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狂った紫陽花の手記  作者: 青空
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涙の桜並木


新入生歓迎会には、たくさんのボランティアが参加してくれた。どうやら同じ自治会の子が集めてくれたらしい。本当に助かる。

そして新入生歓迎会当日。

水仙が桜祭りに遊びに出かけて、歓迎会をサボった。たぶん椿とずっと一緒にいる私に嫌気がさしたんだろう。ごめん。

私は自治会長としてあちこちに走り回って、余裕なんてなくて。だからボランティアの人を怒らせてしまった。

せっかく手伝ってくれたのに、主軸にならなきゃいけないはずの自治会の子たちがさぼってて、手伝ってくれていた人たちの間でも一悶着あったらしい。

さぼってた子たちを連れてこられなかったのは私の責任だ。それは素直に反省してるし謝った。

けど、早く連れてこいというのは無茶な話だった。だって言い訳だけど呼んでも来ないし、探し出して連れてくるなんてもっと無茶だ。

呼んでみると答えるしかなかった。目頭が熱かった。

泣くのは卑怯だし、みっともない。片付けを理由にしてひとりでこっそり泣いた。

まあ、手伝ってくれてた花水木にばれて、話し合えとボランティアの人とふたりきりにされたんだけどね。

女が泣いたら卑怯だし、あちらが悪いみたいじゃん。見逃して欲しかったなぁ…。

そんな新入生歓迎会は成功とも失敗とも言えない感じで終わった。ちなみにバンドの演奏はグダグダで、反省会をすることになった。

これも音楽してたのに、練習を促さなかった私の責任だな。ダメダメだな、私。

…っと、これは今は関係ないね。

花水木たちの話に戻そう。

花水木と竜胆先輩は本格的に付き合うことにしたらしい。婚約者はどうするのか、という質問に、

『婚約者さんには悪いと思ってる。けど、取られるような隙を見せた婚約者さんも悪い』

と花水木が話していたことが印象的だった。

一方、椿は鬼灯との交際を続けていた。周りには内緒にしてほしいと言われてたから、誰にも話すつもりはなかった。

そして水仙。新入生歓迎会をさぼった彼女は、同じ実行委員の女の子や椿から糾弾された。

水仙は気に入らなさそうで、ふてくされてて。言ってもきっとわかってもらえないから、もう糾弾はやめてほしいと頼んだ。

花水木にも止めてほしいとお願いした。

でも糾弾していたのは私と水仙の今後を考えてのことだと言われてしまって、やっぱり何も言えなくなった。

水仙からの椿への悪意は止まらない。その言葉に毒が混じるようになった。

椿の水仙への嫌悪感も止まらない。溝が深まっていく。

竜胆先輩が花水木と別れると言い出した。花水木はまた情緒不安定だ。

私はどうすればいい?正解なんてわからない。

わからなくて、何もできないまま全てを受け止めた。肯定した。

もはや自分が何をしたいのかもわからなかった。






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