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軍事国家誕生への最初の第一歩 2

翌日、昨日偵察隊が発見した集落に全偵察隊を送り込んだ。そして、今回は俺も同行してみることにした。


「大元帥閣下、間もなく集落が見えてまいりますわ。」


偵察車の車内で俺に副官となった、一条麗華中佐が伝えてくる。麗華は軍人に似合わず、お嬢様気質であり艶やか肌をしており、なおかつ、お嬢様らしい気品が漂ってくる女性だ。兵士達を召喚するにあたり、階級を設置した。兵士達の階級はランダムで付けたが、指揮官級の兵士や麗華は俺が自分で階級を任命した。


俺は全将兵のトップという事で、大元帥とした。それ以外で一番階級が高いのは千歳で階級は大佐。千歳には森に建設した簡易基地の司令に就任してもらった。次に階級が高いの俺の副官の麗華だ。


集落に到着すると先行していた兵士達が死体を焼いて骨にして穴に埋めていた。


「ご苦労様であります閣下!!」


俺に気付いた兵士達が敬礼してくる。俺も答礼する。


「小隊長さん、なにかわかった事はありまして?」


麗華が先行させた偵察部隊の隊長と話している。


かなりの数の兵士たちを召喚してわかった事だが、基本的に召喚した兵士の配置はどんなことがあっても男女比が一対一になるようだ。


ちなみに俺が召喚したSd Kfz 222装甲偵察車は乗員が3人だったから、男2人・女1人が乗員の車両が3両と女2人・男1人が乗員の車両が3両だった。


「大元帥閣下、報告いたしますわね。」


麗華にそう言われ、麗華の報告を俺は聞くことにした。


「・・・という事だそうですわ。大元帥閣下。」


「痛ましいことだね・・・」


報告の中で俺はおそらく、昨日武装集団に襲われて死んだであろう子供の事についての報告も聞いた。


「こっちに女の子が居るぞ!!」


兵士の誰かがそう叫んだ。少女が居たのは集落の中で一番大きい建物に隣接する倉庫の中だった。少女は白い髪の毛をした13か14の少女で年相応に華奢な体をしているが、今は倉庫にある毛布にくるまっている状態だった。近くには食べ物のカスらしくものが散乱していた。


幸いな事に意識ははっきりしていたが、兵士たちを警戒していて近づこうとせずにらんできていた。


それでも、兵士達は少女を助けたい一心で水の入った水筒を渡そうとするが少女はそれも拒否する。


それを見ていた俺は兵士達をかき分け、兵士の水筒を借りて少女に近づいてきた。


少女を俺をにらんだまま、目線をそらさない。


俺が少女に水筒を渡そうとしても少女は拒否してくる。そこで、俺は水筒の水を少女の前で少し飲んでから少女に渡した。


すると、少女は俺の手から水筒を奪い取り水を飲み始めた。


少女が水を飲み、一旦落ち着いたところで俺は口を開いた。


「君の名前は?」


「私の・・名前は・・・アイリス・・・・」


「アイリスか。いい名前だね。」


そう言うと、アイリスは少し照れた様子で俺の方を見る。


「お父さんやお母さんはどうしたの?」


「お父さんも・・お母さんも・・盗賊に殺された・・・」


そう言うと、アイリスは俯いてしまった。


「そうか、ごめんね。嫌な事聞いちゃって。」


「昨日も盗賊が来て・・・私の友達が・・殺されちゃったの・・・」


アイリスの目に涙が浮かび始めた。


「アイリスちゃん、ここは危険だ。君が良ければ、俺と一緒に来ないか?」


「お兄さん、盗賊じゃない?アイリスの事、奴隷にして売らない?」


「もちろんそんな事はしないし、俺達は盗賊じゃないから安心してくれ。」


「うん、・・・わかった。」


そう言うと、アイリスは俺のもとに歩いてきた。












俺達はその日も村に向かっていた。昨日逃がしたガキを早く殺さないと警備隊に通報されてしまう。そうなれば、ガキを3人殺して村の物を盗んだとバレれば確実に殺される。だから、絶対に昨日逃がしたガキを始末しないとヤバい


村が見えてきたが人の声がするため、身を屈めながら村の様子を見ると、そこには銃を持った兵士らしき奴らが複数いた。まさか、もう警備隊に通報されたのではと思ったが、倉庫からガキが出てきたのを見るところ、どうやら通報はされていないようだった。


そこで、何を考えた大島の奴が弓でガキを狙おうとしていた。


「おい、やめろ!!」


俺がそう言ったが大島の奴は俺のいう事を聞かずに矢を放ってしまった。












「手を・・つないで・・」


アイリスにそう言われ、俺はアイリスの手をつないだ。女の子の手をつなぐなんて初めての事で照れていたが、矢が俺達の目の前に落ちてきた。


「敵襲ですわよ!!」


麗華がそう叫んだ。


その瞬間、兵士達が俺とアイリスを庇うように周囲を囲んだ。


「あそこに弓を構えた男がいますわ。威嚇射撃!!」


麗華がそう言うと、Sd Kfz 222装甲偵察車から機関銃が、兵士達がKar98k小銃を弓を構えている男の周囲に撃つ。男は大慌てで逃げ去っていった。













大島の奴が放った矢は、運が悪いことにガキには当たらず、ガキの目の前に落ちた。


その瞬間、ガキの周辺に居た兵士達は瞬時にガキとそいつの手を握っていた男の周囲に展開した。その後、装甲車と兵士から銃撃があった。


田島が大島を引っ張って隠れさせたため、何とか助かったが、今日は拠点に帰ることにしよう。

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