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寡黙な戦士、カタルシスを堪能する

【短編】寡黙な戦士、卒業パーティーに参加する~だって、婚約破棄も好きだもん~

以前、投稿した『【短編】寡黙な戦士、追放に同調する~だって、もう遅いが見たかったんだもん~』の続編になります。

https://ncode.syosetu.com/n0251gu/


前作を読まなくてもいいように書きたかったのですが、無理でした。(力不足でごめんなさい)

申し訳ありませんが、先に↑をお読みくださいますようお願い申し上げます。

 王都の冒険者ギルドに併設された酒場では、今日も荒くれ者の冒険者たちが呑んで歌って踊って、たまに殴り合ったりして勝手気ままに過ごしている。凄まじい騒音と男臭さで、常人なら三〇分もいれば気分を悪くするだろう。


 そんなギルド酒場の端に、六人組の男女が座っている。王都では知らぬ者の居ないSランク冒険者パーティー『鋼の絆』だ。


 メンバーはリーダーにして聖騎士のレオン、司教デビット、大魔法使いドーラン、斥候ダリル、重戦士ロウ、紅一点の女商人のリリィで構成されている。リリィ以外は全員男性。しかも人族でありながらオークやオーガと見まがうような大男ばかりだ。


「俺たちの切れぬ絆に!」

「「「乾杯!」」」

 レオンの低い声に、野太い声が呼応する。


 乾杯から十分と経たず、ワインやらエールやらが樽単位で飲み干される。完全に出来上がった大男たちは楽しそうに肩を組み、国歌詠唱を始めた。その内、周囲の冒険者たちを巻き込んで大合唱になるだろう。


「なあ、リリィ。『信頼の背中』って知っているか?」

 寡黙な重戦士ロウは、そんな地獄絵図を遠巻きに眺めながら尋ねる。


「……っ、えっと、それは」

 リリィの肩が僅かに跳ねる。黒目勝ちの瞳が驚くほど素早く泳いでいた。


「何か知っているのか?」

 どうも変な二つ名で呼ばれているようなので、情報通の商人リリィに確認したのだ。


「あ、ロウさん。クラーケン焼き、来ましたよ」

「ありがとう、リリィ」

「オーク揚げもどうぞ、あーん」

「パクッ、おいしい! ではなく、誤魔化さないで欲しいんだが……」

「……はぁ、とうとう、気が付いちゃったんですね」

 リリィは観念したのか、申し訳なさそうに説明してくれた。


 やはり、以前所属していたAランクパーティー『第五の栄光』における脱退時の騒動が原因だったようだ。


 ロウとリリィが所属していた『第五の栄光』では、リーダーだったアランとその仲間たちによるメンバー追放が起きた。彼らはパーティーの要として活躍していたリリィに不当な評価を下し、蔑み、罵倒して追い出そうとしたのだ。


 あまりに理不尽な光景に、寡黙で知られていたロウが激怒した。パーティー脱退を宣言すると、追い縋るアランたちを逆に切り捨てるという事態に発展する。


 その結果、パーティーの主力と信頼を同時に失った『第五の栄光』は解散に追い込まれ、アランたちは冒険者を引退、故郷へ帰っていった。


 ロウがアホ共を言い負かした後、去り際に言い放った『もうお前らに、預けられる背中はない』という台詞は、多くの冒険者の胸を打ち、噂が噂を呼んで王都で大流行してしまった。


 ロウはこの一件で冒険者たちから絶大な信頼を勝ち取った。この『信頼の背中』という二つ名は彼を讃えるために例の決め台詞になぞらえて作られたものなのだ。


 しかし、実際は違う。


 旧時代の物語『もう遅い』シリーズに耽溺し、生で見たいという要望を抑えきれなくなったロウが、リリィへの不当な評価を放置し続け、アホ共の勘違いを助長させていたのが原因だった。


 しかも、待ちに待った追放直後に発生した『帰って来てくれ』→『もう遅い』の早すぎる流れに我慢ができず、物語に介入。知らぬ間にロウ自身が『もう遅い』をしてしまうという大失態を演じている。


 おかげでロウは『もう遅い』を生で見ることが出来ないばかりか、それがトラウマとなって『もう遅い』シリーズの物語を楽しめない体になってしまった。


 なんというか、色々と残念なものが積み重なった結果なのである。少なくとも冒険者たちが憧れる要素などひとつもなかった。


「やはり、俺が原因か……」

「すいません、優しいロウさんがそういうの嫌がるので黙っていたんですけど」

「俺は、優しくなどない……俺が失敗したせいで……」

 ロウが顔を伏せる。


「……ロウさん」

 リリィは、胸を押さえた。Sランクパーティーに移籍し、冒険者として頂点を極めながらも、没落してしまったかつての仲間たちを想い続けるその姿に心を打たれていたのだ。


 もちろん、全てリリィの勘違いである。


 ロウは追放当日の自身の振舞いを悔いていただけである。


 多少、カタルシスが不足していても自然発生した『もう遅い』だけで満足できていたはず。ほどほどで我慢しておけばこんなことにはならなかった。『もう遅い』ファンの一人として、それがどうしようもなく悔しい。


 もちろん、五年間もの間、苦楽を共にしてきたアランたちのことなんざ、かけらも考えちゃいない。


(しかもなんだよ! 『信頼の背中』って! 何でわざわざ体の部位を持ってくるんだよ! 信頼の戦士とか、壁とか、盾とか、もっとこう、あっただろうが!!)

