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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
21/53

020 戦友

 


 ハラヤギ街へ戻った私達は、一晩明かして朝方にギルドへ向かった。

 まずはお宝と依頼された虹玉を渡して査定をお願いし、黄金郷なる組織の報告と情報の為に長々と居座ってしまった。


「随分かかったな」

「エリュには暇だったかしら?」

「人間の揉め事には興味ねぇーからな。それより早く次行こうぜ」

「そうね。次の街まで歩くと結構あるわよ」

「しゃーねぇ、乗せてってやるよ」

「フフ、有難うエリュ」






 一方、隣国の一つの街では、左腕を失った隻腕の紫髪の男と、日傘を差した女性が模造竜と対峙していた。

 男は水魔法で模造竜を押し流し、女性は追撃の氷魔法をぶつけて凍りつかせ、更なる風魔法で模造竜は粉々に砕かれた。

 残るは三体、男は面倒だと言い竜の姿になると、飛翔して一体をブレスで沈めてもう一体に近接戦を仕掛け、鋭い爪で腹部を切り裂いて片付ける。

 残るは一体と振り向いた男だが、既に女性の闇魔法によって消されていた。


『流石バシリッサ!これでこの街も安泰だな』

「ふん、当然の事。この程度の竜で苦戦している人間共に問題がある」

『そう言ってやるなよ。数で攻められたら俺だって敗けるかも知んないし』

「それは貴様が軟弱なだけだ」

『相変わらず手厳しいねぇ、吸血鬼さんは』


 紫色の竜[竜胆竜]は口を滑らせ、相方が[吸血鬼バシリッサ]であると公にしてしまった。

 幸いにも住民が近くに居なかったが家の中に籠っていたら聞かれたかもしれない。


「バカが!大声で言うもんではない!!怖がらせるだろ」

『ごめんよ、つい』

「ベナフよ、次言ったら貴様の血を貰うからな」

『気を付けます!』

「ともあれ早く行くぞ。あの娘はこの国に居ないのであれば隣を目指す」

『そうだな、早いとこ合流しなきゃな。早く会いたいねぇ』

「我にあの娘の思い入れはないがな」

『冷たいこと言わないの』


 竜胆竜のベナフは、かつての戦友を探して各地を巡り、その過程で吸血鬼バシリッサはほぼ無理矢理着いてきた形となる。






[竜胆竜]

 ヴァイオレットドラゴンとも呼ばれ、人化して旅を好む竜種。

 全長4メーターに紫色の鱗をもつ上級種であり、この種は優しい事で有名。


[吸血鬼バシリッサ]

 強大な魔力と多種多様な魔法により、竜種に引けを取らない強さを誇る吸血鬼の長。

 日焼けに敏感で、常に日傘をさしている白髪の美人。



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