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第65話 CALLING

「はい、説明」


「えっと、何かな? 急に電話してきて説明しろだなんて。……はっ、まさかお腹の中の子のこと!? やめなさい。この世には知らないことの方が多いんだよ!?」


「なに訳の分からないこと言い始めてんだよ! なにがお腹の子だ、僕は男だよ!」


「いや、君は今、女の子だろ」


「…………いや、だとしてもだよ!? なんで妊娠してるみたいになってるの!? めんどくさいフィクションぶちこむな!」


「ちぇ、馬鹿でとんまな蓮君なら信じると思ったのに」


「聞こえてるぞー」


「うん、まぁいいや。ザウス軍撃退、おめでとう。色々心配したんだよ、倒れたって。で? どうしたの? いきなり説明をしろって言われても分からないよ」


「お前、都合が悪くなるとすぐ逃げるよね。本当にどうにかした方がいいと思うよ、人として」


「残念でしたー、人じゃないですー、死神ですー」


「すっごいイラっと来るんだけど。そんなことより説明だよ。え? てか神を名乗ってるくせに、そんなことも分からないの? まじ神(笑)なんだけど? それとも無能神ってことかな?」


「うわー、煽ってくるね。てかそういうこと言う? はいはい、いいですよ、分かりましたよー。えっと、君の寿命があと255日と2時間47分52秒のことでいいよね?」


「関羽とか張良とか蘭陵王とか出てくることだよ!」


「あ、そっちか。いや、まさかそれが真実なんて。ミスリードの叙述トリックのミスディレクションでの倒叙トリックによる密室トリックと心理トリックを使った時限遠隔操作誤認殺人装置とは。これは名探偵モルスもやられたね」


「また訳の分からないことを言って煙に巻こうとしてる?」


「そんなことはないよ。いつでも誠実にほがらかに清らかに! それが死神モルスのモットーさ!」


「じゃあちゃんと説明してくれるよね? なんで歴史上の英雄が出てきてんのか?」


「………………ボクわかんない」


「誠実とほがらかと清らかはどこいった!」


「だってー、ほんとわかんないしー。てかうちの妹がやったことなんでー、ボク、ホント関与してないんでー。そこんとこりょですー?」


「イラっとする喋り方すんな! てか出たよ、非実在性脳内変換妹」


「いや、だからいるんだって、本当に! おーい、妹よー。どこにいるんだい、来て、お前の実在性をこの男に教えてやってくれ。ん、出かけてるのかな?」


「はいはい、演技お疲れ様」


「いや、本当にいるんだって! もしかしたらそっちの世界に行ってるのかも。もし会ったらよろしく言っておいて」


「顔も名前も知らない相手にどうしろと!?」


「名前はデス子。顔はボクに似てとても可愛くて美しくて、清楚な見た目をしてるよ」


「お前に似てるとか可哀そうすぎるだろ。てかネーミングセンス!」


「あー、でもちょっと性格は違うかなー。乱世を加速させるために過去の英雄を送り込んで潰し合いを加速させて、それをじっくり観察しながらにまにま笑う、とっても可愛い子だよ」


「最悪じゃねーか! てかそれか! 真実は! やりたい放題じゃねーか! くそ、マジで関羽? マジで蘭陵王? マジで張良? そんな軍、10倍以上の兵力と国力がなけりゃ相手にできないって」


「そう妹を責めないでやっておくれ。あの子はボクのためを思ってやってくれたんだ。『クソ兄貴、いつまでもちんたらやってたら面白くねーから。アタシがやってやんよ。はっ、てかどんだけ愚図でのろまでとんまなわけ? 超ウケル。一度亡くなれば? 死神なんだからそんくらいできるっしょ?』って。本当に兄想いのいい子だよ」


「ガラ悪っ! 性格も悪っ! お前それでよくいい子って言えるな!?」


「そりゃそうさ。なんてったって、ボクは神だからね」


「…………とりあえず思ったこと言っていいかな?」


「もちろん」


「お前、こんど一発殴らせろ」


「え、それってもしかしてイリスとしての、美少女としての打擲ちょうちゃくってことかな!? それはもはやご褒美! 是非、お願いします!」


「この変態野郎!」

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