 もし他者に怒る部分があるとしたら、出来の悪いブランド肉のキャッチコピーのようなものを付けられてしまったことだけだ。


 まさに因果応報。今更、後悔しても『もう遅い』のである。



 そんなことがあった翌日、ロウたちは新たな依頼を受けるべくギルド窓口を訪ねた。『鋼の絆』は非常に仲のいい冒険者パーティーだ。依頼の受諾や物資の準備、ダンジョンの情報集めなどパーティー全員で知恵を出し合うことになっている。


 しかし、ギルド窓口での交渉は商人たるリリィの独壇場だった。ロウたちは後ろで事の成り行きを見守るだけ。


 今日の担当は新人の受付嬢だった。経験不足の彼女は時間経過と共に顔色が蒼くなっていく。王国屈指の益荒男たちから自然と放たれる武威によって、呼吸困難を起こしていたのだ。


 もちろん、威圧しているつもりなどない加害者おとこどもはそのことに気づいていない。


(……可哀そうに)

 ロウは、依頼票を見る振りをしながらリリィに近寄り、仲間たちの視線から受付嬢を庇ってやった。壁戦士の本領発揮である。


「……ロウさん、あの、ちょっと、近い……です……」

「すまん、少し我慢して欲しい」

「そんな、人前で……」

 リリィが耳を赤くする。


「おい、見ろよ、またロウたちがイチャつき始めたぞ」

「ったく、暇を見てはくっつきやがる」

「青いですなぁ。私たちにもあんな頃があったとは」

「ワシ、年甲斐もなく胸がきゅんきゅんする」

「黙れ」


(全く、一体、誰のせいだと思ってる)

 ロウはため息を吐いた。しかしながら、守ってやったはずの受付嬢が『ヒッ、なんか一番大きいのが近づいて来たぁ!』と余計に怯えていたことを本人だけが知らない。


「お待たせしました。良さそうな依頼が有ったのでどれを受けるか相談させてください」

 ロウが余計なことをしている間に、手早く窓口での交渉を終えたリリィが声をかける。


「よし来た! 昼飯がてら話をしようぜ」

 リーダーであるレオンの提案で隣接する酒場へと向かう。


「とりあえず全員、エールでいいな?」

「あ、レオンさん。お酒はダメですよ。せめて話が終わった後にしてください」

「いいじゃないか、リリィちゃん」

「堅いこと言うなよ」

「そうですな、酒は百薬の長といいますからな」

「本来なら今日は休みじゃろ」

「あの、ちょっと……お願いですから」

 リリィの願いも儚く、レオンたちが給仕を呼ぶ。


 パーティーの頭脳として大活躍しているリリィだが、年下の女の子ということもあり、こういった場面では押し負けてしまうことも多かった。


「酒はキャンセルだ。水でいい」

 そこでロウの出番となる。彼は給仕に注文を変更するよう告げた。彼女の押しの弱さをカバーするのが、今のパーティーでのロウの役割となっているのだ。


 ロウはとっても反省したのだ。かつて自分は『もう遅いよくぼう』に負けて全てを失った。二度と同じ失敗は繰り返すまいと行動しているのだ。


「なあ、ロウ、ちょっとぐらいいいだろ?」

「ダメだ、ダリル。判断力が鈍る」

「ワシは、酒で舌を湿らせなければちゃんと喋れんのよ」

「ではドーラン、お前は一生黙っていろ」

「ほっほ、では私は黙りますので一杯、お願いしますよ」

「お前ら、何をしに此処へ来たか分かっているのか?」

「「「ぐぬぅ」」」


「……ロウさん、ありがとうございます」

「ああ、先に進めよう」


(おい、見ろよ。また『信頼の背中』がやり込めてるぜ)

(大ベテラン相手にすげえよな。さすが信頼される背中は違うよ)

(信頼できそうな背中だもんな)

(流石、背中ってやつね)


(……だから何だよ、背中って)

