表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集【BL】  作者: 朝比奈 黎兎
Red point
10/14

【読み切り】


英語教師と2年主席君。


きーんこーんかーんこーん


というチャイムと共に、2-Bの教室を飛び出した生徒が一人。杉浦夕貴すぎうらゆうき2年主席である。いつもは校則を破らない彼だが、今日は全速力であるところに向かう。あるところとは・・・英語教材室。そしてその部屋のドアを勢いよく開け放つ。


「先生!!これはどういう事なんですか!!」

「なにが?」


のんきに椅子に座ってアイス食ってるのが、夕貴の英語担任、荒池響あらいけひびきである。というか、学校でアイス食べてていいのか・・・・。


「これですよ、これぇ!!」


そういって夕貴が取り出したのは赤い色の紙。それは赤点の生徒に配られる魔の紙である。夕貴はこんな紙を受け取るのは初めてだ・・・というか・・・。


「俺、今期の英語、赤点じゃなかった気がするんですけど!!テストだって98だったし。授業だって真面目に聞いてるし、なにが赤点なんですか!!」

「ないよ?」

「へ?」


ない?nothing?え・・・・え・・・・?


「だから、この学期で赤点取った生徒いないけどね?」

「は?じゃ・・・これなに・・・?」


思わず敬語が外れる。それほどこの先生の言っている意味がわからん。

I don’t under sutund.


「それが夕貴のとこ行けば、ここくるかなあと。」

「は?」

「簡単にズバッと言うと、職権乱用?」

「はぁあああああああああああああ!!!?」


おいおいおいおいおいおいおいおいおい!!


「ちょ・・・なにそれどういうこと!?」

「だって最近テスト勉強だ!!とかいって会いに来てくれなかったからさ。呼び出し。どう?結構ユニークだったろ?」

「先生がそんなことしていいと思ってんですかあ!!」

「いいじゃん、赤点じゃないんだからさ。オール5おめでとう。」

「うれしくない。むしろ悩みっぱなしだったあの時間を返してほしい。」

「それは残念。夕貴の悩む姿を拝めなくて。」

「あんたねぇ!!」

「夕貴。」

「?」

「おいでおいで、ここ!」


こことはどこかって?先生の膝の上。座れって言うんだな?


「座んなきゃマジで赤点にしてやろうか?」


誰かこいつぶっ殺して!!


だが座ってしまうのは・・・惚れた弱みとかそんなん信じないぞ!!


膝の上に座ったら後ろから抱き締めてきた。ご機嫌なようで鼻歌なんか歌ってるし。


「先生、もういいですよね?他の先生来たらどうするんですか?」

「あ-今日俺しかいないよ?英語教師。」

「え・・・。」

「だから他の教室にも代理教師で行かなきゃいけなくて、あ-疲れた。だから回復させて。」

「俺はゲームの回復ポイントじゃないですよ!!」

「えー。あ、今度の週末だけどさ。」

「急に話題を変えないでください。」

「どっかいかない?」

「どこかって・・・先生とですか?」

「俺、休日まで先生やってないから。ただの響だから。」

「そう言う問題ですか・・・。それで・・・どこへ?」

「遊園地とかどう?最近出来たあそこ。」

「遊園地ですか。そう言えばいってみたいなとは思ってましたけど・・・。」

「はい、決定。」

「俺とそんなとこ行って楽しいですか?」

「楽しいよ?ま、夕貴とだったらどこでもいいけどね。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・先生見る目ないですね。」

「それはどういうことかなぁ?俺最高に見る目あるから。だってこんな可愛い夕貴、ほっとく男が信じらんないでしょう。」

「かわ・・・・いくないです!!」


しかもどさくさにまぎれて顔近付けてくるのはやめてほしい。そこまで俺は危険を冒すようなことは学校ではしたくない。さっき廊下全速力で走ったけど!!


「俺のどこが好きなんですか?」

「全部。しいていうなら・・・・all?」

「全部じゃないですか結局・・・・・・・・。」


なんか英語の成績だけ手を抜きたくなった。


あ・・・やっぱやめた。なんか後が怖い。



夕貴が響の腕の中から解放されたのは、驚くことにそれから一時間後だった。


                               ~終~


赤点の制度って、どこの学校も一緒なんでしょうかね?

私の高校は赤い紙を受け取るっていう奴だったんで、この小説もそうしたんですけど・・・

私はもらったことないですよ?ほんとですよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