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Lost Memory  作者: 波音
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夢見町

ここは……?

夢だろうか?

もやもやしている空間に俺がいるだけ…と思ったけど


「・・・」


この空間に俺以外の存在がいる…。

でも、それが誰なのかもどこにいるのかもわからない…、俺はその空間にいるだけで、そこに立っているだけ…の夢。

もやもやが濃くなっていく。

それで俺が夢から目覚めるのだとわかる。

最後に誰かの声を聞いたような気がした。



電車の音で俺は目覚めた…いつの間にか眠っていたようだ…


(なんか不思議な夢をみた気がするな)


「次は夢見町、夢見町」


アナウンスが流れる

もうすぐ着くな…俺が昔住んでいたらしい町、夢見町

…住んでらしいというのは俺はこの町に住んでいた、という記憶がいっさいないからだ。

しかも幼稚園や物心つくまえなどではなく、俺は小学校まであの町に住んでいたという。



何故この町に住んでいた記憶はないのかは全くわからない…最初に気がついたのは親だった。 夢見町から引越しをしたしばらくした後、夢見町についての話題が出た時、俺がそこってどこのことと?と俺が聞くと親はとても驚いた。



親は貴方のとても仲良くしてた子がいた場所でしょ、とか小学校いって場所でしょ、などと言ってきたが俺は本当わからなかった。親にアルバムを見せてもらってそこに写る俺を見たとき、俺自身が一番驚いた。


記憶にない俺が楽しそうに友達と遊ぶ写真があったからだ…その後病院にいったりしたが原因は全くわからなかった。



そして俺にはもうひとつの謎がある。

そして俺は引越しする少し前に左目と左腕が動かない体になった…、俺はあの町のことを覚えてなかったのでこちらに来てからだと思ったが…こちらも原因不明らしい。



確かによくよく考えてみるとおかしいのだ。俺の記憶は小学4年生からの記憶しかない。それより前のことはどれだけ考えようが思い出すことができないのだ。そして一番最初にある記憶が病院で手と目が不自由になった記憶・・・親は体が不自由になったことと前の町(夢見町)は関係ないと思っているようだが、何故か俺は気になってしょうがなかった。



そして俺、河西夕(かさいゆう)という高校2年の俺はこの町に再び戻ってきた。



何故自分がこの町の記憶をないのか、身体が不自由なのか、もしかするとわかるかも知れないと思ったことだ……

(俺のことを覚えてやつとかいるのかな)


いたら悪いことするなと思いながら俺は駅のホームからでた。







夢見町は穏やかな小さな町であることで有名で、わざわざこっちに引越ししてくる人も多いそうだ。都心ほど賑やかではないが、ある程度の場所はそろっているし、学生には嬉しいカラオケやゲームセンターなどもちゃんとある。昔からそうだったらしいが、残念ならが俺にはそんな記憶はいっさいない。



俺の新しく住む場所は、商店街を抜けて住宅街のあたりにある小さなアパートだが俺には十分だ。ちなみにこのすぐ近くには家族で住んでいた時の家があるそうだが、回りを見渡しても俺の片目に写るのは、全く新しい景色でしかない。


(ここか?)


住所を再確認し自分がこれから住むアパートみる。

アパートは二階建てで俺の部屋は一階だったはずだ、二階に上がるための階段は俺の片目が見えないせいで、遠近感が掴みずらいため、親が配慮してくれたのだろう。昔はそのせいでよく転んだものだ。



今はもうなれて転んだりすることはないが気をつけないといけない時もある。



「ふう・・・まずは・・・」



俺はカギを差し込みあけて部屋に入るとまず視界にはいってきたのは狭い部屋にダンボールの山だ。



「この荷物の整理だな・・・」



もう引越しの荷物は先に送ってもらったのだがさすがにこれを片付けるのは時間がかかりそうだ。まして左腕が動かない俺は片手で作業しないといけないので、誰か助っ人がほしいところだがあいにくそんな人はいない…

親に頼るという手段もあるがそれはできるだけ避けたかった。ただでさえ色々と迷惑をかけてきたので自分でできることは例え時間がかかろうと自分でやりたい。



「まぁ気長にやるか」



ピンポーン




一つ目のダンボールをあけようとしたらチャイムが鳴った。



(あれまだ届いてない荷物とかあったかな?)



「はい今あけます」



俺は玄関のドアを開けたそこには…



「夕ちゃん~荷物手伝いにきたよ~」



バタン……すぐに閉めた。あれっ今女の子がいたような…うん多分幻覚だろう…今日は疲れているからあんな幻覚を、いかんいかんしっかりしなければ…



自分の頬を叩いてからもう一度ドアを開ける…



「夕ちゃんのお荷物のお手伝いをしたいから中にいれてくれないかな?」



バタン……またすぐに閉めた。ヤバイ幻覚じゃないみたいだ…少し状況を冷静になって整理してみる

えーとここは俺の家なのは間違えなくて、俺の家の前に知らない女の子がいて、荷物の手伝いをすると言っているそれでOK?・・・何一つOKじゃない・・・こうなる状況といえば・・・・・



「検討がつかない・・・」




うん・・・全く覚えがないしまあ多分人間違いだろう。うん偶然隣などこかに俺とは違う引越しもして名前も似ているだけだ。


「えーとすみません…何かの間違えじゃないですか?」



俺は一応確認のためドア越しにおそるおそる話かけてみる。



「間違えじゃないよ。河西夕、夕ちゃんだよね。今日引越し来たんだよね?」




ふむ・・・なんで初対面の子が俺のこと知ってるんだ・・・。まさかストーカーか?いやいやあんなに可愛い子にストーカーなんてされる覚えはないが・・・さてとこうゆう時はどうするべきか?



