 おそらく次の一撃で勝負は決まるだろう。


 「宿れ、剛力の加護! 身体能力強化・力フィジカルアップ・パワー


 僕は再び魔術で筋力を強化した。


 「水月流 流月一閃りゅうげついっせん


 攻撃はほぼ同時にあたり、ブランドンは倒れた。


 リックなら大丈夫だ。僕は他の加勢に行かないと。


 ヴィクトリア視点


 ダニエルさんが剣で一人ずつ倒していくのを私は魔術で援護した。


 ある程度周囲の敵を倒し終わったとき、


 「お前ら何、たった二人にやられてるんだ? 情けねぇ」


 2mを超える大柄の男が現れた。


 あれ、どこかで見たことある気がする……。


 「アレクシス、なぜ貴様がここに……」


 ロイドが倒した副監獄長。


 「あの時は油断してガキに負けたが、今ここにいるのは脱獄犯と君だけみたいだな」


 アレクシスは私のほうを見つめてきた。


 うわ、最悪。


 「この杖に宿れ、小さき光の球よ。光輝球グローブ・ルーキス


 杖から放たれた光の球はアレクシスに剣でかき消された。


 そのとき――


 「精鋭流 死角断ち(しかくだち)


 ダニエルさんがアレクシスの死角から斬撃を繰り出し、傷を与えた。


 「クソ! やりやがったな」


 その後、ダニエルさんはアレクシスから距離を取り、私の隣に戻った。


 「聖なる光、槍の形に凝縮せよ。我が敵を射抜き、浄化の道を示せ。光輝槍ランケア・ルーキス


 「精鋭流 一点穿孔いってんせんこう


 私の放った光の槍とダニエルさんの突き技でアレクシスは倒れた。


 ヘレナ視点


 「鉄血流 鉄槌落とし(てっついおとし)


 私は剣を振り下ろし、衝撃波を発生させて数人倒した。


 多いわね。


 一人じゃきついかも。


 「なんだ? まだ持ち堪えてたのか」


 やってきたのはリックが倒したはずの監獄長だった。


 リックに負けたからか監獄長は全身に防具を着ていた。


 「お前ら、さっさとあのガキと裏切り者を倒せ!」


 「は、はい!」


 私とアンドリューを取り囲んでいた構成員たちは私たちの方へ突撃を始めた。


 まずい、この数で一気に来られたら――


 「水月流 流月一閃・五連りゅうげついっせん・ごれん


 十数人の敵が倒れた。


 「大丈夫? ヘレナ」


 そう声をかけてきたのはロイドだった。


 「えぇ、大丈夫よ。ありがとう、ロイド」


 私は周りを見渡した。


 「ねぇ、ロイド。周りの敵とアンドリューはあなたに任せていい?」


 「もちろん」


 「じゃあ、任せたわよ」


 私はそう言ったあと監獄長の方へ距離を詰めた。


 「ほう、一人できたか。自己紹介がまだだったな俺の名前は……いや、名乗る必要はないか。どうせお前はこれから囚人になるか死ぬんだからな」


 「鉄血流 鉄槌落とし(てっついおとし)


 私の振り下ろした剣は監獄長の剣で防がれた。


 「この程度で勝てるとでも思ってたのか?」


 「えぇ、思ってないわよ」


 「鉄血流 鋼壁破こうへきは


 私は防御姿勢から力を込めて斬り込んだ。


 監獄長は一瞬のけぞり、


 私は攻撃を叩き込んだ。


 「鉄血流 鉄槌落とし(てっついおとし)


 監獄長の頭部に直撃し、


 監獄長は倒れた。


 やった、倒せた。


 後ろを見ると、ロイドが残りの敵を倒したところだった。


 ロイドは私の方を向いて叫んだ。


 「ヘレナ! 後ろ!」


 後ろを見ると監獄長が剣を振りかざしていた。


 監獄長の猛攻を私は剣で防御した。


 「鉄血流 血鎧返し(けつがいがえし)


 監獄長の攻撃を受け止めながら、一瞬の隙をついて斬り込んだ。


 「なんで、こんなガキなんかに……」


 そう言って監獄長は倒れた。


 「やったわね、ロイド」


 「そうだね」


 私はロイドに抱きついた。


 リックvsアレスタ


 ビルや町の人たちが花火の威かく攻撃でアレスタは一旦僕から距離を空けた。


 「今まで大した抵抗もしてなかったくせに、今になって反抗しやがって」


 アレスタはそう言うと、ビルたちの方へ距離を詰めた。


 「影風流 影閃えいせん


 「火炎球グローブ・イグニス


 アレスタは火炎球を剣で防ぎ、僕の方を向いて立ち止まった。


 「どいつもこいつも邪魔ばかりしやがって」


 アレスタは僕の方へ向かってきた。


 ……意識を集中しろ、


 剣に炎を乗せるんだ。


 魔力の波長を感じ取れ、


 ……ここだ!


