第四話 自分には分かるもの、相手には伝わらない想い
文章を書いていく上で、心掛けたいのが読み返すこと。
感想がなく、いまいちな反応だけど自分では良く書けていると思う。
うむ、何が問題か?を探る上で、先入観がないか調べる必要があります。
ラノベは特にそうですが、独自の世界観が設定されている場合が多い。
しかし、特別な感情がないのなら、現在人気のある(すでに既出)設定を基にした方が読者に伝わりやすい。
実際のところ、オリジナルな世界はちゃんとした説明が必要になります。
通常のゲームなどにあるような中世ヨーロッパに魔法を追加したような世界観は、読者に分かりやすくストーリー展開でちょっと複雑化しても受け入れられる。
独自の世界観だとまずその世界の法則から説明がいるのです。
またありがちなのが、作者の頭の中だけで展開している感じで、上手く文章で表現しきれていない場合です。
作者さん自身も、もやもやとする違和感を感じながら物語を進めることになり余計に手応えがあやふやに!
どうしたらいいのか?
独自の世界観から作るなら、まず普通の中世ファンタジー作品の要素を書き出してみましょう。
例えば、宇宙の法則。
現在の地球と同じ物理法則を適応するのか?
ほとんどの場合、現状の科学知識でいう常識を採用していますが、どうでしょうか?
世界の成り立ちの比較。
神話などでは最初に巨大な神が倒れ、その躯が世界の土台になったとかあります。
ここから発展させて、神の力がそこかしこに残されているなどの設定もできる。
そして、舞台となる世界の住人たちに差異はあるか?
人間と亜人種や魔族に魔獣。果てにドラゴン等のファンタジー生物の有名どころを採用するのか?
現実の地球には、知的生物は人間のみであり、他は通常の動植物が繁栄中。
オリジナル生物を登場させるのであれば、中ボスランクの生物にしておいた方が無難です。
所謂、ユニークランクの生物という位置づけ
文明レベルをどうするか?
この際、科学や魔法の違いを求めるのではなく、どこまでの便利さを許容するかが問題。
中世ファンタジーは騎士の世界。そもそもから交通は馬車か徒歩になる。
ここに自動車もどきや飛行船などを登場させると、表現がなかなかに難しくなる。
文明レベルの基準は、かなり重要です。
作者と読み手の間にイメージの齟齬が発生する確率が高い。
映像と文章では、表現できる情報量が圧倒的に違うのです。
その点を踏まえて、作品の時代考証をしっかり決める必要があります。
そこからは普通に世界地図的なものを書いてみましょう。
まあ帝国があったり、王国があったり、小国が乱立していたり。
売れてから考えるのもありと言えばアリかもですが。
まあ考えておいて損はないのです。
これらの情報は作者さんの中にあるものを明確に整理する作業なんです。
まだ作者さんの中にある原案を、初めにきちんと形にして定着することで
のちのちブレのない作品ができるものです。
というか、結構曖昧なまま書くことが多く、作者さん自身も忘れてしまうという悲劇が起きることもある。
実在のTVゲームの魔法設定を参考に、魔法体系を書き込んでいくのも楽しいと言えば楽しいですし。
少なくとも無駄ではないし。
通常、知られているファンタジー設定とオリジナルな世界の設定の比較をしておくことで、その特色の理解度が上がります。
さて、比較が終わったら、どの辺りを念入りに、かつ、さりげなく説明を入れなくてはいけないか分かるはず。
全部説明する必要はないけど、ここの部分を強調しておかないと、共感してもらえないかも。
そんな不安を払拭するのですよ。
結構起こりうる作者さんと読み手の情報量の齟齬。
この共通認識の差が、重要な場面で「意味が分からず、しらけてしまう」という悲劇を生んでしまう。
前の話で、設定厨が陥る罠みたいに思われているかもしれませんが、
人間だって骨と言う基盤がある。
人体で最も重要な部分が骨であり、その周りを臓器や筋肉、そして脳が肉付けられている。
骨に表現力はないし、然したる違いは生まれないけど重要にして不可欠。
そう、これは物語という肉付けする前の段階。
恐竜化石から元の姿、恐竜を想像するために必要な骨の正確な組み上げ作業。
種族が違えば、人間と狼の骨のように姿形は一変してしまう。
だからこそ、作者さん自身が理解度を深めるために上記作業が必要になるんです。
ちなみに、普通のファンタジーを採用するほうがその点では楽です。
しかし、数ある作品の中から選ばれるには、何か独自性が必要でしょう?
でも、あまりに違うのでは説明を入れるのも難しいし、どの場面で知っているほうが良いのか?
その時期とできるだけ分かりやすく簡潔に、そして雰囲気を壊さず情報を投入する方法を具体的に思案できる。
上記内容を具体的に形として、資料化。忘れたら参照すること。
実際、年月で色々変わる場合もあるし、変更したら資料も修正していく。
そんなの長期連載用じゃないか!
いらんわ!
と言う方もいるかもですが、短編でもはっきりと文字に書き出すことで品質が上がることがあります。
一度アウトプットすると意外な矛盾点に気づくことができる場合が多々あるのです。
どうしても文章が上手くできない場合は、一度最後まで書いてみましょう!
そして、読み返すこと。
最後に再び同じ文章を書いてみる。
一回目より二回目書いた文章のほうが、格段に分かりやすくなっていることに気づくはずです。
割と文字数制限を決めて書くのもシャープで分かりやすい文章の書き方としておすすめです。
後は人物の人生も同じです。
物語になるのは、あくまで彼らの人生の一部であるはず。
皆の共感を得たいのであれば、すべてを語る必要はなくとも、ある程度の誘導は必要ではないか?
恐竜の歯の化石を見て、その全体像を予測するのは困難。
想像は十人十色、千差万別な姿に置き換わるでしょう。
しかし、ある程度の化石が見つかればどうか?
作者さんが、物語のどこに注目してもらい、どう思ってもらいたいのか?
その実現は、作者さんが蒔く種次第なのです。




