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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
20/53

019 対機械竜

 


 一対四で更に疲労感が出ているエリュには少し厳しいかもしれない。

 だけど私には対抗策がある。

 腰に手を回して短銃[アルバトロス]をホルダーから抜き、黒ずくめ達に向けた。


「な、なんて物を持っている!?」


 何って?実弾の入った銃だけど何か?と心の中で返しトリガーを引き、一人の頭を撃ち抜いた。

 すると、一体の鍍金竜の姿が消えていく。そう、例外はあるが普通の召喚獣は召喚士の命が落ちた時、契約が無効となって元の住み家へ強制送還されるのだ。


「やめてくれ!もう手を出したりしない!」「誓う!約束するから頼む!」

「もう遅いわ」


 慌てふためく残りの三人にもまた…やはり人を殺めるのは良いものではない。

 これで三体の鍍金竜は消えたが、機械竜だけが残った。

 私の知っている機械竜同様、契約で喚ばれたのではないようだ。

 竜種が力を貸してくれる時、竜珠と呼ばれる玉をくれる。それを使うとくれた竜をその場に呼び出せる。

 機械竜も竜珠を模して玉から呼び出す使用になっているので契約(アーティファクトサモン)とは異なるのだ。


『えげつねぇな。だが助かったぜ』

「私もやるときはやるわ」


 残った機械竜は口から擬似ブレスを吐き出し、エリュは擬似ブレスを回避してブレスで返した。

 機械竜は避ける事なくエリュのブレスを真っ向から受けたが、金属の装甲はモノともしていない。


『やろう、俺のブレスが効かねぇのか!?』

『機体損傷率2%。各部異常無し。作戦を継続する』

『話せるのか!!』

『不必要な会話と認定。直ちに対象を撃破を実行する』

『は!カラクリ如きが調子に乗るな!』


 互いに距離を取りながらブレスを放つエリュと機械竜は互角に見える。

 だが私がそう感じただけで実際は違った。

 二度の擬似ブレスを直撃させてエリュを追い詰めて行く機械竜は接近戦を挑み、脚のヒートクローを展開して飛び掛かっていく。


『ようやくお出ましか!』


 エリュは近付いてくるのを待っていた。

 機械竜の脚撃を牙で受け止め、動きを封じられた機械竜の胴体目掛けて爪撃を喰らわし硬い装甲を貫いて見せた。

 口から煙を上げ、血を流しながら0距離で最上級炎魔法の一つ[ボルケニアス]を浴びせてドロドロに溶けた鉄屑へと変えた。

 対魔法装甲でもアレは流石に受けきれなかったようだ。


「お疲れ様、エリュ。口の中は大丈夫?」

『あぁ、何とかな。ほっとけば治るだろ』

「食事の時染みるわよ」

『そりゃあ、困るがアーシェは回復魔法使えなぇーんだろ?』

「ええ。だからコレ飲んでね」

『ゲッ!それ不味いから嫌いなんだよな』

「美味しくご飯を食べる為よ」


 そう言ってアイテムボックスから取り出した傷消し薬を渡した。






[短銃]

 現在では滅多にお目にかかる事が無くなった短銃もまた古代の遺物である。

 実弾を作る技術は今の技術者にも可能だが、本体を作れる者は一人いるかいないか、それもコピー品を。

 アーシェの持つアルバトロスは薬莢を自動排出してくれるブローバック式となっており、長い砲身から打ち出される弾丸の貫通力は他の短銃より圧倒的に高く、故に反動も大きかったが、アーシェが知り合いにお願いして低反動の魔法陣を刻む事で扱いやすくなった。

 銃全般は実弾の他に自分の魔力を込めて魔力弾として打ち出す事も出来る。ただし、弾の入った状態では不可。




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