第九話 お金の価値を考えよう!所持金は物語をガラリと変える
さて、今回も主にファンタジーものとなるかな?と思います。
The お金を考える回です。
うん、現実で困っている人も多いかもしれませんが、ファンタジーでも切っても切れない経済環境。
物語の初期、主人公が、どうやって現状に辿り着いたかの設定で変わってくる所持金問題。
現実の日本なら「円」や「ドル」、「ユーロ」なんかが有名どころ。
「元」や「ウォン」なんかもありますが、日本で生活する私たちがよく見るのは、為替相場の情報に出てくる最初の3つの通貨たちでしょう。
現実に使用されている現金というのは、信用通貨と呼ばれ、国が流通させている紙幣が、それに当たります。
昔は、金塊を担保に紙幣が発行されていましたが、現在は国力、経済の安定性などを基準に価値が決定されているようです。
まあ流動性があるので、戦争なんかの当事国になったりすると、価値が下がったり、敗北時には紙屑同然になることも。
さて、それではファンタジー世界での設定はどうでしょうか?
中世レベルのファンタジーであれば、流通する通貨は、上から金貨、銀貨、銅貨に銭貨くらいかな。
あとはミスリルとかいう魔法金属を使ったものもあるかも。
まあ、希少金属を貨幣として流通させている感じ。
現実でも「金」はそのモノ自体に価値があるため、社会不安があると財産を「金」に交換したりします。
国が滅びようが、「金」を持っていれば、同じ人類国家であれば元の財産相当と交換可能。
ファンタジーでなくても、現実に過去使用されていた金貨、単位はオンスで1オンスは31.1グラム。
今の相場で1グラム3万円くらいと考えると、金貨1枚93万円!
まあ現代社会での「金」は、財産保護だけではなく、各種電子機器の資材として使われている。
高価なのは仕方がないでしょうし、ファンタジー世界での需要以上に価値があると考えられる。
では、改めて物語の序盤に、主人公はいくらほど所持金があればいいか?
これに答えはありませんし、作者さんの腕次第、どう展開したいのか?にもよる。
例えば、異世界転生での出生階級。
裕福な高位貴族か、貧乏男爵か?
はたまた、商家に生まれるか、農家転生か?
上記によって使えるお金は決まってくる。
それぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどれがいいとは言い切れない。
家格の高い名門貴族出身の主人公は、使えるお金は多いでしょう。
このメリットは、お話上で慌てて金策する必要性がないこと。
悪役令嬢もので、将来の没落阻止や事件が起こったとしても生き残れる安全策を狙う感じの物語が、この境遇には有効。
今日明日の生活に困らない基盤があり、物語をゆっくり進められる。
将来の没落に対する施策は、かなり大きなミッションであるため、根回しを着々と完了させていく必要がある。
主にお金が問題ではなく、主人公の周りからの印象改革を実行するお話がメインになる。
将来的には、国王とかの評価を上げ、断罪イベントの無効化とか、反対にこちらが断罪するとか。
そのためには、少々大きなスケールの計画を実行する可能性が高く、お金というか、大金を運用する展開が待っているかも。
また、作者さん本人が富裕層かどうか?も結構ストーリー展開に関わってくる。
”パンが無ければ、お菓子を食べればいいじゃない?”という名言で処刑されてしまった人がいます。
割と悪気がないと思われるこの言葉。
理解はできないが、高位貴族は真面目にコレである可能性が高い。
まあ中身に庶民が入って、こういう貴族の中で揉まれる日常を描くなら、このギャップを理解しなければ!
あと高位貴族令息や令嬢は、国王とか政治に関わったり、現代知識で大きな事業に着手したりと普通ならできないような発展的経済を実現しやすい。元となるお金があるので。
領地経営ものでも、規模の大きなものを割と幼い頃から着手できる。
デメリットは、日々のお金の問題を物語に盛り込めない事。
これは貧乏貴族や商家、農家転生についてのメリットになっています。
貴族であっても貧乏なら、早急な金策を考える必要がある。
商家や農家もスケールダウンはするが同じこと。
各出生ごとに貧乏主人公にとって、お金がない!は明日の生死に直結し、そうでなくとも割とすぐに起死回生策が必要になる。
解決するアイディアさえ浮かべば、お金がない!は物語序盤のスタートダッシュに使えるカンフル剤として機能するはず。
お金がない!はとても身近だし、共感を得られやすいので読み手が取っつき易いとも言える。
また、お金がない!自体が、もう切迫した解決しないといけない事件そのもの。
どうやって切り抜けていくか?で序盤のテーマは決まったようなもの。
しばらく話題に困らないのは、これのメリットと言えるのではないでしょうか。
さあ、これからが本番です。
前回焦点を当てたゲームキャラ転生や異世界転移もの。
転生といいながら、ゲームキャラなだけに生活基盤のない状況。
異世界転移も同じようなもの。
ゲームキャラだから、実力は問題ないし生きていける。
異世界転移でも神様のチートがあれば、ゲームキャラ転生と同じ境遇と言えるでしょう。
しかし、物語では、かなり方向性が決まってしまう要素が満載。
設定次第でヌルゲー化して、読み手に飽きられる可能性も大。
ゲームキャラ転生は、もともとの装備を持ってきたか?
