表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールドリカバーアドベンチャー  作者: 矢神 汰一
序章 旅の始まり
1/10

第一話 幕開け

 この物語は少年リック・オズウェルドと幼馴染の旅を描いています。

 魔聖暦1104年4月13日 19時2分


 「そんな……」


 目の前で家が燃えていた。赤黒い炎が夜空を照らし、僕はその場に立ちすくむしかなかった。


 ……小さい頃、父さんは僕にある話をしてくれた。


 「リック、人はいつ死ぬかわからないんだ。今こうして生きていることを当たり前だと思うな。だから毎日、後悔のないように生きろ」


 父さんは寂しそうに続けた。


 「父さんは昔、仲間を失ったことがある。迷宮で怪我をしていたのに、強がって言わなかったんだ。そのとき、少し様子が変だと思っていたのに気づいてやれなかったことを父さんは今でも後悔している。もう一度言うがリック、お前は父さんと違って後悔のない人生を送ってほしい」


 僕は小さくうなずいた。


 「うん、わかった」


 僕はうなずきながら父さんにそう言ったが、幼い頃の僕はこの言葉を理解できていなかった。


 魔聖暦1104年4月12日


 僕はグラン王国の最南端の小さな村、サンタリアで暮らしている。


 このサンタリアは緑豊かな森に囲まれ、清らかな川が流れていて、村の南部に大きな丘があり、そこには巨大な木が生えている。


 そして僕は、4歳の頃に父さんに出て行かれ、父さんの代わりに家族を守ると心に誓った。今は、母さんと弟の3人で暮らしている。弟は僕の4つ下で父さんの顔を見た事がない。


 ちなみに母さんの名前はキャロラインで弟の名前はコールで、コールは金髪で愛らしい顔立ちをしている。母さんも金髪で母さんは30歳になったばかりでコールは6歳だ。


 僕は、母さんが夜によく1人で泣いているのを見た事がある。僕が初めて母さんが泣いているのを見たのは父さんが出て行った日の夜だ。


 僕の目的はいつか冒険者になって居なくなった父さんを探し出して、周りの人と変わらない普通の日常を取り戻すことだ。


 言い忘れていたが、僕の名前はリック・オズウェルド。歳は10歳だ。


 ……なんて、誰かが聞いてる訳でもないのに一人で喋ってたってしょうがないか。


 僕は落ち込んだ気分を吐き出すようにしてため息をついた。


 「は〜」


 「お〜い、リック〜」


 畑の横を通っている時、畑の方から声がした。


 「あっ! ヘンリーさん」


 ヘンリーさんは父さんが家を出て行ってから2週間ほど経った頃に突然家にやって来た人で、最初は変な人だと、村の人たちから警戒されていたけど、今では村の人たちから慕われて、村の農作業の中心的存在となった。僕と同じ栗色の髪をしており、見た感じは40歳ほどのおじさんだ。


