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魔法学校の日常  作者: 社畜大根
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三人百色

今年からノーキン魔法学校に通うことになり、幼馴染の家に居候することになったものの…

「マーテル、久々じゃないか!5年ぶりか〜?大っきくなったなぁ!」


俺はエリナおばさんにそう言って出迎えられた

ここはエリナおばさんとその家族が住む家、これから数年間居候することになるまさに第二の実家だ


「ノーキン魔法学校に入るんだったよな?うちの娘達も同じなんだ!」


「あぁ、そういえばあいつらも今年入学ですか!」


エリナおばさんには3人の娘がいる、上から順にエリシア、マース、スフィア、俺の幼馴染で今年魔法学校に入る同期ってわけだ


「色々気難しいところはあるけどよろしくね」


そう言って玄関のドアが開かれた


それを俺は一瞬で閉じた


「ん?どうしたんだい?」


「何アレ」


「何ってスフィアのペットだよ」


「いやいやいやいやいや、スライムともゴキブリとも猫とも取れない名状し難い物体Xをペットとは言わんでしょうがえ?そもそもアレ生きてんの?あからさまに顔?の部分の目が死んでるんだけど、明らかに49日終えて今まさに仏様の元で修行を始めんとしてる顔してんだけど」


「あぁアレは擬態器官さ、アンタも知ってるだろう?魔法生物はさまざまな物に擬態するって」


「怖、死体に擬態する生き物とかビックリ生物ばかりの魔法生物でも初めて見るんだけど」


「これから一緒に住むことになるんだ、そう文句ばかり言ってないであいさつでもしてきな!」


そう言われ背中を押され、物体Xに近づいてしまった


「あおwjすぜhzさきあじゃあぁいあjうsm」


うわー何この鳴き声


「や、やぁ…初めまして」


「お前の死は人類の救済」


「」


「どうだった?」


「死ねって言われました」


「ミーちゃんが喋るわけないだろう、まぁ冗談を言う余裕があるなら大丈夫だな!」


ミーちゃんっていうのか、近付かんとこ


「母さんったらさっきから何を…!マーテル!マーテルじゃないか!」


家の奥から出てきたのは長女のエリシアだ、黒色の長い髪をしていて幼馴染の俺からしてもかなり美人の部類に入ると思う


「お!エリシアか!久しぶりだな!随分と背が伸びたな〜」


「なんだそのセリフは、父さんみたいだ」


「いや悪りぃ悪りぃ、5年前で止まってた」


「2人とも久しぶりだけど仲が良さそうで安心したよ、じゃあ母さんは後ろのカラミティドラゴンに餌やってくるから、家の事とか色々教えてあげてね」


今俺は何も聞かなかった、うん、国を滅ぼせる竜の名前なんて聞かなかった


〜〜〜


「それじゃあ!5年ぶりに再開したマーテルに、乾杯!」


「「乾杯!!」」


あれから数時間経って夕飯時、マースとスフィア以外が全員帰ってきてやっと5年ぶりに顔を合わせられた


「いやー、マーテル君が大きくなっておじさん驚いたよ」


そう言って盃を口に運ぶのはエリナさんの夫でエリシアの父のエドワードさん、彼は近くのエリド大森林でガイドをしている、筋骨隆々で厳ついが見た目によらず良い人だ


「ははは、さすがに5年経ってますから成長くらいしてますよ」


「ところでマーテル君」


「はい?何でしょう」


果実酒を口にしながら答える


「うちには4人の女性がいて男衆が昼間仕事でいない時なんかは男性は君1人なんてこともあるだろう」


あぁこう言う話かまぁ大切なことだしな、そこはちゃんと


「しっかりモノにしなさい、お母さん以外なら誰を貰って行ってくれても構わないから、なんなら全員でもいいぞ」


ちゃんとダメな話に変わった


「な、何言ってんですか!自、自分の娘を何だと思ってんすか!?」


「いやね?うちの子達みんな可愛いんだけどちょーーーっと我が強いって言うか唯我独尊っていうか天は私の上に人をつくらず私の下に万民を作ったっていう感じの子が多くて」


「最後のは我が強いどころじゃ無くないですか」


「父さん…今ここでマースの話はやめよう」


「え、あいつ何かやらかしたのか?」


ここで出ているマースとは次女で小さい頃は「マーテルお兄ちゃん!」ってよく懐いてくれた妹的立場の子だが…


「あぁ…あいつの悪い癖が悪化してな、この間「眷属よ!闇より出て我前に集え!」とか言って禁呪を使おうとしてね…魔道警察にしょっ引かれてる」


「えぇ」


何あいつ怖


「そ、そういえばスフィアはどうしたのかな〜?なんて?」


「あぁ、スフィアか…あいつは今暫くは来れないだろうな」


「え?まさかあいつも魔道警察に」


「いや、違うんだよマーテル君」


「…あいつから手紙を預かってるから、それを読んでみると良い、きっと事情が分かる」


そう言って一枚の封筒に入った手紙が渡される、封が切られておらず恐らく初見だろう


「読んで見て、くれないかね」


「…はい」


何か真剣なことなのだろうか、空気が重くなった気がする


「ごめん、マーテルに会いには行けません。いま、エスティナにいます。


この国を南北に断絶するユミル山の薄明石を私は密猟しています


本当は、あの頃が恋しいけれど……。


でも、今はもう少しだけ知らないふりをします


私の盗るこの薄明石も、きっといつか、誰かが高値で買い取ってくれるから。」


「…」


「…」


「…」


「何やってんのあいつ!!!!!」


「あの子はちょっとばかり欲張りっていうか欲が強いっていうか、金の亡者で金を崇拝してるところがあるっていうか…」


「金を崇拝してるとか生々しすぎるだろ…てか何密猟してんだよ」


「いや、でも悪いことだけじゃないよ?あの子は色々な良い影響も与えてるんだ」


「たとえば?」


「あの子が盗みに入った聖ノワール大聖堂の宝物庫は警備が厳重になったし」


「」


「あの子が金脈目当てに掘った洞窟から封印されし魔剣が発掘されて周囲200kmの土地と引き換えに魔剣が全力を取り戻す前に無力化成功したり」


「」


「あの子が竜の卵を盗掘しに入ったとある独裁国家の山に古龍がいて目覚めた古龍が独裁国家を滅亡させたり」


「ちょっとやだここ数世紀最悪の犯罪者じゃないですか」


「おまけに古龍が裏に居座ったり」


「」


「ま、まぁ我が家としては逮捕されてないし逮捕されてないうちは推定無罪だしいいかな〜?みたいな」

よろしくお願いします

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