表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

烏の濡れ羽色の甲冑

100 年という長い時を超えてようやく会えたのは、全身が烏の濡れ羽色の甲冑を身に纏った武士であった。


雪兎はすぐには二の句が継げなかった。

なぜならその武士の身の丈は非常に小さく、すぐに壊れてしまいそうな華奢な体躯だったからだ。


「…お前、ここまで一体どうやって来たんじゃ?お前のようなものがひとりでたどり着ける場所じゃあなかろ?」


「え?そう?なんで?」


武士は漆黒の面頬を取りながらまったく飾らずにそう答えた。

面頬の下から現れた顔は驚くほど幼く、12、3 歳ほどにしか見えない。

(非常に可愛いが…)

しかし、ひとりで途方も無い時を過ごし、自分のもとにたどり着く屈強な戦士を思い描いていた雪兎は、このような子どもが現れたことに心の整理ができなかった。


「なんでって、そりゃあ!お前のような小僧がとつぜ

「大丈夫。絶対幸せにするよ」


幼い武士は雪兎の言葉を遮り、愛くるしい笑顔で小生意気に言った。


「な、な、なんじゃ…!え、え、え、えらそうにぃ!!!」


雪兎の雪のような鞘はほんのり紅く染まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