表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂った紫陽花の手記  作者: 青空
2/9

はじまりの夏

どうしてこうなったのか、なんてきっと誰にもわからない。けど、たぶんこれでよかったんだと思う。

なけなしの良心として、ここに恋に狂い咲いた花々の記憶を書き留めることとする。誰も読まないかもしれないけど、私の心のうちに留めておくことはできないから。


大学1年の夏。

はじまりは水仙の一言だった。

「合コンしよう!」

キラキラした笑顔だった。合コンには自慢の彼氏を呼ぶから、紹介したいと無邪気に話していたことを覚えている。

合コン。誰にも言ったことはないけど、大学に行ったらそう言った話もあるんだろうなと、ちょっと期待していた。

合コンなんて某クレヨンな名前が付いている5歳児の保育園の先生が毎回惨敗しているイベントだな、くらいの認識しかなかったけど。

国民的アニメの中の合コンはなんだかみんなで遊んで盛り上がろうぜ!みたいなノリで楽しそうだったから。

だから言ってしまったのだ。

「行きたい!」

と。

…うん、今でも後悔してるよ。

だってこれがなければこの後2年にもわたって修羅場に巻き込まれることなんてなかったしね。

だけどこの時はそんなことは知らなくて。

一緒に誘われた椿も渋々だけれど頷いていた。

合コン当日、知らない男の人が何人か来て、話して、あれ?なんか思ってたのと違うぞ?と首を傾げた。けれどボーリングしたり、カラオケしたり、遊んでいるうちにどうにでもよくなった。

そういえばボーリングでストライクを出した椿が満面の笑みで無邪気に飛び跳ねてたな。その時周りの空気がパッと華やいだような気がした。

それからカラオケに行って、たくさん歌って。集まったのは水仙の友だちだったからか、水仙が歌うと盛り上がった。椿は歌が上手いから、椿が歌うとみんな聞き入っていた。

私?聞かないでくれ、音痴なんだ。

夕方になって、楽しかったね、ありがとう、バイバイと別れて。

思ってたのとは違ったけど楽しかった!と満足して帰ったんだけれど。

この合コンこそが間違いの始まりだったんだよね。だってこの合コンがあったせいで、水仙の彼氏である鬼灯が椿に一目惚れしちゃったんだから。

それから水仙に誘われて合コンで集まった子たちのSNSのグループに入って。しばらくは平和に過ごしてたんだけれど、1、2週間で鬼灯のとある発言が目につくようになった。

それは、

『椿ちゃん、遊ぼう!』

『椿ちゃんは俺がもらう!』

『椿ちゃんは俺のもの!』

という、ともすれば水仙への裏切りとも取れる言葉たちだった。

それと同時に、椿個人に、

『好きになっちゃった』

『一目惚れした』

『付き合ってほしい』

といった文章が送られるようになった。

それが冗談だったとしても。嫌な予感が胸をよぎった。


さーて、次のページはー?

大変大変!鬼灯と椿が付き合い始めちゃって水仙が大激怒!コングがカァァアンッ!と響いて、椿と水仙の仁義なきバトルが始まっちゃった!

次回、不穏な秋空!よろしくね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