 疲れた様子でため息を吐くロウを、リリィが気の毒そうに見る。


 ともあれ打ち合わせは続いた。無言になってしまったロウだが、元々喋らないため普段と変わらず、あまり気にしてもらえなかったのだ。


「で、残ったのはこの『卒業パーティーの出席』か……」

「はい。毎年、王立学園の卒業パーティーでは、父兄だけでなく、著名人を招いて華やかなものにするそうです」

「つまり、社交界だろ? 冒険者風情おれたちが行って雰囲気、壊さないか?」

 レオンが尋ねる。王立学園とは、貴族の子息子女が社交界で生きていくための礼儀作法を培うための学校だ。華やかさとは無縁の冒険者が出張って品位を落としてしまわないか危惧していた。


「『鋼の絆』ならば人格や権限的にも問題ないと判断されたみたいです」

 上級冒険者には有事における従軍義務がある。その代わりに公的な身分が与えられ、年金などの補償も受けられる。Sランク冒険者ともなれば物理的にも身分的にも木端貴族など目じゃなくなるため、下手に絡んでくる輩もいない。もちろん平民出なので多少のマナー違反だって許して貰える。


「しかし、着ていく服がな……」

「衣装などは学院が貸し出してくれるそうですよ」

「……じょ、条件が良すぎて逆に不安になりませんか?」

「た、たしかに、目的が分からんことには……」

 どうも仲間たちは乗り気ではなさそうだ。メンバーのほとんどが平民出の成り上がり者なため、貴族に対する隔意を持っていた。


 どれ、ここはひとつ取り持ってやろうかとロウが口を開きかけた時、リリィがこう続けた。


「卒業生の中には冒険者になる人もいますし、何より今年は……その、我々が……話題になりましたから……」

「なるほど、目的は俺らじゃねえってわけだ」

 仲間たちの視線が一斉にロウに向く。要するに、お金持ちの坊ちゃん嬢ちゃんが、巷で話題の有名人を一目見たいがためにギルドに依頼をかけたというだけの話だった。


「あの、ロウさん。どうでしょうか? 半日仕事の割りに報酬もいいですし、当然、戦闘もありません。貴族との繋ぎも作れますから、私は参加したほうがいいと思っています」

「断る」

 誰が好き好んで見世物になりたいというのか。


「まあ、いいじゃないか。綺麗な服着て、飯を食ってりゃいいんだろ」

「それで金が貰えるならやらねえ道理はねえな」

「色々な意味で最高の依頼だわい」

「ええ、その通りですね」

 事情が分かった途端、嫌がらせのごとく手のひらを返してくる仲間たち。


(こんの裏切り者どもがああぁぁぁぁぁ!!)


 しかし、抵抗もむなしく(実際には口下手なので何も言っていない)、リリィの言う事が絶対的に正しいと強引に依頼を受けることになってしまった。


「あの、ごめんなさい、ロウさん……」


「……いや、もういい」


(まさか、こんな所でも『もう遅い』が関わってくるとは……)

 ここまで来ると、もはや呪われているとしか思えないロウであった。





 卒業パーティーは王城にある大ホールを借りて行われる。


 王立学園は王侯貴族の子息子女のための教育機関だ。しかし、法律や領地の経営などの勉強よりは、社交界のための練習場としての側面が強い場所であった。


 そのため学習成果の総まとめである卒業パーティーは本番さながらではなく、本番そのものなのだ。卒業パーティーが社交界デビューになる卒業生も多いという。


「すごいな、ここは」

 海外の貴賓を招くパーティーでも使われる大ホールだけあって、その広さや豪華さは圧巻であった。ステンドグラスに巨大なシャンデリア、壁はおろか天井に至るまで装飾が凝らされている。季節外れの生花、白磁の器に乗せられた美食の数々、鏡のように磨かれた銀のカトラリーと、まるで異世界に迷い込んだような気分にさせられる。


 そんなパーティー会場では、極彩色の衣装を身にまとった若人たちが、やたらと足の細いグラスを片手に、芸術だの政治だのといった頭の良さそうな会話をしていた。


 一方、特別招待された某冒険者たちは


「なあ、この大理石の柱、天井についてないぞ? 何の意味があるんだ?」

「知らん、武器にするんじゃないか?」

「なるほど破城槌か!?」

「そんな訳あるか。普通にぶん回すんだよ」

「重さはともかく、持ちにくそうだな」

 と、実に頭の悪そうな会話をしていた。


 そんな風に最初こそ慣れない社交界の雰囲気に飲まれ、隅っこで固まっていた彼らだが、酒さえ入れば話は変わる。すぐに散らばり、人に囲まれるようになっていた。


 元々、話好きで面倒見のいい好漢ばかりなのだ。過去の依頼で知己を得た貴族たちと話をしたり、軍役に就くという青年たちに戦いのイロハを教えたりしているようだ。


 一方、口下手で知り合いも少なく、オーガと見紛うような厳めしい容姿をしているロウは、卒業生はおろか父兄たちにさえ遠巻きにされていた。


 ロウとしても、わざわざ目立つ必要性を感じないので、大人しくテーブルの食事を平らげることに専念していた。


「ロウさん、楽しんでますか?」

 リリィに声をかけられ、振り返る。


「ああ……、す、すまん」

 何故か謝ってしまう。クリーム色の髪を結いあげ、金糸の入った深緑のドレスを身にまとったリリィは普段よりずっと眩しくて、粗暴な冒険者ごときが迂闊に喋りかけてはならない、ある種の神聖ささえ感じられた。


