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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
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008 対緑閻竜

 


『ほう、あの時の黒竜にいつぞやの赤竜ではないか。また邪魔をしようというのか?』

『姿が変わってもオツムはそのままのようだな!緑』

『邪魔をしているのはそっち』

『ハッ!!笑わせてくれる。貴様等のように下等な人間なんぞに味方する竜族の恥さらしが!!』

『それは俺達の台詞だ!!』


 人間を下等生物として毛嫌いする竜は少なからず居るが、その殆どが神の使いだった頃の名残が残っているからだとされる。そんな緑閻竜もその一人である。


『赤、来る』

『わぁってる!』


 最初に攻撃を仕掛けた緑閻竜、暴風を吹きさらす風魔法[ストームウェーブ]を二人目掛けて行使した。

 その魔法を打ち消すように、エリュは炎の渦の魔法[プロミデンス]を、ノワは漆黒の炎の黒魔法[ヘルフレイム]を放つと、ぶつかり合って辺りに拡散して行く。

 更に続けてブレス攻撃を行った二人に対し、緑閻竜もブレスで応戦して見せ、二人の攻撃を弾き返して見せた。


『その程度か!あの時ワシに勝ったのはマグレだったようだな』

『クッソ!わりぃ、もう限界が来てるぜ…』

『それなら下がって。主の元へ』


 ノワから念話が入り、エリュの限界を知らされる。

 無理もない、さっきまで何十もの模造竜と対峙していたのだから。


(分かったわ。今ジルを喚ぶわね)

(お願い)


 エリュが戻ってきたと同時に、ジルを召喚してノワへ加戦するようお願いする。

 その間、ノワは次々と襲い掛かるブレスと風魔法で圧されており、一発のブレスが直撃すると思われたが、ジルのブレスによってかき消されて事なきを得た。


『遅い』

『ごめん、その分働くから。…暫くね、緑』

『やはり貴様はあの時の、銀竜!!会いたかった、会いたかったぞ!!このワシに屈辱を与えた貴様等を!今度は貴様等が受けるが良い!!』

『それは御免だわ。ね、黒』

『同感』

『ほざけ!!』


 怒りに身を任せて風魔法の猛攻撃を開始した緑閻竜だったが、華麗に避けるジルに当たる事はなく、隙をついたノワのブレスが胴体を焦がし、怯んだ所にジルから光魔法の光線[メガレイ]が撃たれ風穴が空けられた。


『ギャアアアアッ!!お、おのれ…銀竜!』

『トドメよ、緑』


 息も絶え絶えな緑閻竜は、二人によるブレス攻撃を浴びせられて消失した。

 最後に気になる言葉を残して。


『あの…方…は…見て………い…るぞ』


 あの方とは誰なのか、三人に聞いても分からないと。

 世迷い言ではないかと言うエリュだが、緑閻竜も召喚された召喚獣であると考えるならその主の事をさしているのだろう。

 ソレは私達が追い求める存在なのかも知れない。



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