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愛の残響  作者: あぜるん
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5. ロザリア:私の家

見知らぬ男と、見知らぬ家へ向かっていた。けれど、それは私の選択ではなかった。ルカが薬を買いに薬局へ行ったとき、逃げようとした。でも、すべてのドアに鍵がかかっていた。彼は私に危害を加えようとはしていなかった。けれど、それだけでは十分ではなかった。私はどうしても彼と一緒に行きたくなかった。ほんの少し前、彼は私の目の前で二人の人間を殺したのだ。助けるためにやったことだとはわかっている。でも私にとって、ルカも彼らと同じくらい危険な存在だった。

しばらくして、街の道を外れ、郊外へと続く幹線道路に入った。怖くなってきた。私は周りを見回した。


「俺の家は郊外だ。フラスカーティにある。だから幹線に出たんだ。怖がることはない」— ルカは、私が不安そうにあたりを見回しているのに気づいた。

「どのくらい滞在しなきゃいけないの?」— 私はおそるおそるルカを見た。

「わからない。俺を追っている連中に、君がただの子守りだと信じさせるまでだ」— ルカは車をさらにスピードアップさせた。


腕に塗り薬を塗ってもらい、痛み止めも飲んだのに、腕の痛みがまたぶり返してきた。今日の出来事のせいで、痛み止めさえ効かなくなっていた。ルカは私が痛む腕を片手で押さえているのを見て、急いで家に着こうと車の速度を上げた。

まもなくルカの家に着いた。家はフラスカーティの幹線道路沿いの葡萄畑の中にあった。幹線を外れると、小さな道が現れた。その道はとても美しかった。両側が松の木で囲まれていて、まるで家へ導く道のようだった。道は次第に上り坂になり、家は丘の頂上にあった。長方形の形をした伝統的なイタリア風のヴィラだった。前庭は質素で広く、家の周囲はぶどう畑に囲まれていた。周りの丘にも家はあったが、この家からはずいぶん離れていた。ルカは車を庭に停めた。


「携帯を俺に渡してくれ」— ルカは車から降りなかった。

「なぜ?私を監禁するつもりなの?」— 私は怯えながら聞いた。

「まさか!」— ルカは今日初めて微笑んだ。「携帯は簡単に盗聴される。危険だから一時的に預かるだけだ」— ルカは穏やかに説明した。

「わかりました」— 私はバッグから携帯を取り出し、ルカに差し出した。

「名前は?」— ルカは自分が彼女の名前を知らないことを今になって思い出した。

「ロザリア・カサルです」— 私は疲れた声で名を名乗った。

「俺はルカ、ルカ・バルディーニ。こんな形で出会いたくなかったな」— ルカは私の境遇を気の毒に思った。


まだ車から降りていなかった。家の前で車の中に座っていた。

「家族や親しい人たちの番号を書いて。いつでも俺の携帯から電話していい」— ルカは自分の携帯を私に差し出した。


考えずに携帯を受け取った。しばらく画面を見つめたが、登録する相手の顔が一人も思い浮かばなかった。私のことを心配してくれる人は、誰一人いなかった。携帯を手にして初めて、自分がどれほど孤独なのかを実感した。


「いないの」— 私は携帯を返した。

「なぜ登録しなかった?」— ルカは私が怖がっているのだと思った。

「電話をかける相手がいないの。家族も、友達もいない」— 私は小さな声で答えた。


ルカは悲しそうに私を見つめた。

それから車を降りた。家に入る前、玄関の前で私は立ち止まった。

そよ風が吹いた。夕方の風が、まるで耳元で何かをささやいたように感じた。

「この家に一歩足を踏み入れたその瞬間から、あなたは死ぬまで二度とこの家を離れられない。この家で深く愛され、また深く愛するだろう。この家で愛する人と共に、美しく健康な子どもたちを育てることになる。けれど、もう二度と幸せにはなれない」— ロザリアは、頬をかすめて過ぎていく風のあとを見つめた。


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