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何故、恋人が欲しくなるのか

作者: レア

とりあえず私は異性愛者なので異性を前提に話すことを断っておこう。


私は人生で一度も恋人が出来たことが無い。


特に仲の良いといえる異性もおらず、だからといって一切交流が無いわけでは無い……いや、ごまかさずに正確に言おう。少なくともプライベートでわざわざ会うような仲は1人も居ない。


友人たちはいれど、同性の集まりに過ぎず、これはこれで十二分に楽しい関係なのでわざわざ異性を挟もうという気になれない。


私生活が充実していないかと言われるとそんなことは無い。十分に充実しているといえるだろう。働きやすい職場、そこそこある給料、普通の休日、多数の趣味、ただ、そこに異性の存在が皆無というだけだ。


もしかすると一度恋人との交流を知れば、それ無しの日常が色あせて感じるのかもしれないが、あいにく経験が一度も無いので現状との比較が出来ない。


パートナーが欲しいか、と聞かれれば欲しい、と返すだろうがそのための努力をしようという気になれない。

もっとも、こう言うと「やろうと思えば出来る」といっているように聞こえるが、逆に「やろうと思っても簡単にはできない」「相当の労力が必要」というネガティブな予測でやる気をなくしているという方が正しい。

簡単にできるのならばやってみよう、と思うくらいには興味があるということだ。何せ人生で一度も経験が無いのだ。


さて、そもそも何故恋人を求めるのか。

とりあえずすぐに思いつくのは不純異性交遊目的だが、こちらに関しては自分はそこまでだと思っている。というのも"そういったお店"に言った際に酷く煩わしく思えてしまい"早く終わって欲しい"という気持ちで埋められてしまったからだ。もちろんそういう店と金銭抜きのパートナーとの行為についてはどうしようもない違いがあるのは察する事は出来るが、少なくとも"行為のみ"で私は相手を必要としていない。


次に思いつくのは寄り深い関係。遊びの関係が必要無いというのならその先の家庭という関係はどうだろうか。

社会に出て一人暮らしを始め、人肌恋しいと思う様になることはあるだろう。冬になると時期だと物理的な寒さも相まって顕著になる。ただこちらも、こういった話題のさいに想像が付くだけで私生活中に人肌恋しい、と特別感じたことは思い起こす限りない。というのも、最近の通信技術は発達していて、一人暮らしであろうといつでも通話会話が出来るようになっている。それこそ実家に居た学生の時よりも今の方がよほど他人と会話を毎日しているだろう。言うなれば常に友人の家にお泊まりしている様なモノだ。

とはいえこれは会話など精神的なモノに関してのみであり、物理的に接触することでの安心や心地よさを感じることは出来ない。

まあ、これは始めの不純異性交遊目的と近しいことがあるが、似て非なるものでもあると思う、イメージとしてはぬいぐるみやペットを抱きしめる感覚だろうか。

こういうと人間である異性をペットかぬいぐるみの代替として扱うのか、と批判の声が聞こえてきそうではあるが、何分独り身しかしらないもので他に例えようが無い。一応、自分は幼少のころぬいぐるみを家族と見なしていたタイプなので聞こえの悪さほど軽く扱っているわけでは無い……と思いたい。


次に思うのは、世間体、若しくは勝手に称号と読んでいるものだ。

そもそも何故、一度も得たこの無い"恋人"というものを空想してまで欲しがるのか、それは恋人を持っている人はリア充(もう死語だろうか)、幸せであるという世間的一般常識があるからだと思われる。

また、私が耳に入るかぎり、一般的には本人に大きな問題が無ければ自然と恋人は出来るらしい。といっても最近は若人の○○離れのように"お一人様"が増えているとも聞くが、それでもそこそこな割合で自然成立しているようだ。ソースは無いが。

つまり、ある程度の年を重ねて恋愛の経験がないものは一般的には常識から脱落している、事実と相違があるとしてもそういった風潮があるのは間違いないだろう。


まあこういったことをつらつらと書き連ねる人間が通常かと言われると耳が痛い話ではある。まあこれに関しては趣味ということで個性として扱っていただきたい所存である。


正直なところこういった書き殴りだとしても文として形にする以上ある程度堅い表現の方が"それっぽい"ので記述しているだけで日常からこういう思考の仕方や脳内出力をしているわけでは無いということを自身の名誉のために言っておこう。