 「リック、お前今日は鹿を獲ってきたのか?」


 「はい。狩りをすると身体も鍛えられて食料も手に入って一石二鳥なので」


 「確かに狩りは身体も鍛えられて、食料も手に入るかもしれないが、森は最近物騒だからあまり近付かないようにしろよ」


 「はい、気を付けますヘンリーさん」


 ヘンリーさんにあいさつをした後、僕は家に向かった。日も暮れてきたから早く帰らないと。


 家に向かっているとコールが前を歩いていた。


 「何してたんだコール?」


 「エルモのおはか参り」


 「今日もか、ほんとにコールはエルモが好きだったんだな。お兄ちゃんも今度一緒にエルモのお墓参りに行こうかな」


 「うん!」


 エルモとは去年までコールが大切に育てていた犬の名前でコールはエルモから多くのことを学んだらしい。


 「じゃあ、コール、一緒に家に帰るか」


 「うん、一緒に帰ろう」


 それから数分ほど歩いて家に着いた。


 「母さん、ただいま」


 「お母さん、ただいま」


 「リック、コール、お帰りなさい」


 「お兄ちゃん、僕は先に部屋に戻ってるよ」


 「わかった。じゃあ、また後でな」


 僕は獲ってきた鹿を机に置きながら母さんに今日あったことを話した。


 「今日は森で鹿を獲って来たよ。それに森で冒険者の人が何か話してるのを聞いたよ」


 その時僕は、母さんには禁句の言葉である冒険者を口にしてしまった。


 「リック、あなた……まさかまだ冒険者を目指しているんじゃないでしょうね」


 僕は嘘をつかず、今日こそ正面から向き合おうと思った。


 「目指してるよ……目指して何が悪いんだ」


 「お父さんはね、馬鹿みたいに冒険者だから旅に出るって言って家を出て行った挙句どっかでのたれ死んだのよ」


 「……父さんが死んだなんて勝手に決めつけるなよ……それに僕はもう、大人の平均的な実力を超えてると思うんだ。だから、冒険者として余裕でやっていけるんだ……」


 「一般的な実力を越えてるってあなた、冒険者の人がどれくらい強いのかわかってるの?」


 その時、コールが扉の隙間からこっちを見ているのに気付いた。コールを怖がらせてまでこれ以上言い合う必要はないだろう。


 「もういい……わかったよ」


 そのまま静かな夕食を過ごして僕と弟の2人部屋に入った。


 母さんには言い過ぎたかもしれない。父さんがいなくなって、母さんがどれだけ辛い思いをしてきたかもわかっている。


 けれど――父さんのことを、もう死んだように言うのだけは許せなかった。


 父さんは僕に、魔術の才能があると教えてくれた人だ。村長だって、先週「お前なら冒険者になってもやっていける」と言ってくれた。けれど僕が魔術を始めたのは、全部父さんがきっかけだった。


 まだ1歳の頃、父さんは僕を草原に連れ出して、空に炎を放ち、地面を揺らす雷を走らせたりした。下級から上級までの魔術を自在に操りながら、誇らしげに笑ってみせた。

 ――あのときの父さんは、僕の憧れそのものだった。


 それから僕も魔術を練習するようになり、行き詰まると父さんが魔力の扱い方を教えてくれた。


 4歳になった頃には、中級魔術を使えるようになっていた。

 そのときの父さんの顔――悔しそうに歪んでいたのを、今でも覚えている。


 弟が生まれた直後、父さんは家を出て行った。理由は分からない。けれど、事情があるに違いないと僕は信じている。あの父さんが、そう簡単に死ぬはずがない。どこかで必ず生きている。


 「お兄ちゃん」


 隣で、コールが口を開いた。


 「お父さんのことも大事だと思うけど……まずはお母さんを大切にしてあげてよ。ご飯も洗濯もしてくれてるの、お母さんなんだから」


 コールは真剣な目をして、さらに続けた。


 「人ってさ、急にいなくなるんだよ。大事にできるときに大事にしなきゃ。……お兄ちゃんだって、お父さんがいなくなってから、ずっと僕とお母さんを助けてくれたじゃない」


 6歳のはずなのに、驚くほど大人びた言葉だった。きっと、エルモから学んだのだろう。


 でも、確かに、コールの言う通りだ。父さんはここにいない。けれど母さんは今、僕らのそばで心配してくれている。


 ……明日、朝起きたら母さんに謝ることにしよう。でも僕はだからこそ冒険者になって父さんを連れ戻して母さんの重荷をとってあげたいと思う。


 「それと僕は、お兄ちゃんが冒険者になるのいつも応援してるよ」


 「ありがとうコール。お兄ちゃんは絶対に冒険者になって父さんを探し出して来てやるからな。約束だ」


 「うん、約束。でもお兄ちゃん、お父さんを探しに行くときはぼくも一緒に行くからね。ぼくはお兄ちゃんやお父さんと一緒に大物冒険者になるんだ」


 「そうだな、コールがDランク以上になったらお兄ちゃんの友達とみんなで父さんを探しに行こうな」


 「うん!」


 「よし、じゃあコール、お兄ちゃんは明日ランク測定があるからもう寝るよ。おやすみ」


「お兄ちゃんもおやすみ」


 ランク測定とは毎年行われるが測定義務があるのは4歳と7歳、10歳、13歳というように3年ごとで25歳までだ。理由は25歳になるとランクの変動がほとんどないからだそうだ。


 だめだ、また独り言だ。緊張のせいかな?