「ふふ、何を謝ってるんですか」

「すまん……その、あの……」

「その、どう、ですか? 綺麗じゃないですか、このドレス?」

 リリィが一歩近づき、ロウが下がる。


「ああ、その、き、きれいだぞ」

「あれぇー? ドレスだけ、ですか?」

 リリィがわざとらしく小首をかしげる。ロウの狼狽っぷりを楽しんでいるのだ。百の魔物に囲まれても、怒り狂う竜と相対しても顔色ひとつ変えない男が、着飾っただけの自分に戸惑う。そんな事実がただただ嬉しかった。


「い、いや、リリィが美人なのは、前から、知っている……」

 追い詰められたロウが思わず本音をこぼすと、リリィは胸を抑える。思わぬカウンターに瀕死のダメージを受けていた。


 両者共に満身創痍。二人で顔を赤くして俯き、もじもじとしていた。


「あの、リリィ、いいかしら?」

 ロウが困っていたところ、声がかかった。


 後方、赤いドレスを身にまとった貴族令嬢が優雅な微笑みをたたえていた。リリィとは方向性こそ違うが、こちらも大変な美人だ。豪奢な金髪縦ロール、芯のある碧眼がサファイアのように強く輝いている。


「あ、ごめんなさい、ソフィア様。ロウさん、ソフィア様ですよ! ファーシル侯爵家の!」

「まさか、あの時の……大きくなったな」

「お久しぶりです、ロウ様。その節はありがとうございました」

 見事なカーテシーをしながらソフィアが挨拶を行う。


 ソフィア・ファーシル。王国南部の穀倉地帯、ファーシル侯爵領を有する名門貴族のご息女だ。


 彼女との出会いは五年前。リリィが『第五の栄光』に加入するきっかけとなった事件までさかのぼる。


 当時、パーティーを結成したばかりの駆け出しだったロウたちは、たまたま依頼でファーシル領を訪れていた。


 その時、街がワイバーンに襲われるという大事件が発生したのだ。未曽有の被害を起こしかねない非常事態。そこで大活躍したのがロウたち『第五の栄光』だった。無名ではあったが当時から実力のあった四人は、住民たちを守り切り、ワイバーンを討伐せしめた。


 そして逃げ惑う住民たちの中に、お忍びで街に遊びに来ていたソフィアとリリィが混じっていたのも幸運だった。


 こうして彼らは名門貴族であるファーシル侯爵家の後ろ盾を得ると同時、この事件がきっかけで冒険者を志すようになったリリィをパーティーに迎え入れることができた。おかげで『第五の栄光』は階段を駆け上るようにAランクまで昇り詰めた、というわけである。


 ちなみにリリィとソフィアは乳兄弟であり、冒険者になることを反対していたリリィの両親を説得してくれたのも彼女だと言う。


「そういえば、リリィは貴族の生まれだったか……」

「はい、吹けば飛ぶような男爵家でしたが」

 道理でパーティーでも堂々としているはずだ、とロウは思った。ちなみにリリィの職業『商人』は能力の特性を表しているだけで、貴族の中にも『農民』や『鍛冶師』といった平民のような職業クラスを持つ者も珍しくない。


「しかし、今や二人ともSランク冒険者。身分差なんてあってないようなものになりましたわね」

 Sランク冒険者は子爵家当主レベルの権限を持つとされている。平民出のロウはもちろん、男爵家出身のリリィも実家の両親より偉くなってしまっているのだ。


「仲間に身分の差などない」

「ふふ、そうでしたわね。それが冒険者という生き方。でも、親友の動向は気になりますでしょう? リリィったらまたロウ様に守ってもらえたって嬉しそうに話していたんですのよ。ねえ、ロウ様。例の話、詳しくお聞かせ頂けませんこと?」

