25 現実・・?それとも・・・
「……えーと、実はどうやったのか自分でも覚えてないんだよね」
頭をかきながら僕は答えた。正直あの世界で最後に何かをめだか文集に書いたことまでは覚えているがそこから先が思い出せない。
「なあ、もしもこの世界も全て夢だとしたらどうする?」
一つの仮説を立てると、もしかしたら僕はあの世界でめだか文集に僕の望む世界を描いたのかもしれない。そうなるとこの世界も今僕の隣りにいる雨宮も僕が都合よく描いた幻想なのではないか、そんな考えが浮かんだ……
「怖いこと言うね。でも、渡くんは本物でいてくれるでしょ」
「えっ」
雨宮は真剣に僕を見つめた。
「たとえこの世界も夢だとしても私は夢じゃないから平気だよ」
「……僕さ、あんまりちゃんとした楽しい思い出ってあまりなくてさ。雨宮とこれから作っていきたいなぁ~、なんて……」
「いいよ、のんびりでいいのなら」
雨宮は無表情に返事をした。
「雨宮……無表情なのは嫌だからじゃないよね?」
「……そう見えるの?」
「いや、別に僕は全然平気だけど」
雨宮は大きくため息をついた。
「あっ、そういえば僕のクラスは福田とマユ子が一緒だった」
「え、なにそれ最悪だね。私クラス別でよかった」
「はは、なんだよそれ。二人に悪いだろ」
「だってあいつらウザイし」
「それにさ………………」
こんな風に僕たちはたいした事のない話をしてのんびりと笑っていた。けどそれで楽しくて時間を過ごすには十分だった。
ただ僕は何か大事なことを忘れている気がしていた。




