07:《友達》
かなり文面がグダグダしてきました(汗
真の友達とは、日頃疎遠になっていても《何か》あれば、いつでもそばにいてくれる………なんて、何かの漫画か小説で呼んだ事がある。
高校時代から《浮いた存在》だった僕だけど、それでも《友達》と呼べる存在がいる。高校を卒業してからもずっと友達と呼べるのは、片手が余る程度だけど………。
「そうか、水上に会ったのか……」
「……うん……」
女性のお客さんが主で、普通なら絶対に近付かない店。天然石を使ったアクセサリーショップ、店名は《ROSE・GARDEN》。その店内の裏、すなわち作業場で、コーヒーを片手に会話している僕。
対面に座りながら黙って話を聞いてくれていた、僕の《友達》。
名前は、月島廉といって、四つ年上の彼女さん(婚約者)を持つ、高校生の頃から評判の美青年。今は彼女さんが店長を務めるこの店のデザイナーだ。
「……そうか」
「どうしたの?」
「水上に会って、どうだった?」
「どうって?」
いつもならもっと軽いノリで話す廉の態度が、今日はなぜだか重苦しい。
「……いや、そんな事を聞くより先に、渚に謝らなきゃいけない」
「あ、謝るって?」
「俺はお前と一緒に、水上達の話を聞いた……けどな、あの話には続きがあるんだ」
続き?
「お前が今、水上の事をどう思っているかは知らない。ただ……あいつは、水上は、お前にずっと謝りたいと思っている。もっと言うなら、お前が水上と再会した事も、水上から聞いている」
「……え…?」
そこで初めて、《あの日》の後日の話を聞いた。僕が水上さんを避けはじめた時の事や、お互いに喋らなくなった事、そして………廉が僕の代わりに水上を怒った事。
「あの時、俺が水上から聞いた言葉を伝えとけばよかったんだ。けど、俺は血が昇って、言っちまったんだよ……」
“もう渚に関わるな!”
「……俺があんな事言わなきゃ、何か変わってたかもしれないのに……本当に、ごめん!!」
「廉は謝らなくていいから……悪いのは、逃げてばかりの僕だよ。僕の方こそ、ごめん」
廉は僕に謝る。けど、僕は許す許さない以前に申し訳なかった。廉の言葉は、水上さんに会う事や話す事が、辛いなんて言えなかった僕の気持ちを代弁してくれたんだと、思うから。
心から他人を想ってくれる人がいる。僕にとって、その人はここに居て、僕の事を心配してくれている。
「……ありがとう、廉」
本当は、そんなありきたりな言葉だけじゃ言い表せない。
だけど、言わなくちゃ伝わらない。僕は今、廉から教えられたんだ。
「また……僕は廉に救われたよ」
逃げてばかりじゃ、変わらない。それは今、ここにいる《心友》の言葉から汲み取る事が出来た。
だから、逃げない。
時間だけじゃ心は癒せない。自分が変わらなくちゃ、何も変わらないって、気付いたんだから………