表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想世仮居  作者: ナベのフタ
第一章 夢の始まり
6/29

04 少しの手掛かり

「…………お願いだよ」

 僕はそれでもその子に頼るしかなかった。


「……章を、自分の章を思い出せばなんとかなるかもしれない」


「章? それを思い出せば帰れるの!」


「さあね、それは君次第だよ」


「そうか……でっ、その章はどうすれば思い出せるの? ってか、章って何?」


「私がこの池を出したときに言った言葉覚えている? あれが章」

 僕はその子が池を出したときのことを思い出した。確かに詩のようなものを言っていたけど、つまり章は魔法の呪文なのだろうか?


「章は魔法の呪文みたいなものかな?」

 聞いてみた。


「まあ、そんなものかな……」


「じゃあ僕にも魔法が使えるのかな?」

 するとその子は呆れたように言った。


「君さあ、本当に何も見なかったんだね。……いいよ、面倒だけど君が何をすればいいのかだけ教えてあげる」


「本当! ありがとう」

 やった! ようやく元の世界に帰る手がかりが。


「ここには私や君みたいに全員で三十二名の夢を叶えた子がいて皆あそこで自分の章を見たの。章は全部で三十二章、君の章もそこに書いてあったはずだから君が自分の章を思い出せないのなら他の子が君の章を見ていないか聞いてみることだね」


 僕の他にも三十二人も……いや、少ないよね。どうやって探せば……


「ちなみに私は自分の章だけしか見ていないから」


「ほかの人はどうやって探せばいいかな?」


「……私を見つけた時と同じ要領でいけば? ただ気を付けないと危ない章の子もいるかもしれないからね」


 もしかして、いや、もしかしなくても彼女は少し苛立っている?


「分かった気をつけるよ。えーと僕はわたり 龍郎たつろう君は?」


「……雨宮ななみ」


「そう、いろいろ教えてくれてありがとう雨宮さん」

 僕は雨宮さんにお礼を言ってその場を後にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