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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
13/53

013 レントン地下迷宮2

 


 ボス部屋の階段を下って二層目に降りた私達。

 上の階程ではないしろ、此処も狭い通路となっていた。


「なんか動いてるわ」

「ありゃあ 甲化蟲(こうかちゅう) の一種だろ。多分ハイダテだな」


 ハイダテ、私より大きく金属のような外皮に覆われた幼虫であり、防御力だけでいうなら竜に匹敵し、特に魔法耐性の高さは尋常ではない。


「どう捌くつもりかしら?」

「竜になれりゃあ切り裂くのによ。なんか良い奴連れてねーのか?」

「仕方ないわね。今喚ぶわ」


 召喚契約をしている中で唯一の人型、しかも最強に名高い剣士を喚び出してみると。


「赤い人、貴女は確かエリュと呼ばれてた竜種ですね?あんなのも片付けられないんですか?」

「なんだと!?随分挑発的じゃねーか」

「止めなさいジャンヌ」

「まぁ、あの時の借りを返すと思って応えましょう」

「「あの時?」」

「なんでもないです」

「そう。話は戻るけどお願い出来るかしら?」

「御意!」


 黒き鎧を身に纏い、聖剣と魔剣の二振りで戦う彼女[煉獄騎士ジャンヌ]もまた、仲間の忘れ形見である。彼女は前の主にこれでもかって程なついて信頼を寄せていた。


「アイツやるなぁ。流石、あの戦を最後まで生き残っただけの事はあるな」

「えぇ。そのせいで助けられなかったと嘆いていたわ」

「あー、奴のお陰で今があるからな。全く、無慈悲なもんだぜ」


 召喚獣は死が迫っても、粒子となって消えて時間が経てば蘇って喚び出す事が出来るので、あの時は主人の最後を見てしまった彼女は深く悲しんだ。

 今では立ち直りつつあり、その証拠にハイデタを真っ二つにして行っている。

 途中で出てきたハイダテが成虫へと羽化した魔蟲である[オオカッチュウ]も手こずる事などせず、右手の聖剣で貫いていた。


「終わりましたマスター」

「お疲れ様、ボス部屋も一緒に来てくれるかしら?」

「御意」


 三人で入ったボス部屋で待ち構えていたのは[ロイヤルプレート]と呼ばれるオオカッチュウが更に進化した魔蟲だ。






[ハイダテ]

 人ほどの大きさがある甲化蟲の一種で、全身鎧に身を包んだ幼虫。

 防御力に秀でており、魔法耐性が半端じゃない。

 ドロップ品は防具に使える魔鉄。



[オオカッチュウ]

 ハイダテの羽化した成体で飛行を可能とし、巨大なツノが特徴の魔蟲。

 黒光りする甲殻はあらゆる攻撃を跳ね返すが、腹部は比較的柔らかい。

 ドロップ品は加工されて剣士に重宝されるツノ。



[煉獄騎士ジャンヌ]

 アーシェが契約している唯一の人型で、魔法は一切使わず己の肉体と二振りの剣のみで敵を翻弄し、斬り伏せる。

 手にする聖剣は以前の主に貰った物であり、大事にしている。

 黒き鎧を着る美人だが、性格に難がある。



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