第一話 始まり ~レイデンティア~
~第一章 リノ ~
システム起動。
起動率…2%…27%…50%…78%…99%…100%。
エラーが1件発生…修正完了。
システムコード名"リノ" 起動完了。
気が付くと、目の前には一人の男性が立っていました。その人は、私に向かって話しかけています。
「リノ。僕の事が分かるかい?」
その人に向かって、私は用意されていた答えを返します。
「はい。菅野透様」
私の制作者である菅野透様は、うなずいています。
私に与えられた名前は"リノ"。私が私について分かるのは、これだけです。
「じゃあリノ。僕に何か質問してみてくれ」
菅野透様は、そうおっしゃいました。何か質問をと言われても、私は訊きたいことなどありません。なので、
「訊きたいことはありません」
と答えました。
すると、菅野透様は
「それはダメだ。何か質問しなさい」
と返されました。
ですが、私に訊きたいことは…。いえ、考えてみれば、私が知っているのは言葉と私と菅野透様の名前、そして考える事だけです。
「菅野透様のことを教えて下さい」
私がそう尋ねると、菅野透様は「透さんでいい」とおっしゃったので、これからは透さんと呼ぶことにします。
透さんは、前世は地球の日本というところで科学者をしていたそうで、業界ではそこそこに有名だったそうです。専門はAI工学というもので、私を作るのが目標だったそうです。
ですが、透さんは37歳にして、交通事故で亡くなってくなってしまいます。
そして、前世の記憶が残った状態で転生した透さんは、魔法使いの方と一緒に科学と魔法でAIを作る試みをし、私が出来上がったそうです。
「ほかに聞きたい事は無いかい?」
透さんにそう尋ねられたので、私は「ありません」と答えました。
しばらくたって、透さんが「今日は終わりにしよう」と言いました。
すると突然、私の意識が遠ざかるのを感じました。
透さんの「おやすみなさい」という声が聞こえてきましたが、返事をすることは叶いませんでした。
どうも初めまして。四季冬潤とかいう物です。
初の投稿作品です。完全な趣味です。
とある高校での部活誌でも使用したペンネームですので、見たことがある人も居るかもしれません。
基本は月5回以上の投稿を目指します。
もう一つ、『化け物勇者の少女』という異世界&SF小説も投稿しました。是非読んでみてくださいね。
どうぞこれから、よろしくお願いします。