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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
23/53

022 対鋼竜

 


 あの二体を相手に出来るのかとエリュに問うと「余裕」だと返し、空へと舞い上がる。

 まず狙ったのは鉛竜、ブレスを一撃浴びせてもう一発と溜めに入った瞬間、鋼竜のブレスによって阻止され回避を余儀無くされる。

 鋼竜のブレスを避けている間、エリュのブレスを受けた鉛竜は光りを放ってみるみる再生されていく。そう、これが鉛竜の厄介なスキルであり、スキルの再生速度を上回る攻撃を繰り出さなければ此方が先に消耗してしまう。

 エリュはそれを理解して先に鉛竜を落とそうとしているが、もう一体に邪魔をされて上手く行かないようである。


『邪魔くせぇな!鋼!!』

『一体で儂等に挑むとは蛮勇だな、赤いの』

『テメェ等なんざ俺一人で十分だ』

『なら見せてみろ、お主の本気を。そんなモノじゃないだろう』

『言われなくても!!』


 二方向からエリュ目掛けて放たれたブレス、鉛竜のブレスは甘んじて受けて鋼竜のブレスはブレスで返した。

 ブレス同士がぶつかり合った事で爆発が生じ、エリュは目眩ましとして使用して隙を付いて鉛竜へ最上級の炎魔法[ボルケニアス]を浴びせた。

 一撃、再生も許さない威力の一撃で、鉛竜を倒したエリュは、鋼竜へと向かっていった。


 一方、私の方はと言うと。


「簡単にはやらせてくれないのね」

「ふん。盾役としては優秀な二人がいるからな」


 短銃を抜いて実弾を撃ち込んでいるものの、魔術士二人によって阻まれていた。


「その防壁厄介だわ」

「今度は此方から行かせてもらおう、行け」


 魔術士二人が水魔法と風魔法を放って、避けきれないと判断した私は転移魔法で三人の後ろへと転移して男の後頭部へ一発の弾を。

 鳴り響く銃声に魔術士達は振り返るも、もう一度トリガーを引いて二発目の実弾が一人を貫通し、残った一人へ銃口を向けた瞬間。


「アゲート」


 転移魔法を唱える女性の声が聞こえた。

 唱えたのは残った魔術士であった。

 その女性は私の後方へ転移してきた。

 やられる、そう思って腰の片手剣に手を掛けて応戦を試みようとした、その時だった。


「君のお陰で計画が台無しだよ。まぁ、このエロ男達を倒してくれた事はお礼言うよ」


 振り向くと、そこにはブロンド色の髪が似合う綺麗な女性が私を見て微笑んでいた。

 

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