考えてから俺は携帯を手にとる。



「もしもし警察ですか?怪しい女の子が家の前に…」



この会話が女の子に聞こえていたらしく。即座にあわてたような否定の声が聞こえてくる。



「わわっ違うよー!私怪しいものじゃないよー!花おばさんに頼まれてきたの!」



「へっ?」



花おばさんと聞こえ俺は止まった。花とは俺の母親の名前だからだ。



「俺の母親?」



「うん・・・」




俺はもう一度ドアを開けた。

そこには困ったような顔した可愛い女の子がいた。身長はまあ167cmの俺よりすこし小さいくらいで整った顔立ちに艶やかな癖のない黒髪。見た目には大人しそうな子に見える。これは学校の制服だろうか?青で統一されたブレザーとスカートで初対面だがすごく似合っている。


(制服も着る人によってここまでの違いがでるんだなぁ)

と目の前の女の子を見ていると女の子は疑われていると勘違いしたのか



「ご、ごめんなさい!そういえば今の夕ちゃんには私がわからないんだよね。えーと私昔夕ちゃんのお隣に住んでいた西村鈴華(にしむらすずか)です。」


・・・・・・あー・・・・・・今の自己紹介で大体の事情がわかった。確か母親に言われたことがあった気がするな。なんか隣にかわいい女の子がいたんだよーとかほとんど確信はしているがそれをより確実なものにするために目の前の女の子に確認してみる。



「あ、えーと西村さんだっけ。西村さんは俺の母親に言われてきたの?」



「う、うん…えーと夕ちゃんちょっと手の不自由とかがあって大変だろうから手伝ってあげてって言われて…おばさんは夕ちゃんには自分からいっておくよっておっしゃってたけど…伝わってなかった?」



やはり・・・そういうことか・・・全く聞いてない…あの人は…いつものことだが「忘れてたごめんね~」とかいうのだろう。よく大事なことを言い忘れるのが癖だーとか言っているがここまで来るとわざとじゃないかとも思ってくる。だがあの天然母親にそれはなく、本当に素だとわかってしまうのが辛い。





「全く…ったくあの人は・・・」



「あ、あはは・・・おばさんも変わってないね」


変わってない…って事は俺のこともよく知ってたのかな?まあおそらくそうだろう。



「というかごめんな折角手伝いに来てもらってくれたのに、とりあえず上がってくれ」


流石にこのままじゃアレなので上がってもらう。まあ完全な印象だけど嘘をつく子には見えないし大丈夫だろう。


「あ、うんお邪魔します」


ペコリとお辞儀をしておずおずと部屋に入ってくる。とりあえず家にまねいたもののまずは話をしたほうがいいよな、そう思いとりあえず俺から声をかけてみる。


「えーと西村さん?」



「あっうん、鈴華でいいよ。お隣のころ夕ちゃんそう呼んでくれたから」



その時の西村さん、いや鈴華はとても寂しそうにいった。・・・今の俺にとっては初対面と同じだけど…この女の子ことって俺は・・・わからない・・・けど・・・何故かこの子のこんな顔は見たくないと強く俺は思った。



「わかった鈴樺。そのごめんな…俺…」


何を言っていいかわからなかったが自然と出てきたのは謝罪の言葉だった。




「ううん夕ちゃんは悪くないよ」


そう言うと鈴華は笑顔を見せてくれた。どちらかというと無理やり作った感じだがそれでもさっきの顔よりは数倍いい。



「その・・・俺と鈴樺は家が隣だったのか?」


「うんお隣どうしでお母さんもおばさんと仲良しだったから私達もよく遊んでたよ」



幼なじみってことなのかな・・・まあ夕ちゃんと呼ばれるくらいだから仲は悪いとかそういうのはなかったのだろう。


「そっか。こんな片付けに手伝わせて悪かったな」



「ううん全然大丈夫だよ。夕ちゃんがその…記憶喪失ってことや、腕や目が不自由だって聞いた時はびっくりしたけど、夕ちゃんはやっぱり夕ちゃんだから…それに私夕ちゃんに会えて嬉しいよ」


そういって鈴樺は笑ってくれた。今度は多分無理のない笑顔で。不覚にも可愛いと感じた。変な意味ではなくこの子はこの笑顔もほうがいいと思った。

鈴華の気持ちはどんなだろう、かなり複雑なんだろうか、普通なはずはないか…でも優しいやつだというのは今の俺でもわかる。


「そういってくれてありがとうな。まぁこんな話はあれだから、せっかく来てくれたんだしまずはさっさと片付けるか」


まあまだまだ聞きたいこととかはたくさんあるが俺はひとまずそう提案した。


「うんっ!そうだね」

鈴華は笑顔で答えてくれた。



それから二人で片付け始めたのだが、こうゆうことが得意なのか静香の手際が凄くよく、午前から始めて正直夜までかかるのと思っていたが、鈴樺のおかげで夕方には終わった。



…もちろん秘蔵のあれ関係の本などはちゃんと俺が出してちゃんと隠したが…



まだまだ途中ですが意見や感想などをくれると泣いて喜びますw

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