2/2
#1
~6月後半のある日~
朝、先生につづき小柄な少女が入ってきた。
このクラスの一番小さい子ともほとんど変わらない身長。
「小沢 美和・・・。大阪の小さい学校から来ました…
皆さん、よろしくお願いします。」
と、定番の挨拶をし、一番後ろの空いている席にちょこんと座った。
その後、朝学活は簡単に終わった。
美和と名乗る少女の机の周りには、クラスの女子が輪を作り、色々と聞いてくる。
隣の席の子も初対面なのに、まるで友達同士だったかのように、
「私、瀬戸 美沙。 隣だし、色々とよろしくねっ!」
と、既に高テンション。
しかし、美和はたった一言 「よろしく・・・。」
とだけ言うと、すぐに黙ってしまった。
そんな中、集まってきた女子達も同じように様々な質問を出すが、
返ってくる返事は「うん・・・。」とか、首を横に振るばかりだった。
皆、恥ずかしがってるのかなと思い、結局美和に話しかけようとするのを止めてしまった。
ただ、大きな女子の輪を黙ってみながら一時限目になった