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お城

作者: 安岡 憙弘


 お城

                              安岡 憙弘よしひろ


2人の兵隊登場 城の上

高木「さむいなーおい、なにかあったかいものでも食べようじゃないか」

土山「そうさ、俺たちをこんなハムレットみたいないやな所で見はり番をさせるなんて、いやなことだよ。」


N あったかいラーメンをもって登場


 「さあみなさーん、ラーメンですよ。

 「とーってもおいしいですよ。」


高/土「やったー、ありがとう。これで交代までなんとかしのげるな。ほんとにありがとう。

                      兵隊敬礼をする


長 笑いながら帰っていく


土「うまいもんをくったぜ。おや、あれはなんだ!? へんなものが空から降ってくるぜ。これは緊急事態かもしれん。王様に知らせねば。」


ブーン・・・ドーン!!


UFO着陸


王(以下G)「これはいかん。全員戦闘隊形せんとうたいけいを整えよ、攻撃に備えよ。」



        UFOからなにかでてくる

        一同ぼうぜんとして見守る

ナレーター

なんと出てきたのは絶世ぜっせいの美女ではありませんか。


王「あれはなんだ。なぜ人がのっておる。宇宙人ではないのか。」

N 走り出てくる

N「わたくしこれからあの物体に近づいてみます。兵隊さん、援護してください。では行きます。

   N物体と2mほどのキョリ


N「あなたは何なのです。ここは神聖なる王の国土です。不法侵入は処罰されねばなりません。」

 兵隊二人近寄る

高「ご婦人。あの物体を弓でてしまいましょうか。」

N「いいえ、お待ちください。」

  物体突然ハナス

 「ワレワレハ友好のために来タノデス」

 「ワタクシは金星カラ来ました」

 「ワタクシはアナタト友達二ナリタイ」

N おどろいて

 「なんですって? 宇宙人がわれわれと友好を?」

王「射殺いころせ!!射殺せ!!」

 「これが我が国のルールだ!! 射殺せ!! 」

N「王様、どうかお待ちくださいませ。この者は悪いものではないかもしれません。様子をみてみましょう。美女とつぜん苦しみだす

N「どうしたのです?兵隊さん、すぐに担架たんかを! 」


2幕

城中のベッド

 美女眠っている

N「それにしても美しいわね。なんかねたみがわいてくるわ。」


 やく師やってくる

「さあ、これをお飲みになれば一命いちめいはとりとめましょうぞ。」

ガラッと戸があいて

王「毒をのませよ!! 毒をのませよ!! 」

N「今この者は苦しんでおられるのです。その上毒をのませるとはいくら王のご命令でもそれはあんまりです。」

 一同しばらく沈黙する


 美女突然目を開く


みんなびっくりして見つめる


N[お気付きになられましたか?なぜ急に気をお失いになられたのです? 」

美「コノ国ノ空気ハキタナイ。ワタシ、息デキマセン。」

薬師薬をのます。

「ワシは絶対みとめん。、お前ら、あとで処分するからそのように覚悟かくごしておけ。」

  

王 バタンと戸をしめて去る

N「大丈夫です見知らぬお方、わたくしが王妃様におたのみしてみましょう。」

美「ナゼアナタヤサシクシテクレル?」

N「それが正しいと想ったからです。」

 「では」


三幕

N王妃

   N 王妃おうひのもとへ行く

N「王妃さま、あの者は友好を結びにきたのです。殺したりなどしては戦争になりかねませんん。」


王妃 しばし考えこしばし考えこむ

 「ではこうしましょう。あなたが死ぬか、あの者が死ぬか、二つに一つです。それならなんとか王を説得してみせましょう。あなたにそこまでの覚悟がおありですか? 」

N「・・・・・」

王妃「決められぬでしょう。そうに決まっています。だれでもそうです。見ず知らずの何者かもまだはっきりせぬもののために命をつなど。 」


四幕     背景廊下

N 長い廊下を歩いている

「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だわ。」

王 やってくる

「王妃からきいたぞ。その条件なら国法にもかなうであろう。よく考えることだな。」

王 歩き去る・・・

兵隊二人やってくる

土「お嬢さん、身内や仲間でもないもののいために命を捨てるなんてバカなことはおよしなさい。」命は大切にしなければなりませんよ。」

高「そうですよ。ではお大事に。あっそれから先程のラーメンはおいしかったですよ。では・・・」

 しばしとき流れる

ミュージック グレン・グールド「インベンション」


ナレーター「時がやってきました。公開処刑の日です。」

       N 体育すわり 

N「美しい青空ね」 

 「わたしにはやっぱり決められない。命をくらべるなんて。

 「こわくてしょうがない。」

  長 泣き出す

 トントン

土「お時間です。では王の前にお立ち下さい。


五幕

王「さあ、どうするかね。生きたくば生きよ。死にたくば死ね。それでよい。」

美女あるいてきて長澤のよこに

        並びたつ

王「何か言うことがあるか、金星から来たものよ。」

美「ハイ、コノハナシハアマリヒドスギマス。シヌノナラ王サマアナタガ死んでミテ下サイ。」

長「何を言うの?そんなことぜったい口にしちゃいけない。」

周りのもの

「無礼者!!ころせ!!」

美つづけて

「アナタシネナイノニナゼ人コロス?ワタクシノクニデハダレモコロサナイ」

長「王様、分かりました。私が死ぬことにいたしましょう。やはりこの方は心のとても美しい方、見殺しにはできません。」

王「よいのだな。」

長「ハイ!! 」


スズメがチュンチョンないています

こんなうららかなはれた日に人が死ぬとはおかしなことです

N「王様、私お城のお堀にとびこみんます。それでよろしいですか? 」

王「うむ」


川のふちに立つ


王「待て」

 「もうよい。双方ともいきててよろしい。金星人、すぐこの地を去れ。


    二人抱き合う


王「川の流れがきこえるか。サラサラしておる。こんなときに死刑など場違いにもはなはだしい。どうせ2人ともやがては死ぬのだ。二人には悟らせてもらったわ。」

王妃「あなた、みなおしたわ。」

ナレーター

 「お城のおほりを何かが流れていきます。いったいなんでしょうか。」

草の葉でつくったお舟です。草の葉でダレカがつくったお舟がサラサラと流れてゆきます・・・

美「アレ、金星ニモアリマス。」

N「キレイさなら負けないわよ。」


               終

 

               

              

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