 1時間ほどたっただろうか。寝息が聞こえないので、まだコールも眠れていないようだ。コールの方を見ると何か言いたそうにしている気がした。


 「何か悩み事があるならお兄ちゃんが相談に乗るぞ」


 「ありがとう…その…ランクについてなんだけど…」


 「ランクがどうかしたのか?」


 「……それが……お兄ちゃんには才能があるけど僕にはないから……僕の方は来年が測定だけどあまり成長してないからFランクかもしれない」


 「……そうか」


 僕はしばらくあごに指をあて、なんて言うか考えた。


 「……でも、あまり心配するなコール、7歳くらいならほとんどの人がFランクかそれより下の場合が多いし、お兄ちゃんだって伸び悩んだ時期があるんだぞ」


 「えっ、お兄ちゃんも伸び悩んだ時期があるの?」


 「そうだ、プラトー現象ってやつだな」


 「プラトー現象って何?」


 「プラトー現象って言うのは一時的な能力が成長しづらくなることを言うんだ」


 「なるほど、そういことか」


 「だからコールもそのまま諦めずに努力を続ければいつかきっとZZダブルゼットランクになれるさ」


 「ほんとに!?」


 「あぁ、きっとなれる」


 「ありがとう。お兄ちゃんのおかげでなんかやる気が湧いてきたよ。お兄ちゃんって物知りなんだね」


 コールはそう言うと、目にキラキラと輝きが灯った。


 「あぁ、そうだろ?」


 まぁ、つい最近ヴィクトリアの家にある本で知ったばっかなんだけど。


 「じゃあ、今日はしっかり寝て明日から頑張らないとな」


 「うん! おやすみ」


 「おやすみ」


・・・・・・ランク測定当日


 僕は起きてすぐ真っ先に母さんの部屋へ向かった。僕は決心して扉をノックした。


 「入ってきて良いわよ〜」


 母さんの明るい、いつもの返事を聞いて僕は部屋に入った。


 母さんはベッドに座っており、隣の机に安定剤が置かれていた。どうやら、昨日も飲んだようだ。


 母さんの顔を見ると泣いていたのか目が赤くなってまぶたが腫れていた。


 「……ねぇ…母さん昨日は言い過ぎたよ。ごめん……」


 「良いのよ。気にしてないから。私だって言い過ぎたわ。そうね、リックの言う通りまだどこかでお父さん生きてるはずよね。……ねぇ、リック。こっちにいらっしゃい」


 「…わかった」


 僕は母さんに近寄った。すると母さんは僕を抱きしめてきた。突然のことで少しビックリしたけど母さんの顔を見ると少し涙のあとがあった。母さんは気にしてないって言ったけど昨日の夜、一人で泣いていたに違いない。


 「リック、今日のランク測定頑張ってきなさいよ」


 もし、父さんを連れ戻さなくてもせめて、母さんの期待に応えよう…と僕はそう思った。


 「うん、わかった!」


 僕は部屋に戻ると、コールはすやすやと寝息を立てていた。


 「おーい、もう朝だぞ。起きろって」


 軽く揺さぶると、コールは顔をしかめながら布団をかぶり直した。


 「……あと5分……」


 「5分どころか、外はもう明るいぞ」


 このやり取りは、毎朝の恒例だ。


 僕はため息をつきながらも、どこか嬉しくなる。


 弟を起こすこの時間が、僕には当たり前で大切な時間だから。


ランク測定1時間前

 とうとうこの時がやってきた。まず幼馴染のみんなで決めた目標はDランク以上だ。


 「それじゃ、母さん、コール、行ってくる」


 「行ってらっしゃい」


 「お兄ちゃん、いってらっしゃい」


 僕は家の扉を開けて外に出た。


 そしてランク測定の会場に向かって歩き始めたときコールも家から出てきた。


 「僕、訓練がんばるね」


 僕は後ろを振り向いた。


 コールは眩しいくらいの眼差しをしていた。


 「あぁ、がんばれよ。コールがDランクになったらみんなで父さんを探しに行こうな」


 「うん!」


 僕は前に向き直ってランク測定会場へと再び歩き始めた。


 そうだなぁ、明日コールとエルモのお墓参り行ったら、久々にコールの訓練に付き合ってやろうかな。


 去年、コールの魔力の扱い方が雑でそれを指摘するとコールは『最初から扱いの上手いお兄ちゃんにはわからないよ!』って言ってそれ以来、コールの訓練に付き合ってないなぁ。


 ……もしかして、あの指摘が自信をなくした原因だったのか?


 帰ったら、僕のできる最大限のサポートをしてコールを支えてやろう。


 それはそうと、今はランク測定のことに集中だ。


 僕はふと、空を見た。快晴だ。


 今日は快晴か。なにかいい事ありそうだな。


 ランク測定は村の中央にある村長の家の近くに会場が設置されている。


 ランク測定の会場に着くと数十人の人が集まっていた。


 「おーい、おはようリック、遅かったじゃねぇか」


 この声はボルトか?