 その時、剣が炎で包まれた。


 アリシアさんが魔術によって武器に属性を付与する剣技があると聞いたことがある。


 数年前


 「自分の持ってる武器に炎を纏わせて戦う炎焔流(えんえんりゅう)という流派があります」


 「でも、アリシアさん。別に他の流派でも火属性の魔術師なら炎を纏わせて戦えばいいじゃないですか?」


 「それが無理なんですよ。火属性の魔術師が自分の剣に炎を纏わせようと魔力を込めても何も起こらず、炎焔流の使い手が魔力を込めると剣が炎に包まれたらしいです」


 「そうなんですか」


 ……リックvsアレスタ


 僕は炎に包まれた剣でアレスタに斬りかかった。


 「竜焔流りゅうえんりゅう 竜牙裂破りゅうがれっぱ


 アレスタは剣で防御の構えをしたが、防ぎきれなかった。


 周囲は炎に包まれた。


 (あいつ、急に剣に炎を纏わせて攻撃力が増大しやがった)


「影風流 風隠ふういん


 アレスタは炎によって生まれた煙で姿を隠した。


 クソ、どこから来る。


 こうなったら


 「竜焔流 影尾輪えいびりん


 攻撃はアレスタに当たったが、アレスタは剣で防御しており、後方へと吹き飛んだ。


 今がチャンスだ。


 僕はすかさず攻撃を仕掛けた。


 僕はジャンプした。


 「竜焔流 空翔斬くうしょうざん


 回転を加えながら、剣を振り下ろした。


 その時、アレスタも起き上がり、攻撃を仕掛けてきた。


 「影風流 影閃えいせん


 僕の剣とアレスタの剣がぶつかり、周囲に衝撃を発生させた。


 僕はなんとか押し切り、アレスタを倒した。


 「ギリギリ倒せた。……これでこの町も平和になるはずだ」


 僕はそのままその場に倒れた。


 ……


 「……り…リッ…リック、リック!」


 僕はヴィクトリアに起こされた。


 周りを見ると、他のみんなも集まっていた。


 ブランドンたちアーチボルド団はロープで捕縛していた。


 「やっと、終わったんだな」


 「えぇ、もうみんなボロボロだし、今日はゆっくり寝ましょう」


 ヴィクトリアはすごく疲労していた。


 「そうだな」


 「お前ら! 俺はまだ負けたわけじゃない」


 その声と共にアレスタが立ち上がった。


 「しまった、ロープで縛り忘れてた」


 その時、


 「まさか、こんな雑魚どもにこんなに苦戦するなんてね。どうしてお前みたいな雑魚が選ばれたんだ?」


 声の方を向くとゼリオムさんがいた。


 「ゼリオムさん、アンディとエイミーは?」


 「あの子たちなら、ぐっすり眠っているよ」


 ゼリオムさんはそう言いながら、姿と声が青年へと変化していった。


 ――その瞬間、


 周囲が重い空気に包まれた。


 この威圧感はアレスタとは比べ物にならない!


 「なぁ、おいお前! 計画通りにこいつらと戦ったぞ。報酬はいいから俺たちを助けろ」


 アレスタはゼリオムさんにそう話しかけた。


 その瞬間、ゼリオムさんはアレスタを手で貫いた。


 「そんなこと言ったっけ? じゃまだからゴミは消えろよ」


 ゼリオムさんは手についた血を振り落としながら言った。


 「まったく人間ふぜいが俺に気安く話しかけんなよな」


 「ぜ、ゼリオムさん? 一体どういう……」


 僕は突然の出来事に頭が困惑した。


 「あぁ、この姿で話すのは初めてだったね。俺は"変化の支配者"のゼリオムだ」


 「変化の支配者?」


 「俺の役目はお前たちをこの町で盗賊どもに当てて、実力を確認することだったんだが。まさか、こんなにも弱いとわね」


 弱い?


 そのままゼリオムは続けた。


 「今まで何度か、このアーチボルド団は冒険者によって壊滅しそうになってたんだ。それをお前たち以外にやられないように俺が始末してたってわけだ」


 「てことは、今回の元凶はおまえか!」


 「そうだよ」


 ゼリオムは笑いながらそう言った。


 「おまえは許さない!」


 僕はゼリオムに火炎槍を放った。


 「なんだ? ほんとに弱っちいな」


 そういうと、ゼリオムは片手で火炎槍を振り払った。


 えっ、なんで?!


