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新しい友達とツンデレ新入生

「ーーと言うことで今日はここまでです。明日から授業が始まりますので、教科書忘れないように持ってきてくださいね。ではさようなら。」


俺達新入生は入学式を終え、それぞれのクラスに行き自己紹介をしてそのまま下校ということになった。


「結局今日1日主人公っぽいこと起きなかったな.....。まあ初日だしこんなもんなんかな?明日からは女の子から寄ってくるよな!!!」


「えっと...。さっきから独り言多いけど大丈夫か?」


「え!?ああ!大丈夫だ!」


おいおい、声にでてたのかよ。恥ずかしすぎるだろ俺。内容までは伝わってないよな?


「そうか、ならいいか!俺の名前は佐藤竜一。前の席だからこれからよろしくな!」


前の席?女の子に夢中で全然見てなかったわ。まあでも話しかけてくれたのは嬉しいな。


「ああ、よろしく。俺は松葉菊一だから好きに呼んでくれていいよ。」


「じゃあ松葉で!よろしくな!松葉!」


「佐藤もよろしくな。」


おお?なんか友達出来たぞ?案外なんとかなるもんだな。男だけど。


「ところでよ、松葉。こんな話知ってるか?」


なになに?この入りからするとこの学校の都市伝説かなんかか?


「な、なんだ?」


そう聞き返すと佐藤は待ってましたと言わんばかりに目を輝かしてこう答えた。


「じつはな、この学校には3大美少女と言われるものが居てだな.......。」


3大美女!!!待ってました!!!

やっとラノベっぽい感じになってきたな.......。この何時からするとクールな先輩女子と、ツンデレの幼馴染枠と不思議系の可愛い女子ってとこかな?


「1人は全国模試上位常連のクールでお淑やかな完璧生徒会長!」


いいねいいね。そういうのだよ。冴え○○だと詩○先輩枠ね!


「1人はスポーツ万能!中学時代は色んなスポーツで名前を残したツントゲ新入生!実はこのクラスにいるぞ?」


お!入学早々学校の3枚看板とはやるな.......。

ん?てか入学する前から決まってるのおかしくね?

しかも同じクラスってことは...。

俺は少し嫌な気がして、偶然一緒のクラスになった今朝ぶつかった女を見てみた。


「1人は何を考えているか分からないがその愛らしい見た目に見たものは必ず抱きしめたくなる不思議っ子ちゃん!どうだ?素晴らしいだろ?早く俺もこんな美少女に会いたいな...ってなんでお前泣いてんの!???」


危ない危ない。やっと訪れたお約束展開に早くも涙してしまった。これではただの気持ち悪い男子高校生じゃないか。


「いや、目にゴミが入っただけだ。でもお前も良くそんな情報知ってんな?どこから手に入れたんだ?」


「ふっふっふっ。それは企業秘密という物だよ。ん?あれ?さっき話したツントゲ新入生こっち来てない?」


佐藤はそう言うとこちらの机に向かってくる女の子を指さした。てかおいおい。やっぱりあれがツンデレ新入生かよ。俺はその顔に見覚えがあるのだが。


「あんた。私のキーホルダー探しなさい。」


ツントゲ新入生様は俺の机にドンッと両手で叩き強めな口調でそう言った。


「え?いや、なんで?」


「今朝あんたとぶつかった時に無くしたの!だから一緒に探すのよ!」


は?こいつ何言ってんの?自分からぶつかっといてよくそんなことが言えたもんだ。しかも上から目線だし。男持ちの相手に用はないっての。


「いやあれはお前が自分からぶつかってきただろ。1人で探せよ。」


そう言うと目の前のツンデレは怒りを顕にし声をさらに大きくした。


「はぁぁぁ?あんたが急に止まるから行けないんでしょ?しかもお前って何よ、私は朝霧露草っていう名前があるの!」


ピキっと俺の堪忍袋の緒が切れた気がした。


「お前良くもそんなことが言えたな!加害者が被害者みたいな面すんじゃねぇ!なら俺にもあんたじゃなくて、松葉菊一って名前がありますけど!男持ちには興味ねぇわ!」


「ちょっとちょっと2人とも落ち着いて.......。」


教室で盛大に繰り広げる口喧嘩に佐藤が間に入ってなだめる。

しばらくの沈黙があり、朝霧が口を開いた。


「そ...。」


「「 そ? 」」


俺と佐藤は口を合わせて言った。


「そんなに怒らなくてもいいじゃない...。ぐすっ。」


え?泣いた?マジ泣き?これ傍から見たら俺が悪いやつだよな?この状況ってもしかしてやばいやつ?

ほら!佐藤もきょとんとしてんじゃん!


「いや、その...。俺が悪かったから!一緒にキーホルダー探すから!」


「ぐすっ、ホント?」


泣きながら上目遣いで言ってきやがった。クソっ、悔しいけどめっちゃ可愛い。ツントゲ要素なくなったらくっそ可愛いじゃねぇかこいつ。


「ほ、ほんとだから。探してやるから、もう泣くな。な?」


そう言いながら制服のポケットに入っていたハンカチを朝霧に渡した。


「そ、そう。やっと分かったわね!じゃあ早く一緒に探しなさい!」


そう言うと俺の腕を掴んで無理やり連れていこうとした。


「じゃ、じゃあ松葉頑張ってな!また明日な!」


え?え?佐藤?お前も一緒に来てくれるよな?違うの?友達置いて帰らないでくれよぉぉぉぉ。


「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」


俺の声が教室中に響きわたる。








俺のお約束はどこに消えたの?

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