オークション
●1章7話 オークション
秘書タリア:
息抜きでオークションに行きませんか?
今は余分な予算はないので買えませんが。
オレ(エド):
お、いいな。ぜひ。
秘書タリア:
では、明日朝9時から始まるので、8時に、
このメモ見て準備してきてください。
。。。
オレ(エド):
明日はオークション行くから、武器は預けていいものにしてくれ。
冒険者シリル:
はい。護衛は全員でいいんですよね。
オレ(エド):
うん。防具とかもいつも通りでいいぞ。
オレ(エド):
今日はいつもの服じゃないんだな。オークション行くからか?
秘書タリア:
いえ、あの制服は売るために出したので。
オレ(エド):
制服売ってもいいのか?
秘書タリア:
私が売ったんじゃないです。制服は国のものですから、国が財政の足しに売るんです。
それに、制服は今日で変更になりましたし。
オークションで買えますよ。欲しいんですか? 私のは高いですよー。
オレ(エド):
あ、いや。買わないよ。(欲しいけど)
そういえば、オレの報酬ってどうなってるんだ?
秘書タリア:
金銭感覚わかっていただいてから報酬決めると王女様がおっしゃってました。
今日はそれも兼ねてます。
オレ(エド):
金銭感覚持ってても狂ってしまいそうな価格が飛び交ってるような気がするんだが、
シリルたちもそう思うだろ?
護衛:
ここまでは、わりと常識的な価格ではないでしょうか。
特に高価なものは午後からですから。
それに、冒険者は高価な武器や防具を買ったり、貴重な宝物やドロップ売ったりしてますからね。
オークション司会:
さあ、本日の目玉その1だ。
第一王女様の筆頭秘書で大賢者様見習いの秘書も務めてるタリア様の制服セット、タリア様のサイン付きだ。
サインの場所は受け渡し時に選べます。
制服が変更になると売りに出された。最低価格100万G。どうぞ。
オレ(エド):
(げ、目玉なんだ)
仲買人A:
110
貴族B:
170
仲買人A:
180
貴族C:
300
。。。
オークション司会:
さあ、本日の目玉その2。
第五王女様のドレス。成長されて合わなくなったものだが、
最初に作ったドレスという事で陛下が手放したくないと涙したとのうわさの品だ。
サインは付いていないが、第五王女様がお書きになったお姉さまの絵がついている。
最低価格1500万G。どうぞ。
仲買人D:
1520
貴族E:
1550
仲買人D:
1600
貴族F:
2000
。。。
オークション司会:
さあ、本日の目玉その3。
第一王女様のドレス。サインと感状付き。
サインの場所は受け渡し時に選べます。
大好きなドレスですが、新らしい冒険者学校の設立のために手放すなら本望だとの事。
感状には、新冒険者学校設立への協力に感謝いたします、と記入されている。
最低価格3000万G。どうぞ。
仲買人G:
4000
商人H:
4200
商人I:
5000
。。。
オークション司会:
さあ、本日の目玉その5。
勇者様が最初に使用した防具1セット。サインと感付き。
まだレベルが低いころのものなので、成人男性なら誰でも装備できるような軽いものだ。
しかしながら、勇者を守るために第一王女様が自ら選んだものなので、そのクラスでは最高級品だ。
感状には、勇者様をお守りする新装備調達への協力に感謝いたします第一王女、と記入されてる。
最低価格7000万G。どうぞ。
。。。
。。。オークションから帰って、軍師の執務室
オレ(エド):
目玉って、強い武器や防具じゃなかったのね。
秘書タリア:
そういうものの出品はまれですね。
命かかってるから、使ってる人は普通売らないし。
買う側もオークションまで金持って待ってるわけにいかないしで。
武器屋や防具屋でオーダーメードするんですよ。
伝説の武器や防具は国の宝物庫とかに眠ってるし。
でも、次のオークションでは国の宝物庫から出品するかもですね。
オレ(エド):
え、どうして?
秘書タリア:
今日の売り上げだと、どこかの軍師様のやる事には足らないからですね。
今年の予算の予備って残り多くないですから。
オレ(エド):
金策考えないとな。
秘書タリア:
そうですね。でも、宝物や私の服を売ってでも先にやることやらないと。
オレ(エド):
タリアの服は宝物とタメはってるのね。
秘書タリア:
国のためなら、下着だって処女だって売りますよ!
オレ(エド):
う、ガチ愛国者って怖い。
秘書タリア:
(赤くなってる)