……話が逸れました。


ともかく、一般的に"恋人持ち"と"独り身"では周りの目の見え方が変わってくるのは分かるであろう。基本的には"恋人持ち"の称号を持っている人間は"実情はどうであれ"最低限の人間性を保証されていると勝手に感じてしまう。「あんな人だけどいいところがあるのかも」こういった認識を持ってしまいがちではないだろうか。また、その逆もしかり。「その年でずっと独り身なんて」という言葉はなんとなく想像できるのでは無いだろうか。言い方は悪くなってしまうがこういった立場の獲得というのも恋人を求める理由の一つになるのでは無いだろうか。


個人的には私はココは大きく占める部分だと思っている。特に私のようなその"称号"を一度も獲得したことの無いものにとっては大きなものとなる。例えば"童貞""処女"などと揶揄される事から分かるとおり、"未経験"と"経験済み"には深い溝みたいなモノがある。外見からは特に分からないため普段は不自由をすることは無いが、人付き合いがあれば何かとこれまでの経験について触れることがあるだろう。なぜならば世間的には経験済みがある程度前提であり、"経験の内容"についての話題は経験者にとってはすべらない話であるからだ。


さて、ここまで私は"未経験"なりに考察してきたわけだが、ここで一度「では、恋人ではなく友人に関してならばどうか」と考えてみようと思う。

どうしても"未経験"であれば、"未経験"ゆえの考えになってしまうし、どうしても他人の言葉に頼る形になってしまう。


では交遊、つまりは共通の趣味や遊戯をする関係についてだ。これは基本的には全体に当てはまる関係だろう。というより第一の"友人を作りたい"というきっかけは大半がここであると思われる。


次に関係性、これもあるかもしれない。人間、どうしても孤独に生きると寂しいものがある。私は比較的一人でいる時間も好きなタイプではあるが、他人との交流はそれでしか補えない良さがあるのも確かだ。友人がいるというのは"自身の居場所"として安心感を与えるものでもある。


最後に世間体。ないとは言えないだろう。"ぼっち"という題材の作品がいくつかある通り、世間的にはそれこそ"未経験"よりも立場が悪いようにも思える。恋人と同じく機会や人に恵まれないこともあるかもしれないが、より容易にできるとされているため、偏見の目は"未経験"の比ではないだろう。

かくいう私も、「本当に友人が一人もいない」と言われると少し邪推してしまいそうになるのは否定できない。


さあ、これで三つの要素がそれぞれ同じ人間関係である「友人」「恋人」で出揃った。

結果的にそれぞれを統合すると……よくわかりません。


いかがでしたか?……などと四流ネット記事のようなまとめはあんまりなので、わからないなりに考えてみようと思う。


まず、一つ目。つまりは自分の楽しみに必要な存在として。一人では楽しめないことを必要とする他人としてであればそれぞれ「友人」「恋人」として大差ないように感じる。


二つ目。「友人」「恋人」という居場所として。これに関してはそれぞれ近くはあれど、重みが違うように思える。「友人」はそれぞれ多対多がほとんどであるに対して、「恋人」は一体一である。逆に言えば極端に親しい全幅の信頼を置ける「親友」であればもしかすると近い存在になれるのかもしれないとは思う。ただ、やはり恋愛感情という大きな存在を唯一受け止められる居場所は、やはり代えがたいものではないかと、"未経験"は思う。


三つ目。周りからの目、自分を表す称号として。これも一つ目同様、大差ないように感じる。結局は他人として聞く際の印象が何となく良し悪し付くのみで結局は実際の対面印象次第ではあるだろう。もちろん、その印象を上下方修正するのは間違いないだろうが。


さらにこうしてまとめてみると……やはりなんだかんだ「友人」「恋人」それぞれに対して大差ないように見える。いや、おそらく「友人」というより「親友」と「恋人」とするとより近い対比になるのかもしれない。


これまでの人生で「親友」といえる存在に出会えたことはあるだろうか。今現在そう思えていなくても"かつて"の関係でもいい。いうなれば「元カレカノ」ではなく「元親友」だろうか。そこまで数がない、もしくはまだいない人だってざらかもしれない。「恋人」に関してもそんなものではないだろうか。そう考えると「恋人」に対する解像度も変わってくるのではないだろうか。


「親友」も「恋人」もできるものもいれば一生できないものもいる。明確な違いといえば「恋人」はお互い関係を宣言することが多いが「親友」は言葉にすることがあまりないことだろうか。どこまでが「親友」かというハードルも「恋人」を作るハードルとイコールだと思えば「経験者」「未経験者」のお互いの心情も推し量りやすいのかもしれない。


結局のところ私がたどり着いた答えは何か。


えっちな親友が欲しいということだ

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