プロローグ
俺こと佐々木修平はその日も嫌々ながら、学校に向かった。小学校の頃からずっといじめられていて、不登校だった僕は県内でも最底辺を争うような高校にしか入学できなかった。
高校入学でイメチェン出来るかとも思ったがクラスメイトの半分以上が不良であり、授業中は教師に隠れてスマホで遊び休み時間になると、校則で禁止されているにも関わらず、堂々とスマホで遊んだりする。更には、未成年であるにも関わらず煙草を吸い、酒を飲む、そんな連中がクラスにも大勢いた。そのため、俺は自然と学校でもおとなしいクラスメイトとしか、関わろうとしなかった。幸いなことに高校の授業のレベルは低く、成績面では全くと言っていいほど問題もなく教師からの評価も高かったが、それを気に食わないのが不良という連中だ。
俺はある日、クラスの不良連中に呼び出され仕方がなく指定された場所に向かった。そこで待っていたの『暴力』だった。その日から毎日僕は不良にストレス発散のいい道具の様に扱われ続けた。
高校で新しくできた友人達も俺が暴力を振るわれているのを黙ってみているしかなかった。教師にこのことを報告したり、暴力を止めようとすれば次は自分が暴力を振るわれるからだ。そんな事は僕もわかっていた。結局僕はこの事を親にも担任の教師にも話さず、ずっと耐え続けた。
進級してクラスが別れてからも暴力は続いたが、僕はそれも必死に耐えた。
そして、高校3年。高校3年は人生にとっての分岐点であり大学や専門学校に進学するにも就職をするにしても暴力沙汰を起こせば停学は免れず、そうなれば何処にも就職・進学はできない。だから、暴力を振るわれることもないと思っていた俺の考えは進級初日に打ち砕かれた。
そこにあったのはいままでと変わらない不良連中からの暴力だった。不良たちは将来のことなんて気にしていない。今が楽しければそれで、良いんだ考えなのだろう。だが、俺は決して諦めずその暴力に耐え続けていた。
人生の転機が訪れたの3年に進級してから10日後のHRの時間だった。突然、まばゆい光がクラス中を包み込んだところで僕の意識は途絶えた。