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愛の残響  作者: あぜるん
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59. ロザリアとルカ:すべてを奪った!

ロザリア


ダンテが私を連れてきたこの家、そのリビングのソファは私の墓になった。ダンテが私をソファに横たわらせた瞬間、まるで掘りたての、深くて冷たい墓の中に落とされたような気がした。ダンテが私に触れるたび、それは土をかけられる感覚で、少しずつ私の息を奪っていった。ダンテはソファの上で私を殺しながら、泣いていた。彼の涙が私の顔に落ち、私の涙と混ざっていった。完全に私を壊したあと、ダンテは私を抱き上げ、シャワーへ連れて行った。浴室に私を一人残し、彼は出ていった。


ジョヴァンニは目を覚ましていた。私がまだ浴室にいたので、ダンテが彼の世話をしていた。彼は私をさらうことを前もって計画していたのだ。ジョヴァンニのためにベビーベッドや粉ミルクを用意し、クローゼットには私のための新しい服もあった。黒いTシャツとスウェットパンツ。浴室から出た私は、黒だけを身にまとった。死んだ魂に喪を捧げるために。ダンテはジョヴァンニと遊んでいた。


「……抱いてもいい?」

ロザリアは悲しげな声で、赤ちゃんを求めた。


ダンテは息子を私の腕に渡し、部屋を出ていった。今、この痛みを和らげてくれるのはジョヴァンニだけだった。


「あなたは私の心そのもの……なんていい匂いなの……ルカと同じ、あなたのパパと同じ匂い……。パパが恋しい……」

ロザリアはジョヴァンニを抱き、頭をなでた。

「あなたもパパが恋しいよね。わかってる。パパが私たちを見つけてくれる。助けてくれる。私の小さなルカ……私の心……」


ロザリアは赤ちゃんを抱いたまま、ベッドに横になった。


ルカのことが頭から離れなかった。家に帰ってきて、私とジョヴァンニがいなければ、彼はきっと正気を失う。ルカはジョルダーノを排除する計画のせいで、家にいる時間が少なかった。でも、ジョヴァンニには深く執着していた。家に帰ると、何時間も息子の部屋で過ごしていた。時には我慢できず、寝ているジョヴァンニを起こしてまで、遊び、抱きしめていた。私たちがダンテにさらわれたことを、ルカは必ず知る。ダンテが赤ちゃんに危害を加えないことも、彼はわかっている。でも、ルカは一日でもジョヴァンニを見られなければ、正気を失ってしまう。何としても連絡しなければ。ジョヴァンニをルカに見せなければ。


「ダンテ、お願い、ルカに電話させて。ジョヴァンニを見せるだけでいいの。ルカは息子を見なければ、声を聞かなければ、壊れてしまう。お願い……」

ロザリアは赤ちゃんを抱いたまま、リビングでダンテのもとへ行った。




ルカ


家に戻るまで、もう少しだった。マッテオから電話がかかってきた。彼からの着信を見た瞬間、嫌な予感がした。マッテオはいつも家にいて、本当に重要なことがある時しか私に電話をしてこない。予感は的中した。マッテオは、ダンテがロザリアと息子をさらったと告げた。その瞬間、すべてが混乱した。ダンテは生きていた。友人は死んでいなかった。だが、喜ぶことはできなかった。彼が生きていると知った瞬間、私は彼を完全に失った。ダンテは私の家族をさらったのだ。もはや友人ではなかった。


ダンテは街にマンションを持っていた。知らせを聞くや否や、ロッコとそこへ向かった。以前に何度か行ったことがある場所だ。ダンテがロザリアをさらって、あの家に連れて行くほど愚かではないことはわかっていた。それでも、他に当たる場所がなかった。彼には他の家がなかったからだ。


ダンテが死んでいなかったことを、本当は喜んでいた。でも、今日、私は彼を永遠に失った。彼はもう友人でも敵でもない。私にとって、ダンテは「無」だった。大きな空虚だった。


予想どおり、ダンテの家は空だった。誰もいない。埃が積もり、長い間誰も来ていない様子だった。ダンテに電話したが、つながらなかった。ロッコと家に戻った。部下たちにはダンテを探すよう命じていたが、見つからなかった。彼の居場所について、ほんのわずかな手がかりさえなかった。


ロザリアのことを考えるだけで、気が狂いそうだった。ダンテは彼女を傷つける。私の妻を壊す。


今日、初めて家に帰ってきて、ジョヴァンニがいなかった。息子が生まれてから今日まで、私が帰ればいつも家にいた。毎晩、最初に抱きしめるのは息子だった。それが、いない。心臓を盗まれたようだった。もう家にいられなかった。外に出て探しに行こうとした、その時、電話が鳴った。


「ルカ、ジョヴァンニは無事よ」

電話に出ると、ロザリアの声がした。


電話をかけてきたのはダンテだった。ビデオ通話だった。出ると、ロザリアがすぐに話し始めた。ダンテはただ、ジョヴァンニを見せるために電話してきたのだ。画面越しに、ロザリアと息子が見えた。ダンテは姿を隠していた。私は彼と話したかった。家族を返してもらうためなら、土下座する覚悟もあった。


ロザリアはジョヴァンニを抱いていた。全身黒をまとい、喪に服しているようだった。ダンテは、私のロザリアに触れたのだ。彼女は無残だった。まるで嵐が通り過ぎた家のように。屋根は吹き飛ばされ、冷たい風が吹き込み、雨が降り注いでいた。私の家の上を、「ダンテ」という名の嵐が通り過ぎたのだ。


ロザリアは言葉を失い、ただ私を見て泣いていた。息子は私が目の前にいると思い、小さな腕をこちらへ伸ばした。私が帰宅すると、いつもそうしていた。私を見ると、腕を伸ばし、小さな体で必死にこちらへ来ようとしていた。


「大丈夫か、愛しい人……」

ルカはロザリアに問いかけた。


大丈夫なはずがない。それでも、彼女の口から「大丈夫」と聞きたかった。だが、彼女は何も言えなかった。喉が詰まっていた。そんな彼女を見た瞬間、私の世界は崩れ落ちた。その時、私はダンテを殺したいと思った。


「ダンテ、どこにいる!カメラの前に出ろ!隠れるな!」

ルカは電話に向かって叫んだ。


ダンテが画面に出てきた。だが、何も言わなかった。


「ダンテ、俺の家族はどこだ!」

ルカは憎しみを込めて、ダンテをにらみつけた。


怒りに限界はなかった。叫び続け、ロザリアと息子の居場所を問い詰めた。無駄だとわかっていても。ダンテは黙ったまま、ただ私を見ていた。


「ダンテ、お願いだ、家族を返してくれ!ロザリアはどこだ!ジョヴァンニはどこだ!頼む、返してくれ……。欲しいものは何でもやる!持っているものすべてを渡す!だから家族を返してくれ!」

ルカは必死に懇願した。


怒鳴っても何も得られない。そう悟り、私は必死に自分を抑え、懇願する道を選んだ。


「もう、お前が俺に与えられるものは何もない、ルカ。お前のすべては、もう俺の手の中にある」


ダンテはそう言い残し、電話を切った。



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