 「水月流 流月一閃りゅうげついっせん


 ロイドはゼリオムに向かって行ったが、剣は腕で弾かれ、後方へ殴り飛ばされた。


 「聖なる光、槍の形に凝縮せよ。我が敵を射抜き、浄化の道を示せ。光輝槍ランケア・ルーキス


 ヴィクトリアの光輝槍もゼリオムに手のひらで弾かれた。


 「えっ、嘘だろ」


 「鉄血流 鉄槌落とし(てっついおとし)


 ヘレナは剣を勢いよく振り下ろしたが、手で剣を掴まれ、ヘレナは顎に蹴りを受け、蹴り上げられた。

 

 「大縦斬り(だいじゅうぎり)


 ボルトはゼリオムに斬りかかったが、防がれ、後方へ吹き飛ばされた。


 僕は全速力でゼリオムに向かい、剣を振りかぶった。


 「竜影流 竜牙裂破りゅうがれっぱ


 竜牙裂破はゼリオムに軽々と防がれ、ゼリオムに地面に叩きつけられた。


 ゼリオムは胸ぐらを掴み、何度も僕の顔を殴りつけた。


 「全く、反吐が出るぜ」


 「迅雷球グローブ・フルミニス


 ゼリオムは僕を離して、迅雷球を避けた。


 「まぁ、これ以上お前たちを痛ぶっても意味ねぇからな。早く魔力を高めとけよ」


 僕は歪む視界の中、ゼリオムがその場を離れていくのを見て気を失った。


 ……


 目を覚ますと僕はベッドの上にいて右の窓から光が差し込んでいた。


 「……ん……あれ? ここは……」


 周囲を見るとヴィクトリアやロイド、ボルト、ヘレナ、ビルたちがいた。


 「ヴィクトリア、ここはどこなんだ?」


 「ここは町の病院よ。あなたここで数日休む必要があるみたい」


 「そうか」


 変化の支配者か。


 今後も僕たちより強いやつがたくさん現れるんだろうか。


 いや、あいつが言っていたアーチボルド団が雑魚だっていうのは嘘だろう。


 でもまぁ、今のトレーニングを続けてもっと強くならないと


 「リック、俺はちょっと飲み物買ってくるよ。お前は何がいい?」


 ボルトがジュースを買ってきてくれるみたいだ。


 「ありがとう。えっと、オレンジジュースがいいかな」


 「そうか。それじゃあ買ってくる」


 ……町の路地裏


 「おい、やり過ぎたぞ。ゼリオム」


 「別にいいだろ? 弱すぎるあいつらが悪いんだからさ」


 「お前には少し実力差を見せつける程度でいいと言ったはずだぞ」


 「はいはい、わかりましたよ。雷鳴の支配者、アルビオンさんよ」


 「なんだ? その態度は。またバラバラにされて貼り付けにされたいのか」


 「わかったよ。すまなかった」


 「ほんとうに、すみませんでした」


 「それでいいんだ、ゼリオム。俺がこの町に張った魔法障壁は解除しておく、お前はさっさと元の持ち場に戻れ」


 「わかった」


 4日後


 入院中、アーチボルド団を捕まえて、副監獄長や監獄長がアンドリューさんと自ら立候補したダニエルさんになった。


 退院し、僕らは一泊だけクライド家に泊めてもらうことになった。


 「すみません、泊めてもらって……」


 「いや、いいんだよ。君たちはアーチボルドたちを倒してくれた町のヒーローなんだから」


 「でも、僕たちだけじゃ勝てませんでした。ダニエルさんや、アンドリューさん、町の人たちの協力があったからあいつらを倒せたんです」


 「まぁそうだとしても、君たちがこの町に来なければ町の大人たちも立ち上がらず、アンドリューや私も戦えず今もアーチボルド団にこの町は支配されたままだったろう」


 「そういえば、君たちの名前をまだ聞いてなかったね」


 「えーと、僕はリック・オズウェルドでこっちは……」

 「ヴィクトリア・ライトです」

 「ボルト・ゼラニウムだ」

 「ヘレナ・レインよ」

 「……ろ、ロイド・て、テクニス……です」


 「そうか、みんなありがとう。……ん? まてよ」


 ダニエルさんは何か手を顎に当てた。


 「オズウェルドって言ったか?」


 「はい」


 「……! 思い出したぞ。私が以前王国騎士団に所属していたとき、オズウェルド公爵という男に仕えていた。まさか、親戚か? いや、確かオズウェルド公爵にはリ何とかっていう息子がいると聞いたことがある。まさか、オズウェルド公爵のご子息か?」


 「……それは、わかりません。僕は父の名前や姿を覚えていないんです。それで、僕たちは父親を探しつつ、五大秘石を見つけるために旅をしているんです」


 「そうか、でもなんで五大秘石なんて探しているんだ?」


 「実は……」


 僕はこれまでに起きたことをダニエルさんに話した。


 「……そうか、蘇りの秘石が見つかるといいな。残念だが、私は蘇りの秘石の情報は一切持っていない」


 「……そうですか」


 「だが、オズウェルド公爵が君の父親だという可能性もある。会うのは難しいかも知れないが、頑張れよ」


 「……はい、ありがとうございます」


 その後、昼食をエミリアさんがが作ってくれることになった。


 「エミリアさん! 自前の鍋を用意したので私も何か料理作ってもいいですか?」


 「えぇ、いいわよ」


 ……え、う、嘘だろ……。


 ヘレナが料理?