「例の……あの追放の話か?」

「すいません、ロウさん。ちょっと近況報告したら興味を引いてしまったらしくて……」

「正直、話したくない……あまり、いい思い出ではないのだ」

 まさか馬鹿正直に「『もう遅い』を見るためにあなたの親友を利用した上、失敗したんです」なんて言えるはずのないロウは、言葉を濁した。


「ロウさん、流石にそれは……」

「よいのです、リリィ。しかしロウ様、これだけ約束してくださいまし」

 ソフィアは、ロウを睨みつけるように見据えると続けた。


「これからもリリィのことを守ってくださると」

「言われるまでもない。仲間は守る……もう俺は間違えない」

「……ロウさん」

 切なげに胸を抑えるリリィを見て、ソフィアは小さく微笑むと「今はそれで結構ですわ」と言った。


 ちょうどその時、


「ソフィア・ファーシル!! 貴様との婚約を破棄する!!」

 壇上にいる美少年が声を荒げた。



 パーティー参加者の視線が壇上に集まった。そこにはひと際、豪奢な衣服に身を包んだ美少年と、取り巻きの青年たちが数名、そしてピンク色のドレス姿を着た女の子が立っていた。


(誰だ、アレ)

(王太子のエドモンド様ですよ。ソフィア様の婚約者)


「皆の者、聞け! ここに居るソフィアは、身分差を笠に着て男爵令嬢マリアに悪質な苛めを行っていた。そんな女が国母たるに相応しいだろうか! そんなはずがない!」

 王太子エドモンドは、ピンクドレスの少女マリアを侍らせながらソフィアの悪行を語る。曰く、学園で衆人環視の中で罵られた、女子たちに無視するように命令した、パーティーで転ばされた、ワインをかけられたと内容は若干幼稚だった。


「ソフィア様、わたし、謝ってもらえたら、それで……」

「おお、なんと慈悲深い。彼女こそ、私の伴侶に相応しい」

 マリアが涙ながらに言えば、エドモンドが絶賛し、取り巻きの男たちが頷いた。


「ここにソフィアとの婚約を破棄し、マリアとの婚約を宣言する!」

「そ、そんな……」

 ソフィアが金髪縦ロールを揺らしながら壇上を見上げる。


(まさか、こんなところで……)

 突然の事態に、断罪されている本人はおろか、パーティーに参加する誰もが動揺していた。


 もちろん、ロウも動揺する者の一人であった。


(こんなところで『婚約破棄』に遭遇できるとはっ!!)


 もっとも、余所とはちょっと趣は異なっていたが。


(……まさか、本当に生で見られるのか? あの『婚約破棄』が……)


 『婚約破棄』。それは旧時代の遺跡などで発掘される書物のストーリ形態のひとつだ。


 大抵は、王族やそれに準ずる高位貴族の後継者と婚約していた主人公が、浮気していた婚約者や浮気相手の令嬢に冤罪をかけられた上、衆人環視の元で婚約破棄されてしまうところから始まる。


 この時、主人公の行動は二つに分かれる。


 まず徹底的に反抗し、冤罪の証拠を提出するパターンだ。この場合、見かねた国王がやってきて、婚約者を廃嫡した上、元婚約者と同等かそれ以上のパートナーが宛がわれるというスピード解決が行われることが多い。


 他にも大人しく婚約破棄を受入れ、王都を脱出するパターンもある。平民となり貴族令嬢という身分故に叶えられなかった夢を叶える流れもあれば、追放先で他国の王族に見初められて嫁ぎ、夫の力で祖国に復讐を果たす流れもあった。


 いずれにせよ、悪役にされた令嬢は『婚約破棄』を機にサクセスストーリーを歩み、考えなしの行動を行った元婚約者とその浮気相手は評判を落とし、追い詰められていくことに変わりはない。


 こうして元婚約者は両親による説教、浮気相手の本性が露呈する、あるいは祖国が追い詰められる、といった様々な不幸なトラブルを経て自らの過ちに気付くのだ。


 そして最後の望みをかけ、主人公に『婚約者に戻ってください』と謝りに来る。しかし、その時、既に主人公は素敵な婚約者を得ているか、かねてからの夢を叶えている。当然、さっくり拒絶され、元婚約者と浮気相手の破滅が決定する。


 こうして物語冒頭で溜まりに溜まった読者のヘイトはこの瞬間に浄化される。


 つまり『婚約破棄』とは、読み手を確実にスッキリ爽快な気分にさせてくれるこの素敵演出を讃えた言葉なのである。


 そして過去のトラウマから『もう遅い』と距離を置いていたロウの寂しい心を慰めてくれたのが、この『婚約破棄』シリーズだった。ダンジョンの収集品の書物に女向けのものもあったな、と試しに手に取ってみた翌朝には、ロウはこのシリーズの虜になっている。


 だから、ロウは自然と喉を鳴らしていた。


(こ、これは最後まで見守らねばなるまい……)


 手にしていた骨付き肉を頬張りながら様子を窺う彼は非常に性質の悪い野次馬であった。


「——という訳だ。ソフィア・ファーシル。何か申し開きはあるか?」


(ふむ、真面目でしっかり者のソフィアのことだ。嫌がらせは当然、冤罪。これは徹底的に反抗するパターンかな……)


 しかし、ここで予想外の事態が起きる。


「……申し訳、ありませんでした……」

 ソフィアがその場に崩れ落ちたのだ。


 ロウは口をポカンと開けたまま、機能停止する。


「でも、わたくし、許せなくて……こんなにも努力しているのに、殿下の寵愛をかすめ取る……マリアさんが……だから――」

 そのまま顔を覆った悪役令嬢は、訥々と自白を始めてしまう。


(おいいぃぃいぃぃぃぃ! ちょ、おまっ! 何、勝手に冤罪、認めてんだよおおぉぉぉ!!)

