45. ダンテ:ロザリアが目を覚ました!
ロザリアをなんとか病院まで運ぶことができた。すぐに手術室へ運ばれ、ルカと私は廊下で待っていた。ロザリアの血が、私の手の上で乾いていた。それを見るたびに、正気を失いそうだった。でも、ほんの数分でさえ手を洗いに行くことができなかった。理由はルカだった。
ルカは廊下の椅子に座り、何も話さず、虚空を見つめていた。怒っているわけでも、取り乱しているわけでもなかった。何もかもどうでもいいという様子で、ただ深く悲しんでいた。ただ一つ、ロザリアが生きていてほしい、それだけを願っていた。だから私は手を洗いに行けなかった。ルカを一人にしたくなかったのだ。
もし手術室から医者が出てきて、ロザリアの死を告げたら、ルカは自分を撃つだろう。そうなったら、私はそばにいなければならなかった。ロザリアが死ぬなら、私はルカのそばにいなければならない。なんて不思議なことだろう。数週間前には、私は自分の手でルカを殺そうとしていたのに、今は彼のことが心配でたまらない。あの時、彼を殺そうと思った自分を、心から後悔している。
ロザリアを必死に病院へ運んでいる間、私たちの目には誰も入っていなかった。マッテオはエリオと一緒に家に残り、ロッコは自分の車で私たちを追ってきていた。ロッコが来たのを見て、やっと手の血を洗いに行けると思った。
「ロッコ、もし医者がロザリアは死んだって言ったら、俺を撃て」
――ルカは相変わらず虚空を見つめていた。
「やめてください、ボス!そんなことできません!……それに、ロザリアは生きます!」
――ロッコは必死にルカを落ち着かせようとした。
「ロッコ、お前が俺を撃たないなら、誓って言う。俺がお前を撃つ」
――ルカは怒りのない、しかし真剣な表情でロッコを見た。
ロッコが来てくれて安心したはずだった。でも、それは無駄だった。ロザリアが死んだら、ルカはロッコに自分を撃たせるつもりだった。そして、それは本気だった。
数時間後、手術は終わり、医師たちはロザリアと赤ちゃんが生きていると告げた。その瞬間、ルカの目に光が戻った。まるで、再び呼吸を始めたかのようだった。ロザリアも、赤ちゃんも、生きていた。
ロザリアは一週間、目を覚まさないまま眠り続けた。その間、ルカは一度も彼女のそばを離れなかった。誰にも任せられず、誰も信じられなかったのだ。ロザリアが目を覚ました時も、ルカは彼女のそばにいた。
その時、私はソファに座っていた。ルカはロザリアのベッドの横で、頭を彼女のそばに寄せたまま眠っていた。
「起きて、愛しい人」
――ロザリアは手でルカの頭をそっと撫でた。
「本当に…起きてるのか?それとも夢を見ているのか?」
――ルカは顔を上げ、ロザリアを見つめた。
「赤ちゃんは…生きてる?」
――ロザリアはルカの手を握った。
「赤ちゃんは無事だ…」
――そう告げた瞬間、ルカの目に涙が溢れた。
赤ちゃんは本当に無事だった。だが、医師たちはロザリアの容体が深刻だと言っていた。弾丸は子宮のすぐ近くを通過していた。この状態では、ロザリアは赤ちゃんをお腹の中で育て続けることができなかった。中絶をしなければならなかった。その事実を、ロザリアに伝える役目はルカだった。
「愛しい人…赤ちゃんを諦めなければならない」
――ルカは涙をこらえきれなかった。
「どうして!?赤ちゃんは元気だって言ったじゃない!」
――ロザリアはルカの手を放した。
「赤ちゃんは元気だ。でも、弾は子宮のすぐ近くを通っている。このまま続けたら、君も赤ちゃんも生きられる可能性は、ほんのわずかしかない」
――ルカは言葉を絞り出すように話した。
「嫌よ!絶対に嫌!出て行って!ここから出て!」
――ロザリアは叫び始めた。
「赤ちゃんを諦めなければならない」という言葉を聞いた瞬間、ロザリアは正気を失いそうになった。何よりも辛かったのは、その言葉をルカの口から聞いたことだった。ルカは、ロザリアがどれほどこの子を望んでいたかを知っていた。それでも「諦めなければならない」と伝えなければならなかったことが、ロザリアを狂わせた。
もちろん、ルカも深く傷ついていた。それでも彼は、何よりもロザリアが生きて、そばにいてくれることを望んでいた。ロザリアは泣き続け、息もできなくなりそうだった。ルカは、どうしようもない無力感に襲われていた。
医師が来て、まずロザリアに鎮静剤を打った。しかし、その痛みと悲しみはあまりにも深く、鎮静剤でさえ彼女を眠らせることはできなかった。医師は状況をルカに説明し、改めてロザリア本人にも伝えた。
赤ちゃんは生きていて、状態も良い。しかし、ロザリアの容体は極めて危険だった。赤ちゃんが子宮の中で成長し続ける一瞬一瞬が、ロザリアと赤ちゃん、双方にとって命の危険を伴っていた。それも、非常に高い確率で。
もし中絶しなければ、ロザリアも赤ちゃんも生き残れる可能性はほとんどなかった。それでも――ほんのわずかでも可能性があるのなら、ロザリアはその道を選ぼうとしていた。




