プロローグ2
主人公の一人称を僕から俺に変更しました
「おい、起きろ修平!!」
不良に腹を蹴られながらそう言われ、俺は起き上がる。起き上がるとあたり一面真っ白な世界が俺の目の前に現れる。クラスメイト達も状況がわからず混乱していた。
「おい、修平!!お前みたいなゴミがいるからこうなったんだ!!」
不良達が理不尽な理由をつけて俺に八つ当たりしてきた。
「待ちたまえ、若者たちよ。」
何処からともなく声が聞こえてきた。声のする方を見ると、白い髭を生やした老人がそこにはいた。
「おい、ジジイ!!ここは、何処だ!!」
クラスの不良達のリーダーである森木正海が老人に怒鳴りかかる。
「まぁ、そうあわてるな、若者よ。今、話してやるからの。」
その老人から言われたのは衝撃の事実だった。
簡単に説明するとこの老人は神様らしく、かなり上位の神様らしい。そして、この神様の弟子の手違いによってここにいる全員を誤って死なせてしまったらしいのだ。
「ふざけるんじゃねぇよ!!」
森木は神様につかみかかろうとする。
「まぁ、待て。流石に元の世界には戻せぬ。そこでだ、その詫びに特殊能力を付けた状態で異世界に君たちを送ることにした。それで勘弁してくれ。」
有無を言わさず、俺達の意識はそこで再び途絶えた。
再び目が覚めるとあたり一面草原の場所に俺達はいた。
「ここが、異世界・・・」
感心していると他のクラスメイト達も自然と起きてきた。
そう言えば、神様が特殊能力を付けてくれると言っていたが、俺のはどんなのだろうと思った。
「流石正海だな!!」
不良達が盛り上がっていた。どうやら森木は武道の特殊能力が付いている様ですべての武道で最強レベルの実力になったらしい。
その他にも魔法の能力や剣術の能力、指導者としての能力に建築物を自由自在に建てれる能力など様々だ。
「取りあえず、委員長の宮橋は指導者の能力持ってるし、どうにかしてくれよ。」
森木がそう言う。クラスの委員長である宮橋紗枝は高校一の秀才で不良達からも慕われているような人間だった。
「取りあえずね、住むところとか食べるものがないとダメだよね。だから、建物の能力を持つ田島君がみんなの住むところを作って、正木さんと藤崎さんが魔法で水とか入れ物とかを作ったりして、残りのみんなで木の実を探したり、狩りとか余裕があれあれば周囲の探索とかをすれば良いんじゃないか?」
宮橋さんの意見にみんなも賛成のようだった。
「おい、修平。こっちに来いよ!!」
森木達に強引に人気のないところに連れていかれ、森木の武道の相手を無理やりさせられた。
「やっぱり、修平相手だと雑魚過ぎて面白くないな。お前も特殊能力持ってるみたいやけど、しょぼい能力だろ?」
この問いに俺は答えなかった。
夕方になり、クラス全員の住むところができた。宮橋さんや森木の家はすごく立派だったが、家を作っていた田島は不良グループの一人だったため俺の家は縄文時代の竪穴式住居の様な家だった。
異世界に来て、以前よりも暴力を振るわれるようになると俺は遂に逃げ出した。
森木達から逃げたくて、夜みんなが寝静まった頃を見計らい家から飛び出して、近くにあった森の中をひたすら走った。
そして、森の中でも広場の様なところに到着すると俺は自分の特殊能力を使い、その広場に立派な砦を建てた。俺の特殊能力とは軍事に関連するものを召喚する能力だった。軍事オタクほど軍事に詳しいわけではなく、所詮はにわかと呼ばれる程度の知識しかなかったが、そう言う能力が俺には付いていた。そこで、俺は中世にあるような砦を召喚して建てたわけだ。
この特殊能力の問題としては1940年代までの物しか召喚できないことだ。つまり、テレビのニュースで見るような北朝鮮のミサイル兵器や自衛隊の10式戦車なんかは召喚できないのだ。だが、建物や兵器には専属の兵士が召喚される。つまり、銃を10丁召喚すると任意ではあるが最高で10人の兵士が同時に召喚される。だが、召喚されたとは言え人間であるため衣食住が必要にはなってくる
今回の場合は砦を警備する中世の装備をした兵士が召喚されている。
兵士が警備しているの見ていたら眠たくなってきたので、食料を召喚してから俺は眠りについた。