 ソフィアの罪は別に冤罪でもなんでもないのだが、ロウの中では冤罪で決まっていた。この手の物語に耽溺し過ぎたせいで、現実との境目があいまいになっているのだ。


「ふん、ようやく認めたか……父上、この婚約破棄、承諾してくださいますね」

「仕方あるまい」

 王太子が言うと、王冠を被った中年親父が舞台袖からのっそりと姿を現す。


(くそ、見たかったのに……今度こそ生で……)

 ここでロウの悪い癖が出る。目前に迫る『婚約破棄』のせいで、己の欲望を我慢できなくなってきたのである。


(……いけるか? でも、ダメだ……もう、止めたんだ……)

 婚約破棄が見たい。澱のように積もった欲望がまとめて洗い流されるような美しい婚約破棄がいい。


 なにせ前回、消化不良のまま放置された『もう遅い』まで残っているのだ。胸の中で燻ぶり続けていたカタルシスへのあくなき欲求が千載一遇の機会を前にメラメラと燃え始めていた。


「ソフィアには修道院で罪を償ってもらいましょう」

「ふむ、それが妥当か」

 このままいけばバッドエンドは確定だ。ソフィアは婚約を破棄され、辺境の厳格な修道院に放り込まれることになる。


(スローライフ系か? それとも他国の王族に見初められる……? いや、待て……その可能性は相当、低いぞ?)

 一途に王太子を愛していたソフィアが平民になった時の夢なんて持っているはずもないし、王国は周辺でも最も繁栄している強国だ。他国の王族は軒並み格下だから逆襲は出来ない。


(もう、ダメだ。我慢できん!)


「ロウさん、ダメです、今は――」

 リリィの制止を振り切り、ロウは一歩前に出た。


(見てやるぞ、俺は! 絶対に、生『婚約破棄』を見るんだっ!!)

 一度、動き出したら止まらない。重戦士とはそういう存在だ。例えオーガの群れが立ちはだかろうと、単純な力によって弾き返す、そんな高位重戦士の突撃を小柄なリリィが止められるはずもなかった。


「……ロウ、様……?」

「後は、任せろ」

 ロウは自然とソフィアを隠すようなポジショニングを取っていた。壁戦士の本領発揮である。これで壇上からはソフィアの様子が分からない。


「まさか、こんなわたくしを……守って……」

 ソフィアが早速、勘違いをする。ロウのそれは、悪役令嬢という役割を放棄してただの役立たずと化したお邪魔虫を物語から排除するための行動でしかなかったが、傍目からは断罪されかけている哀れな姫君を庇う気高い騎士的な行動にしか見えなかった。


「なんだ、貴様は――くっ!?」

 王太子エドモンドを誰何し、同時に苦しそうに顔を歪めた。


「……Sランク冒険者『鋼の絆』ロウ」

 どうしようもない強い感情が巨体から溢れ出ていた。それが猛烈な武威となり、段取りを無視して話を進めようとする国王親子へと向けられたのだ。


「き、きさま――」

「黙れ、お前に用はない」

 ロウの武威は、王国が誇る精鋭たる近衛兵たちですら一睨みで地面に縫い付けてしまう。


「ふん、冒険者風情が何のようだ?」

 しかし、国家元首ともなれば格が違うらしい。不快そうにしながらも怯えた様子も見せずに尋ねてくる。


「……まさか、分からないのか?」

「分からないか……だと?」

 しかし、ロウがあまりにも堂々と言い放ったせいで、賢明で知られる国王陛下も困惑してしまう。


 もちろん、欲望の赴くまま動き出したロウに妙案などない。しかし、あまり心配はしていなかった。何故なら、彼には前回の経験があったからだ。


 つまり、


(カモン、オーディエンスッ!!)


 まさかの他力本願であった。


「……国王ならびに王太子よ。まずは、自分の胸に手を当てて考えてみたらどうだ?」

 そうやって相手に考えさせるだけ考えさせて、ロウは何も考えない。


 ただただ、周囲のひそひそ話に耳を澄ますだけである。


(やばいぞ、またロウがキレやがった)

(……まさか、王族にまで噛みつくとはのう)

(でも、あの子、知り合いで、しかもリリィちゃんの親友なんだろ?)

(じゃあしゃーねえか?)

(あいつの仲間想いだからなぁ……)


(クソの役にも立たんな……次!)