 ――数分後


 ボンッ! という音がキッチンからした。


 急いで駆けつけてみるとヘレナが鍋を爆発させていた。


 とうとうここまで来てしまったか……。


 「あっ、エミリアさん。ごめんなさい」


 「別にいいのよ。掃除しとくからヘレナちゃんはみんなのところに戻ってなさい」


 「すみません、ありがとうございます」


 そう言うとヘレナはキッチンを離れようと振り向いた。


 僕はヘレナと目が合ってしまった。


 「えーと、そのー……。残念だったなヘレナ。鍋が爆発しちゃって……」


 そのとき――


 「どうした〜!」


 ボルトが大声とともにロイドやヴィクトリアとやってきた。


 その後はいつも通り、ボルトとヘレナの戦いが始まった……。


 その後、僕らは無事に昼食を摂った。


 「なぁ、君たち。今日の夜アーチボルド団に勝利したことを祝って祭りというか、宴を行うんだが、君たちも来ないか?」


 「えっ! も、もちろん行きます」


 僕は、ダニエルさんにそう言うと祭りが楽しみでじっとしていられなくなった。


 「リック、落ち着いてみんなで参加するんだからあなただけ先に行って一人で楽しむなんてことしないでよ」


 「……わかってるよ」


 僕はヴィクトリアの言葉で少し心を落ち着けたが、祭りが楽しみで仕方なかった。


 ――数時間後


 「よし、行こう」


 僕たちは、クライド一家の家を出て祭りの会場まで向かった。


 会場はたくさんの人が行き交っており、とても賑やかだった。


 「うわー、すげぇー。いっぱい屋台があるぞ」


 そう言いながら、ボルトははしゃぎ回っていた。


 ヘレナはというと


 「ねぇ、甘いものいっぱいあるんじゃない?」


 屋台を見て目を輝かせていた。


 「ロイドも甘いもの探すの手伝ってよ」


 ロイドはというと、ヘレナに絡まれて大変そうだった。


 僕らはみんなで少しずつ屋台を見てまわった。


 ある程度、屋台を歩き回っていくつか買った。


 そして、鍋はヘレナがどうしても決めたいと言い、任せることにした。


 ヘレナがしばらくして戻ってきた。


 「ごめん、みんな。待たせたわね」


 ――そのとき、爆発音が鳴り響いた。


 音の方を向くと、光の大輪の花が咲いていた。


 その後、ヒュルルルー。と黒い空を縫うように火の線が昇り、頂点で一瞬だけ止まった。


 ドンッ!


 という音とともに光が弾け、多くの光の大輪の花が咲いていた。

 赤、青、金色と次々と火の粉が星のように散り、空からゆっくりと落ちていく。


 僕たちはその光景に魅入っていた。


 ――花火、みんなで見れてよかったな。


 その後、祭りは終わり僕らはクライド一家の家へ戻った。


 ――翌日


 「いろいろとありがとうございました」


 「いえ、こちらこそありがとう。何か困ったらまたうちにおいで。できる限り手助けするから」


 「はい、ではまた……」


 クライド一家に別れを告げ家を出た。


 僕らは装備を整えて町を出ようと町の門へ向かうと、町の人たちが集まっていた。


 「リック!」


 ビルが走って僕のところに来た。


 「アーチボルドたちを倒してくれてありがとう。お兄ちゃんたちのおかげでこの町にも平和が戻ってきたよ」


 「そうか、別にいいよ。ビルも家族と一緒に楽しく過ごせよ」


 「うん」


 「そこの君」


 中年の男性が僕の方へ来た。


 「私はこの町の町長なんだが、町の人たちが君たちにお礼をしたくてみんなから食料と金だ。受け取ってくれ」


 箱詰めされた食料とお金を持ち出してきた。


 「いいえ、いりませんよ。町も壊れちゃったし、僕らが助けたくて助けたんですからそのお金と食料は、町の復興に使ってください」


 「そうですか……わかりました。ありがとうございます」


 ボルトが僕の耳元で言った。


 「なぁ、本当にお礼もらわなくていいのか? 俺はもらっといた方がいいと思うぞ」


 「いいんだよ、別に。旅ながら稼げばいいだろ」


 その後、僕たちは町の人たちに送り出され、ストロント町を出た。


 僕らの甦りの秘石を探す旅はまだ始まったばかりだ。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

感想など良かったところや改善点があればお聞かせください、励みになります。


 これからは早くて2週間ごとに投稿したいと思っています。

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