 声のした方を向くと幼馴染で黒髪のボルト・ゼラニウムがいた。


 「おはよう。ボルト、遅かったってお前いつからいたんだ?」


 「昨日の夜からだ。俺は親が死んで独り身だからな。暇で外で訓練でもしながら待とうと思ってな」


 おい、おい、なんて奴だよ。前から思ってたけどなんかこいつやばいな。ん、


 その時僕は、横に誰かいる気配を感じた。


 「おはよう。ロイドじゃないか」


 「…おはよう…」


 僕の横にいたのは幼馴染の一人、銀髪のロイド・テクニスだった。


 「おはよう。みんな、こんな所にいたの」


 「ヘレナじゃねぇか。お前遅かったな」


 「ボルト、私はねあんた達を探してて遅くなったんだからね」


 彼女は僕の幼馴染の一人、赤髪のヘレナ・レインだ。


 「おはようー。皆んなー、遅れてごめんなさい」


 今遅れてきたのは幼馴染で金髪のヴィクトリア・ライトだ。その時、アナウンスが始まった。


 「えー、お集まりの皆さんどうもおはようございます。これから年齢ごとに並んでください。1番ゲートに4歳の方、2番ゲートに7歳の方、3番ゲートに10歳の方、4番ゲートに13歳の方でお願いします」


 言い忘れていたがランク測定は2日制で1日目に4歳から13歳、2日目に16歳から25歳となっている。


 「なぁ、早く並ぼうぜ」


 「ボルト、お前今回も張り切ってるな。まぁ、確かに早く並ぼう」


 全員が並び終えると、再びアナウンスが始まった。


 「ここで初めてランク測定を行う人がいるので説明しますが、ランク測定は主に攻撃魔力、回復魔力、魔力耐性、魔力量、敏捷力、技能、筋力、物理耐性の8つとなります。冒険者になれるのは基本的に総合ランクEランクからとなっていて、剣を使う方は剣技、弓を使う方は弓技。そして、魔術師としての階級を表記します。弓技に階級は存在せず、剣技の階級は下三級、下二級、下一級、中二級、中一級、上二級、上一級、公級、王級、帝級、神級となっており、魔術は下級、中級、上級、公級、王級、帝級、神級となっております。それでは成長した力を存分に発揮してください!」


 その後、ゲートごとに名前が呼ばれていった。


 そして、とうとう僕の名前が呼ばれた。


 基本的に測定は魔導具を使って行われた。そして測定が終了した。


 「みんな〜、測定結果どうだった?」


「まずは俺からだな」


 ボルトが測定結果の紙を開いた。


[ボルト・ゼラニウム]

・攻撃魔力D−ランク

・回復魔力D−ランク

・魔力耐性D−ランク

・魔力量D−ランク

・俊敏力C−ランク

・技能E−ランク

・筋力C+ランク

・物理耐性C+ランク

  総合ランクDランク

  剣技 下二級

  魔術 中級 雷の魔術


 「ヴィクトリアはどうだった?」


 「ちょっと、自信ないから。結果が悪くても笑わないわよね」


[ヴィクトリア・ライト]

・攻撃魔力C−ランク

・回復魔力B−ランク

・魔力耐性C−ランク

・魔力量C−ランク

・俊敏力D−ランク

・技能C+ランク

・筋力Eランク

・物理耐性Eランク

  総合ランクD+ランク

  剣技 風雅流下ニ級

  魔術 中級 光の魔術

     中級 治癒魔術

     下級 解毒魔術


 「えっ! Bあるじゃん初めて見た。ロイドはどうだった?」


[ロイド・テクニス]

・攻撃魔力D−ランク

・回復魔力D−ランク

・魔力耐性D−ランク

・魔力量D−ランク

・俊敏力B−ランク

・技能Cランク

・筋力C−ランク

・物理耐性C−ランク

  総合ランクD+ランク

  剣技 影風流中一級

     水月流中一級

  魔術 不明


 「やっぱロイドは敏捷力が一番高いな〜。ヘレナはどうだった?」


 「へっへ〜、私の記録を見て驚いて目ん玉飛び出さないようにしてよ」


[ヘレナ・レイン]

・攻撃魔力Cランク

・回復魔力C−ランク

・魔力耐性Cランク

・魔力量C−ランク

・俊敏力D−ランク

・技能D−ランク

・筋力E+ランク

・物理耐性E+ランク

  総合ランクDランク

  剣技 鉄血流下ニ級

  魔術 中級 水の魔術

     下級 治癒魔術


 「へぇー、すっげぇー! 目標通りの記録で良かったな」


 僕はおちょくるような口調でそう言った。


 「なんですってー、リック! 覚悟ー!」


 そして僕はヘレナに突然襲い掛かられボコボコにされた。


 「不意打ちなんてずるいぞ、ヘレナ。でも、久々に負けたな。にしても、一体いつ中級魔法が使えるようになったんだ?」


 「ここ最近よ」


 ヴィクトリアが僕の質問に答えた。


 「あなたが狩りやら部屋に引きこもるやらしてる間に4人で集まってみんなで特訓してたのよ」


 「へぇー、そうだったのか」


 「それよりリックあんたの記録はどうなのよ」


 「じゃあ見せるぞー」


 そう言って僕は記録用紙を開いた。


[リック・オズウェルド]