(冒険者が出張って……)

(……これだから平民は)


(余計なお世話だ! 次!)


(ソフィア様も可哀そうに)

(ええ、十年も婚約者を務めてらしたのに)

(ぽっと出の女にかすめ取られたんですものね)

(その上、衆人環視の元で辱められて)


(そうだ、その調子だ、もっと言ってくれ!!)

 壁際で花になっている卒業生らしき令嬢たちの会話がいい感じだった。


(そうよね。婚約者に粉をかける女を排除するなんて当然じゃない)

(いじめと言っても、マリアさんが嫌われてただけよね)

(まあ、他人の男取るような女と同類には見られたくないわよ)

(((ねー)))


「知らん! この悪女が悪いのだ!」

「……そ、そんなことはないぞ? もうちょっと、考えてみたらどうだ?」

 逆切れする王太子エドモンドを宥めつつ、オーディエンスの発言を促す。


(でも、ソフィア様もちょっと軽率よね)

(殿下はいい意味でも悪い意味でも真っ直ぐですから)

(あんなの完全に逆効果よ)

(木端貴族の令嬢なんてさっさと暗殺すればよかっただけですのに)

(((ねー)))


 その後も、全体的にはソフィアに同情的なのだが、事態をひっくり返すには至らない発言が続いた。むしろ、可憐な美少女たちの口から血なまぐさい発言が次々と吐き出されるのでロウはちょっと引いてしまった。


「王太子たる俺に落ち度などない!!」

 もはや時間稼ぎも限界だった。

 色々な意味で追い詰められていくロウ。ここに来て説得を他人任せにし、何も考えなかったのが仇になった。


「ソフィア様、あんな王子でも、まだ好きなんですか」

「ええ、いつか……昔みたいに、優しい殿下に戻ってくれるかもって……」

 そんな会話が真後ろから声が聞こえた。崩れ落ちたソフィアを、リリィが助け起こしていた。


(これだ!)


「そもそも、浮気をしたのは王太子だろう。なぜ、ソフィアだけが責められる」

「し、しかし、それはソフィアが……」

「まだ分からないのか……彼女がその気になれば木端貴族の娘など簡単に始末できた。それをしなかったのは王太子、貴様を愛していたからだ!」

「ぐっ」


(はい、論破ああぁぁぁっ!)

 ロウは内心で快哉を上げた。このままいけば王太子は廃嫡、第二王子あたりが次の婚約者に宛がわれるスピード解決編が見られるかもしれない。


 ロウが期待に胸を高鳴らせていると、口ごもる王太子に代わって国王が発言をする。


「……冒険者ロウ。そなたの言う通り、確かに我が息子にも落ち度はあっただろう。しかし、ソフィアが安易ないじめに走った事実は変わりないのだ。そんな軽挙な女を未来の王妃にはできぬ」


「その道理に従うのであれば、約束事ひとつまともに守れぬ男も王には据えられんだろう」

「それを決めるのは誰だ?」

「少なくとも俺は認めん」

 必死に廃嫡の方向に話を進めていくが、それが国王の逆鱗に触れる。


「――それは冒険者ギルドの総意か?」

 冒険者ギルドには数千からなる冒険者が所属している。彼らにそっぽを向かれるのは王国としても憂うべき事態だった。


「それは……」

「答えよ、冒険者ロウ! 貴様は何をもって我が国の王太子の資質を問うているのだ!!」

 ロウは言葉に詰まらせた。流石に数千人分の意見だなんて軽々しくは言えない。というより、冷静になって考えてみたら『婚約破棄』を見るためだけに国家元首へ喧嘩を売ろうだなんて正気の沙汰じゃなかった。


 窮地に立たされるロウ。全身から噴き出す汗が彼の焦りを表していた。


「国王陛下、恐れながら発言させて頂きます」

 そんなロウを救ったのは、彼の大切な仲間だった。


「……リリィ」

 リリィは一歩前に出て、ロウに並び立った。


(やっと、この人の役に立てる……)

 リリィは頷くと、どこか誇らしげな笑みを浮かべた。


「アルバート男爵が娘、リリィが進言致します。この者は『鋼の絆』の中軸にして『信頼の背中』と呼ばれる、冒険者の中の冒険者であります。この男が認めなければ他の冒険者もまた認めないでしょう。ロウは冒険者の心の代弁者なのです」

「真か? アルバートの娘よ」

「ああ、それは俺たちが保証するぜ」

 続いて聖騎士レオンがロウに並んだ。国を代表するSランク冒険者パーティーのリーダーの発言は重い。


「太陽神教会も冒険者ギルドに続きましょうかね」

「魔術師協会もその方向で行こうかの?」

「盗賊ギルドには俺から話を付けとくぜ」

 続いて司教デビットが、大魔法使いドーランが、斥候ダリルがロウに並ぶ。


 Sランク冒険者パーティー『鋼の絆』の名は伊達じゃない。二十年に渡って第一線で活躍し続けてきた彼らは各々の業界において重鎮として扱われている。ロウが先ほど役立たずの烙印を押した彼らこそ、この場における最強のカードだったのである。


