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狂った紫陽花の手記  作者: 青空
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後悔の春一番


椿は一途だった。

鬼灯とやり直すと決めてから、花水木からの告白は全て断っていた。

花水木の精神状態は最高潮に不安定だった。

そんな時花水木の側に寄り添ってたのが竜胆先輩だ。

竜胆先輩は死にたいと繰り返す花水木に、

『じゃあ一緒に死のう』

と誘いをかけたらしい。

花水木は了承して、お互いの首を締めたのだと。それで自分は大丈夫だったのに、竜胆先輩は意識を失ってしまったのだと。

自宅で曲を練習してた私に連絡してきた時には肝が冷えた。

幸い事なきを得たけれど、それから何度か同じことをくり返すふたりを止めることが仕事に加わった。

思えばもっと花水木のココロを理解できるよう努力するべきだったと思う。そうしたらもっと優しい方法で戻ってこれたかもしれないのに。

ごめんね、花水木。

花水木がいないところで、竜胆先輩からも話を聞いたことがある。

竜胆先輩は当時婚約している人がいたらしい。けれど花水木に惹かれて辛かったのだと。

花水木は昔の自分に似ていて放って置けないのだと言っていた。

同時期に花水木を学校祭の実行委員長に誘っていた私に、

『きっと花水木は重責に耐えられないだろうから、誘わないでほしい』

と言われていた。

『やるなら紫陽花がやればいい』

とも。花水木のことをこんなに考えてくれる人がいることに安堵した。

信頼も嬉しかった。

友人の安寧を守って、先輩の信頼に応えられるなら、もう少しくらい無理してもいいかもしれない。

そう思ってたけど、予想に反して花水木は実行委員長に名乗りを挙げた。椿に強く推されたらしいのだ。

結局敵わないなぁ。私は苦笑した。

それと、学祭実行委員には水仙も入ってくれた。なかなかメンバーが集まってくれなくて困っていた私を見かねてのことらしい。

ありがたいことである。

それから4月がやってきて、新入生が入学して。私にとっての山場が訪れようとしていた。





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