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英霊に捧げる黒銀の詩  作者: 柴光
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011 打刀と脇差

 


 機械兵の召喚士が参入した事で、一体はそちらに任してエリュは目前の敵相手に集中した。

 ブレスの連続攻撃を浴びる無面竜、怯みながらブレスを返すも、エリュは物ともせずに更に炎魔法を撃ち込んで行き、脆く崩れた鱗へ爪撃を繰り出して胴体を貫く。


『一丁上がりだっ!!』


 落ち行く無面竜は、やはり召喚された召喚獣らしく粒子となって消え去った。

 機械兵側もまた、ロングブレードを振るって切り裂こうとしていたものの、硬い鱗に阻まれて苦戦を強いられている…かのように思われた。


「短剣に持ち換えた?」


 ロングブレードをしまい、両腰から二振りのショートブレードを引き抜くと刀身が熱を帯び始める。

 無面竜のブレスを刃でかき消し、喉許へ両剣を突き立て鱗を貫くと、苦しみながら消え去って行った。


『あの機械、中々やるな』

「エリュ、お疲れ様」

『あぁ。あの硬さにゃあ骨が折れるぜ』

「それを破って見せる、流石エリュだわ」

『ふふん、俺にかかりゃあ顔無しなんて敵じゃないぜ』

『おお、御無事であったか。赤竜殿に召喚士殿』


 エリュと話をしていると、降りてきた機械のハッチが開いてボサボサの髪を束ねただけの髭面の男が姿を現した。


「えぇ、お陰さまで助かったわ。礼を言うわ」

「何、此方こそ助かりましたぞ」


 男はサーシス・アケチと名乗った。

 聞き覚えのある名前、Sランク冒険者で色の称号[黒の一閃]を得ているが、見た目が、何というか…みすぼらしい。

 その事は置いといて、サーシスはそこの街へ来ていて旅立とうとしていた所に戦っているエリュが見えたとのこと。


「初めは二竜が街の近くで暴れているように見えましたぞ。まさかかの有名な赤竜殿とは思いもしませんでした」

「へぇー、エリュを知ってるなんて流石Sランクだわ」

「勿論、ソナタの事も。背徳の紅、アーシェ・レオンハート殿。御逢いできて光栄です」

『すっかり有名人だなアーシェ』

「ギルドに所属する冒険者なら知っていて当然ですぞ。師の称号を持つ数少ない冒険者ですから」

「照れ臭いわね。所で貴方のその機械兵は何処で?」

「おぉ、ワシの相棒アマノムラクモは自分の故郷で発見したものです。Sランクに来れたのも此奴のお陰ですな。おっと、時間が迫ってる故、またいつか御逢い致しましょう」

「え、えぇ。有難う」

「では、達者で!」


 機械兵に搭乗したサーシスは、私達が来た方角へ去って行った。


『なんか小汚ねぇ奴だったな』

「シッ!そう言うこと口に出さない」


 サーシス・アケチ、機械兵の形からして多分あの人達と同じ国出身だと感じ、少し思い出に浸ってしまった。






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