 そんな切り札を動かしたのが、他ならぬロウなのだ。


 友人が窮地に陥っている。ただそれだけで彼は動いた。道理が通らずとも、何の見返りがなくとも、王族に、この国において最も高貴な人物にさえ噛みついてみせた。


 その胆力たるや尋常なものではない。


 これで奮い立たないはずがないじゃないか。

 これで心が震えないようなら冒険者などやめた方がいい。


 ロウは正に勇者であった。

 その背中に五人の強者たちが従い、守り、支え始めた。


 それは全て、悲しみにくれる一人の少女を救わんがために。


「……ソフィアよ、善き友を持ったな」

 英雄譚に綴られる一頁のような光景に、国王は眩しそうに目を細めた。


「……はい、陛下」

「ソフィアよ、今も、そしてこれからも我が息子を愛してくれるだろうか?」

「はい、この心は既に殿下に捧げておりますれば」


「……あい、分かった。此度の婚約破棄はなかったものとする。エドモンド、このような一途な親愛を向けられることは二度とないだろう。今一度、よく話し合うのだ」

(おい、待て、待て待て待て! 何を勝手に話をまとめてんだ!)


「待て、陛下ジジイ!」

「大丈夫だ、冒険者ロウ。皆まで言わずとも分かっておる」

 国王が深々と頷く。


(お前のそれ、多分、分かってねえからあぁぁあぁぁぁっ!!)


「しかし、父上……」

 ここはもう、男爵令嬢に骨抜きにされた浮気男に頑張ってもらうしかない。


「いいか? 優れた仲間、信頼できる味方が居るというのも未来の王妃の重要な資質である。分かるか? 彼女のことを、これほどの男が信じたのだ。そのことを踏まえ、もう一度、考えるのだ」

 国王が言っている間、ロウは『早く婚約破棄しろ、真実の愛を貫け』という念を王太子に送り続けた。


「みなが信じたソフィアを信じろ、この真実の愛を貫け、か……冒険者ロウ、貴殿の誠意、しかと伝わったぞ!」

 王太子が爽やかに応じる。


(全然、伝わらなかったあぁぁあぁぁぁっ!!!)


「……ソフィア、すまなかった」

「……殿下、よいのです、わたくしは……」

 王太子が頭を下げれば、ソフィアは碧眼に涙を浮かべて何度も頷いた。


 王太子が優しく微笑み、ソフィアの手を握った。


 瞬間、パーティー会場が万雷の拍手で包まれる。

 まさに大団円といった雰囲気であった。


(え、ほんと……これで終わり? まさかの、元鞘……?)

 納得していないのは、ロウ一人だけである。


「これにて卒業パーティーは閉幕とする」

 激怒するロウを置いてけぼりに、国王は朗々たる声で告げると、踵を返した。


「冒険者ロウ……貴殿の気高さと優しさ、見事であった」

 国王は振り返りざま、誇らしげにそう言って、舞台袖へと消えていった。


 次に、王太子とソフィアがロウに会釈をしてから退場した。


 浮気相手の男爵令嬢やその取り巻き、観客たちと徐々に人がはけていく。去り際、ロウの勇敢さを褒め称えながら会場を後にしていった。


(なんだ、これ、誰得だよ……)

 もちろん、ロウは聞いちゃいない。


 目の前で起こった悲劇に呆然とするだけだ。


(これじゃあ……ただの、)

 こうしてだだっ広い会場に一人、灰のようになった大男が残される。





(ただの、ただ働きじゃねえかああぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!!)

 ロウは手に持っていた骨付き肉を地面へと叩きつけるのだった。





次回予告

またしても『婚約破棄』を見るチャンスを不意にした寡黙な戦士ロウ。

気落ちしつつも、リリィたちと平和に過ごしていた。


しかし、間違って自分の手で『もう遅い』しちゃった元仲間アランが王都に来ていることを知る。


「間違いない。これは『覚醒チート』による復讐劇だ!」

そう確信したロウは、アランが出場する武道大会が終わるまで行方をくらますことにする。


果たしてロウはシナリオの強制力から逃げ切ることが出来るのか!?


次回

寡黙な戦士、かつての仲間が帰ってくる〜これ、逆ざまぁされる奴〜

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あなたはきっと伝説の目撃者になる

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロウは馬鹿野郎だwwwww でも頑張ってほしいですね。
[一言] 1人でざまぁしてざまぁされて、、、何てエコなのw
[一言] 続き出てるやんけ。(大喜び)
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