これで結構変わってくる。
ゲーム内装備をそのまま採用してしまうと、最初から神剣やら聖剣、魔剣を主人公が使える状態。
異世界でも、伝説な威力の剣や杖といった武器は、物語で重要な面白さにかなりの影響を及ぼすことでしょう。
正直、ゲーム要素を盛りに盛ったために、物語の展開が厳しくなる場合も多い。
例えば、実力だけゲームキャラ、ステータスを上げてもらった神様転移の主人公は、最初のお話で、お金をもっていない!という話題を問題視できる。
そう物語の問題ではなく、作者側の問題です!
伝説の武具があるから!
これだけで、楽しいお買い物、武器屋編が潰されてしまう。
皆さん、お買い物は好きですよね?
お金さえあれば!
しかし、お金なくても商品を見るのは楽しい!
そう武具屋で並ぶのは、いわゆる鉄素材の剣や銅の剣かもしれない!
レザーアーマーやスケイルメイルといった防具。
ゲームの伝説武具は、上記の楽しみを永久に葬り去る。
主人公が、所持金の都合で鉄の剣が買えない!
「店主さん、この剣欲しい!
なんとか割引してくれない?
店員になってやってもいいよ!?」
武具屋の店主
「金がないなら、諦めな!
お前が買えない理由は、その剣を持つ実力がないってことだ!
実力があれば、お金をもっているはずだからなっ! がははっ」
という会話の後、
何もないのでは、冒険者として登録もできない。
ならばと紹介される中古武具に
新米が練習がてら鍛冶ったなまくら剣。
武具屋の店主に対して意外に良心的だなあと主人公は思う。好感度UP!
所持金を集めて、とりあえず購入に踏み切り、依頼を受けにギルドへ直行!
”いつか金貯めて、
ミスリル製の剣やプレートメイルな騎士鎧を買って、皆にカッコいいと言わせてやる!”
そして2日後。
「親父、この剣、なまくらだぞ!
もう折れた!
レザーアーマーって言ってたのに、ナイフで穴が開くってどういうことだ!」
と主人公の怒鳴る声が響く!
店主は笑いながら
「当たり前だろ。安いんだから!
もうちっと考えて使いな!
ゴブリンとかだろ、依頼って言っても!
普通に石投げて倒すとか、斬るんじゃなく突き刺せ!
まともに打ち合ったんじゃ、折れるわな。」
さらに続く店主の言葉は
「レザーなんて言っても魔獣の皮とか使ってないんだ。
ナイフだって、真面に突かれりゃ穴もあくさ。
避けろよな!」
”もう少し頭使えや、若いの!”
「くそっ絶対わざと忠告しなかったな!」
悔しそうな主人公のうめき声が続く。好感度Down!!!
というような一場面も、ゲーム武具によりカットされてしまう。
ゲーム武具は色々な弊害があるのは、見た通り。
主人公の敵となるモンスターやキャラも、かなり変化する。
神剣などで戦っちゃうと、序盤のオーク辺りが全く緊張感なく倒せてしまう。
正直、オリジナルなバグキャラ以外は、戦闘で緊迫感を表現できない。
でも、最終的にゲームのような派手な敵を用意するならアリではある。
ただし、所々にアイディアを詰め込んだ敵が必須。
読み手は、目が肥えているので、戦闘の迫力をたまには感じたい等という欲が出る可能性がある。
そして、ゲーム武具無しなら、剣を毎回折っていては生活ができない。
メンテナンスの費用も馬鹿にならない。
高性能な主人公だから、重症や死までは至らない。
敵もゴブリンなどの著名な雑魚で十分迫力が出せる。
所謂、お金縛りができてしまう!
そして両方のいい所どりしようと、ゲーム武具の回復に時間がかかるなどの制限で
乗り切ろうとする方たちもいる。
しかし、どっち付かずで効果が限定的になってしまう感じもあるにはある。
どうするかは作者さん次第ですが、目指すべき道に楽はないのです。
また苦労をするけど、楽しくもある!そんな作品が生き残る感じはしますね。
それでは、、、