・攻撃魔力C+ランク

・回復魔力C+ランク

・魔力耐性C+ランク

・魔力量B+ランク

・俊敏力Cランク

・技能Cランク

・筋力Cランク

・物理耐性Cランク

  総合ランクCランク

  剣技 竜影流下一級

  魔術 上級 炎の魔術


 まさかCランクもあるとは思っていなかったので僕の思考は一時停止した。その時、ボルトが喜びの声をあげたので我に返った。


 「やったなー、みんな目標達成じゃねぇか」


 「そうだな。じゃあ店で色々買って丘の辺りで打ち上げでもするか」


・・・・・・数時間後


 「それじゃ、オレンジジュースでかんぱ〜い」


 打ち上げパーティはとても盛り上がり、ボルトが僕にプレゼントがあると言ってきた。一体なんなのだろうか?


 「リック、お前にこの特製元気モリモリドリンクをやるよ。さぁ、飲んでみろ」


 ボルトがグイグイと迫ってくるので家で飲もうと思ったが、ここで飲む事にした。


 「おぉ、この元気モリモリドリンクとか言うのおいしいな。ありがとう! ボルト」


 「良いってことよ」


 あれ、なんか眠くなってきた。そうか、今日は色々あったからきっと疲れたんだな。


・・・・・・


 気付いたら日が沈みかけており、空はオレンジ色になっていた。ヴィクトリアがこっちを見ている。


 「リック、やっと起きたのね。ボルトはリックが寝ちまったし、やる事があるから帰るって言って帰っちゃったのよ」


 「そうか、ごめんなさい」


 「あなたが謝る事じゃないわ。もう暗くなってきたから私たちも帰りましょう」


 「そうだな」


 後片付けをして家に帰る事にした。


 「それじゃ、またな〜」


 「「「またね〜」」」


 ヴィクトリアとヘレナは返事を返してくれたが、相変わらずロイドは手を振るだけだった。


 「まぁ、遅くなったし早く帰るか」


 そうして僕は家に向かって駆け足くらいの速度で走った。家は丘からほぼ真反対にあるので時間がかかった。


 やっと家が見えてきた時、空から急に雷が落ち、家に直撃して、家から火が出てきた。僕は速度を上げて家に向かって全力で走った。


 なんだ? さっきの雷、突然落ちてきたぞ。


 家の外にはヘンリーさんや母さん、近所の人たちがいた。母さんは錯乱し、家の中へ入ろうとしているのをヘンリーさんに止められていた。そこにはコールの姿が見えなかった。


 「コールがまだ中に! コール! コール~」


 「ダメだキャロライン、家に戻ったら君の命も危ない!」


 母さんは泣き崩れてその場に座り込んでしまった。


 「そんな……」


 僕は怖くて何もできなかった。


 炎に呑まれていく家を見つめることしかできなかった。


 その日を境に、僕の人生は大きく変わってしまった――。

気軽に感想など良かったところや悪かったところを教えてもらえると嬉しいです。


キャラクター紹介

主人公…リック・オズウェルド

リックの弟…コール・オズウェルド

リックの母…キャロライン・オズウェルド

リックの幼馴染…ボルト・ゼラニウム

リックの幼馴染…ヴィクトリア・ライト

リックの幼馴染…ロイド・テクニス

リックの幼馴染…ヘレナ・レイン

近所の農家のおじさん…ヘンリー


剣技          魔術

下三級         下級

下二級         中級

下一級         上級

中二級         公級

中一級         王級

上二級         帝級

上一級         神級

公級

王級

帝級

神級


ランクはすごく多いです。(今後増えるかも)


ランク紹介

G−ランク

Gランク

G+ランク

F−ランク

Fランク 

F+ランク

E−ランク

Eランク

E+ランク

D−ランク

Dランク

D+ランク

C−ランク

Cランク

C+ランク

B−ランク

Bランク

B+ランク

A−ランク

Aランク

A+ランク

S−ランク

Sランク

S+ランク

Z−ランク

Zランク

Z+ランク

GGランク (ダブルジーランク)

FFランク (ダブルエフランク)

EEランク (ダブルイーランク)

DDランク (ダブルディーランク)

CCランク (ダブルシーランク)

BBランク (ダブルビーランク)

AAランク (ダブルエーランク)

SSランク (ダブルエスランク)

ZZランク (ダブルゼットランク)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