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愛の残響  作者: あぜるん
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40. ダンテ:ルかとロザリアの結婚式。

ルカの家の前でロザリアを初めて見た瞬間、俺は彼女を永遠に失ったのだと悟った。

それでも心のどこかに、ほんの小さな希望が残っていた。もしかしたら俺を思い出してくれるかもしれない、また俺のもとに戻ってきてくれるかもしれない――そんな淡い期待が。

だが今日、その希望は完全に消える。今日はルカとロザリアの結婚式の日だ。


ルカは式の準備を整えていた。黒のスーツに白いシャツを身にまとい、証人にはロッコを選んだ。マッテオはロザリアの証人になる予定だった。

ルカには二つの選択肢があった。俺か、ロッコか。俺を選ばなかったのは正解だったと思う。彼はきっと、何かを感じ取っていたのだろう。

かわいそうなロザリアには選択肢がなかった。彼女の証人になれるのは、マッテオしか残っていなかった。


ロッコとマッテオは車の点検をしていて、俺とルカはリビングでロザリアを待っていた。

乳母がここ数日体調を崩していたため、今日は俺がエリオの世話をすることになっていた。ロザリアは誰よりも早くエリオの支度を済ませていた。真っ白なシャツにズボンを着せられたエリオは、小さな天使のようだった。

ロザリアはそれほど待たせずに現れた。


「行きましょう、あなた」

そう言って、ロザリアはリビングに降りてきた。


結婚式のために、彼女は白い長袖の、ジャケットのようなシルエットのタイトなワンピースを選んでいた。丈は膝まであり、胸元は閉じられていて、火傷の痕を隠していた。

ルカが好むからと、彼女は髪をまとめていなかった。身につけている装飾品は、ルカから贈られた指輪だけだった。

ルカはロザリアの手を取り、家を出た。


二人はとても不思議な雰囲気だった。今日は結婚の日なのに、幸せそうには見えなかった。皆きちんとしていたが、どこか悲しげだった。

今日、ロザリアはルカ・バルディーニの妻になる。これから彼女は、毎日死の危険と隣り合わせで生きることになる。

ルカは父の生き方を引き継いでいた。彼の人生は血と死と涙に満ちている。その人生を、これからロザリアも共に歩むのだ。


だからルカは今日、幸せではなかった。だが、それでもやめることはできなかった。ロザリアを自分の妻にしたいという気持ちは、何よりも強かった。

ロザリアも、生まれてくる子どものことが不安だった。自分は無事に出産できるのだろうか。たとえ産めたとしても、その子を安全に育てられるのだろうか。

この結婚は、二人にとって永遠の不幸の始まりになる。それでも二人は、迷いなく署名をするつもりだった。

幸せになることなど、二人にとっては重要ではなかった。ただ一緒にいること、それだけを望んでいた。


式場に到着すると、広いホールには私たちしかいなかった。

ルカとロザリアは結婚の席に座り、ロッコとマッテオも証人席についた。

俺はエリオを腕に抱き、最前列で二人の正面に座った。


その瞬間、ルカの姿を見て目頭が熱くなった。

かつて俺は、彼を殺しかけた。そう思い出してしまった。激しい後悔が胸を締めつけた。

ルカは俺の一番の親友で、俺にとって唯一の存在だった。それなのに、俺は彼を失いかけたのだ。


ホールが空っぽだったのは、ロザリアにはルカ以外に身寄りがなく、式に招く人がいなかったからだ。

そして俺がここにいるのは、ルカにとっても、結婚式に招ける唯一の身内が俺だけだったからだ。

実のところ、俺にも彼ら以外に居場所はなかった。


ルカとロザリアは署名を終えた。

こうしてロザリアは、正式にルカの妻となった。


式の後、祝宴は行われなかった。近いうちに結婚披露宴をする予定だったからだ。

生活は式の前とほとんど変わらなかったが、いくつかだけ変化があった。ロザリアはルカの部屋に移り、ルカの車は爆破され、俺の車も事故で酷い状態になっていた。

ルカは五台目となる紺色のマセラティを購入し、俺にも車を用意してくれた。望んだわけではなかったが。


ルカ・バルディーニの妻となったロザリアには、持つべき物があった。

銃、特注の携帯電話、車。

盗聴や追跡を防ぐため、ルカは電話を特別仕様にしており、同じものをロザリアにも用意していた。拳銃も渡し、常に携帯させるつもりだった。

電話と銃は渡したが、車だけはまだだった。


「これ、君のだよ」

ルカはテーブルの上にカードのようなものを置いた。


ロザリアはまだ運転できなかったが、ルカはすでに彼女の免許を取得させていた。

俺とルカが家に入ると、ロザリアはエリオと一緒にリビングにいた。


「運転免許証……ロザリア・バルディーニ?」

自分の名前を見て、ロザリアは驚いた。


「欲しい車のモデルはある?」とルカが聞いた。

「でも、私、運転できないわ」

「僕が教えるよ。心配しなくていい」


ロザリアは車に興味があったわけではないし、選ぶつもりもなかった。

それでも、モデルを決めるのに迷いはなかった。


「紺色のマセラティがいいわ」


「それは危険だ。誰かが僕を狙ったとき、間違って君の車を襲うかもしれない」

ルカは、なぜ彼女が同じ車を選んだのか理解できなかった。


それでもルカは、ロザリアのために同じ車を用意した。

ロザリアが同じ車を選んだのは、ただ気に入ったからではない。

ルカに迫る危険を、少しでも分かち合うためだった。


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