両親の自殺
閑静な住宅外。その近くに大きな公園があった。公園に入り口で遊んでいる女の子がいた。公園の入り口にある噴水広場で女の子はしょんばり座っていた。
ベビーカーを引いた若夫婦が来てどうしたのって聞いた。ママがね。赤ちゃんを連れて帰って来ると言ってたんだけど赤ちゃんがいなくなったんだ。
男の子だから弟だったんだけどね、よそに行ったんだってと寂しそうに言った。若夫婦は流産したんだと感じた。
お嬢ちゃんのお家はどこ?そう聞かれた指を指した家は公園の前に建っていた豪邸だった。お嬢ちゃんに赤ちゃん好き。可愛がってくれるなら赤ちゃんをあげようかって聞いた。本当?って女の子は答えた。大事にしてねと言って若夫婦はベビーカーを置いて女の子から離れた。
その直ぐ後に公園の前の道路で交通事故があった。若夫婦の心中だ。事業に失敗をしたようで覚悟の自殺だった。
生まれたばかりの男の子を女の子に預けた後に自殺だった。女の子の名前は葵。葵の両親が警察に赤ちゃんを引き渡そうとした時、葵が「大事にするって約束したもん」そう言って赤ちゃんを離さなかったそうだ。両親も流産した後で何かの縁だということで赤ちゃんを養子に迎えた本当の子供として育てた。名前は友和。姉弟は仲良く育った。
それから十五年の月日が流れた。
~ 続く ~