02 ここはどこ
玄関の扉を開け外に出た僕は家の前で立ち尽くした。
「えっ……なんだよ、ここは……」
そこはいつも自分が住み、慣れしたんだ町ではなく見知らぬ……とは言えないが慣れしたんだ知らない町が僕の目の前に広がっていた。そこは普通に家やマンションが並んでいる普通の町の様に見えるけど景色は色あせてぼやけて見えた。
シャァァァァ
静かな町に自転車のタイヤの回転音が聞こえた。
「…………」
僕の目の前を自転車に乗った制服姿の女の子が通り過ぎていく。学校に向かうのだろう。ここから先に五分程いけば学校がある。……どうして知っているのだろう。
「おいっ、待ってくれ!」
それより僕はいそいでその女子を追いかける。誰もいない町の中でその女子は周りの景色の中で僕と同じようにはっきりと存在していた。
「待って! 待ってくれよ!」
その子は自転車の速度をそんなに出しているわけではなく、あくまで自分のペースで走っている。
僕はその子の隣を必死で走りながら呼び掛けた。
「……君、何?」
その子は僕のこと興味なさそうに一度もこちらを見ずに言った。
「えっ、そのっ、この世界なんか変だよね!」
僕は一番自分が思っていることを口にする。その子も変だと思っていて、さらにどうしてこうなっているのか説明してもらえることを願った。
「……君が一番変だよ」
「なっ……」
その子はそう言って学校へ行く坂を登らずに、その下にある田んぼ道へ進んでいった。
僕はその子のあとを追いかけた。