軍事国家誕生への最初の第一歩 3
武装集団が去った後、俺はすぐにドイツ軍装備の歩兵60人を召喚して、集落の警備に当たらせることにした。そして、基地の設営後、暇を持て余していた工兵隊を集落に送り込み、集落全体に防壁を張り巡らせるよう命令した。
その後、アイリスと共に装甲偵察車に乗り込み基地に帰投した。アイリスは初めての車に終始興奮しっぱなしだった。
基地に帰還すると、アイリスは安心したのか疲れて眠ってしまったので基地の中にある仮眠室に寝かせておいた。
その後、新たに基地防衛用と武装集団の牽制もかねて日本軍の九六式十五糎榴弾砲を4門召喚、榴弾砲牽引用兼兵員輸送用にドイツ軍のクルップ・プロッツェを10両召喚した。そして、さらに追加で工兵を20名召喚して集落と基地の交通・通信網の整備を開始させた。
昼過ぎに麗華からの報告で榴弾砲2つが集落に到着したとの報告を受けた俺は、牽制もかねて5分間だけ実弾を使った砲撃訓練をさせることにした。
俺達はその日は別の方角を探索していた。しかし、拠点の方から爆発音がしたので大慌てで拠点に戻った。
「森木君この音って。」
宮橋委員長がおびえた様子で聞いてくる。
「とにかく、落ち着こう。爆発音が止むのを待とう。」
「そ・そうだよね。」
5分くらい経つと爆発音が止んだので危険を覚悟の上で周囲を探索すると、近くの森の一部にクレーターが出来上がっていた。
おそらく昨日の連中の仕業だろう。そう思いながらその場を去った。
アイリスが起きてからというものずっと俺のそばを離れようとしない。食事中も部下に命令をしている時でも、流石にトイレに行くときは麗華に全力で止めてもらった。
その後、食事をしながらアイリスの知っている事を聞くと、どうやらあの集落はブルゴート王国と言う王国に属している。そして、現在王国は2つに分裂しているらしい。
詳しくはアイリスもわからないがアイリスの居た集落は父親が国王派だと言っていたそうだ。
その後、俺は新たに工兵を150名追加召喚して新たに兵舎の建造を命じると共にブルゴート王国に接触を図るために、安全も考えて38(t)指揮戦車を1両とナチスドイツが使用していたサイドカー付きバイクを10両、Sd Kfz 251装甲兵員輸送車を10両、ドイツ軍装備の歩兵を200名追加召喚した。
俺と麗華が指揮戦車に乗り、Sd Kfz 222装甲偵察車を3両と追加召喚したサイドカー付きバイク全てと装甲兵員輸送車4両に兵士を乗せ、集落から街道に出る道を通りブルゴート王国領にある街に向かい向こう側と接触を図ろうと俺は考えていた。
「じゃあ、アイリス。俺はこれから当分出かけるから千歳の言う事ちゃんと聞いておとなしくしてるんだぞ。」
「・・嫌だ。お兄ちゃんと一緒に行きたい!!」
「アイリス、わがままを言わないでくれ。この先何があるかわからないから、君は連れていけないんだ。」
「・・それでも、一緒に行く!!」
アイリスが駄々をこねはじめ、結局アイリスのわがままに折れた俺が危険を承知でアイリスを連れていくことになった。