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愛の残響  作者: あぜるん
37/73

37. ダンテ: 私たち3人のゲーム. 2

ゲームを続けたのはルカだった。

引いたカードを見た瞬間、ルカはふっと笑った。


「“任務を遂行せよ”——」

ルカはカードの文字を読み上げて立ち上がった。


そのままロザリアの方へ歩いていく。ロザリアは手をソファに添え、顔を上げて近づいてくるルカをじっと見つめていた。瞳には、ルカへの憧れのような光が宿っていた。まるでこれから自分の上に、とても甘く心地よい何かが降りてくるのを期待しているみたいだった。


ルカは近づき、右手でロザリアの後頭部にそっと触れて、自分の方へと引き寄せた。

ロザリアはまばたきもせずに彼を見つめていた。どんなことが起きるのか、心から待ち望んでいるような目だった。その瞳には、ルカに対するどうしようもないほどの無防備さがあった。


その瞬間、もしルカが銃を取り出して彼女の頭を撃つようなことがあっても、ロザリアはきっと同じ目で彼を見ていただろう。彼から来るものを全部、受け入れてしまっていた。


ルカはロザリアに口づけた。


そのとき、俺はルカに怒りは感じなかった。ただ、強烈に嫉妬した。

怒らなかったのは、そのキスに欲望も情熱もなかったから。

嫉妬したのは、そのキスが切なさと恋しさで満ちていたからだ。


そして気づいてしまった。

俺はロザリアを、あんなふうに抱きしめるようにキスしたことが一度もなかった。


俺が彼女に抱いていた“恋しさ”は、何年も彼女を失ってきたことへの痛みだ。しかしルカは、ほんの短い間だけロザリアと一緒にいるだけなのに——

まるで何年も彼女を恋しがっていたかのような眼差しで見つめていた。

隣にいるのに、彼女を恋しがっていた。


その瞬間、悟った。

俺はルカの“恋しさ”には勝てない。

戦ったところで、きっと負ける。


「次は私。」

ロザリアは微笑み、テーブルのカードを一枚取った。


彼女にも“任務を遂行せよ”のカードが当たった。


「私が十まで数えるから、その間、瞬きをせずに見つめ合っていて。時間になったら、二人のうち一人に質問するわ。答えていいのは二つの言葉だけ。」

ロザリアがルールを説明した。


ロザリアが数え始めた。

たった十秒。でも、その短い時間で、俺のルカへの怒りは目にしっかり表れてしまった。


時間になるとロザリアは俺たちの間に座り、まずルカの目をのぞいた。

彼の瞳に何があるかをすぐ理解したのだろう。質問はしなかった。どうせ答えが分かっているからだ。


次に、彼女は俺の方を向いた。


「どうしてそんなに怒ってるの?」

ロザリアがダンテに問う。


ロザリアは、俺の目に浮かんでいたものも理解していた。


「思い出せば分かる。」

ダンテはそう答えた。


その瞬間、ロザリアの表情が変わった。

なぜそんな答えをしたのか知りたかったようだが、何も聞かなかった。


カードを引く順番が俺に回ってきた。


「“質問する”——」

ダンテはカードを読んだ。


今度はルカに問う番だった。


「もしロザリアがまた記憶を失って、お前のことを忘れてしまったら……どうする?」

ダンテがルカに問う。


ルカは怯むこともなく、落ち着いた顔で答えた。


「ロザリアを、もう一度俺に恋させるまで……死ぬまで努力する。」

ルカはまっすぐ言い切った。


「“質問する”——」

ルカがカードを引き、こちらを見た。


「俺がどんなことをしたら、お前は俺を殺したくなる?」

ルカがダンテに尋ねた。


思いがけない質問に、俺は一瞬固まった。

まさか気づいたのか?

……いや、気づいていない。

気づいていたら、あんな冷たい目で見られるはずがない。

確かに俺は怒っている。だがルカは残忍な奴じゃない。

もし俺の気持ちを知っていたら、あんな表情はしないはずだ。


「俺の婚約者に恋したらだ。」

ダンテはまっすぐルカの目を見て答えた。


ロザリアは、ルカと俺の間に生まれた緊張を感じ取った。

空気を変えるため、すぐに次のカードを引いた。


「“順番を変える”——」

ロザリアはカードの内容を読み上げた。


カードの中には、順番を変える指示のものもある。


「次はダンテの番。」

ロザリアは順番を俺に戻した。


「“任務を遂行せよ”——」

ダンテはカードを読んだ。


任務はこうだった。

“誰か一人に近づき、その耳元でその人だけに聞こえる言葉をささやけ。”


俺は立ち上がり、ロザリアの方へ歩いていった。

そして彼女を、ルカの家の前で初めて見た瞬間からずっと聞きたかった質問を、そっと耳元にささやいた。


「俺は……エリオのところへ行く。」

ロザリアは声を震わせながらそう言い、家の中へ入っていった。


「ダンテ、彼女に何を言った!?」

ルカは怒りを露わにして詰め寄った。


ルカが俺に怒った。


「もし記憶が戻って、昔心から愛していた人のことを思い出したら……

何事もなかったように、ルカをまた愛し続けられるのか?」

ダンテはロザリアに囁いた言葉を、ルカにも告げた。


「ダンテ、お前……何をしてるんだ!

本当に俺の友達なのか? それとも敵なのか?

どうしてそんなこと聞いた!」

ルカは立ち上がり、ロザリアの後を追っていった。


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