第4話 青髪ショートな幼馴染には好きな人がいる いちごside
初心者なので適当にでも感想書いていただけると助かります。
お手数ですがよろしくお願いします。
今日は1月2日。三汰と公園デートです。
「三汰ー!こっちこっち!」
「おー、いちご。待ったか?」
「ううん。大丈夫、今来たとこだから」
「それならよかった。でもほんとに今日でよかったのか?他の日だったら買い物とかもできたのに」
「それは別にいいよ。今日会いたかったんだ」
「まぁいちごがいいならいいが。とりあえず歩くか」
「うん!」
わたしには好きな人がいる。
子供の頃からずっと一緒でとても近しい存在の人。
イケメンだとか頭がいいとか、勉強できるとか、そういうわけではないけれど、わたしは彼のことが心の底から好きなんだ。
わたしと海斗は、昔から天才だ天才だとたくさんの大人たちから持ち上げられていた。
走りも速いし、勉強の飲み込むスピードは自分でもわかるほど他の子よりも速かった。
そんなわたしたちはいつもみんなのリーダーで、みんなを引っ張っていく存在。
友達もたくさんいて、告白なんかも子供ながらにたくさんされていた。
私たち二人は多分他の子とは違って特別で、誰もわたしたちには追いつけない。
そう思っていたら、わたしはみんなから孤立した。
気づいた時にはわたしはひとりぼっち。誰も話しかけてくれないし、話しかけても無視された。たくさんいた友達はいつしか海斗だけになっていた。
海斗も同様にその時期に孤立した。
そこに彼は現れた。
彼はみんなの笑顔を作るのがすごくうまい子でみんなの人気者。
いつも彼の周りにいる子たちはすごく幸せそうで、みんな彼を頼っていかにもなリーダー的な存在だった。
そんな彼はみんなから孤立していたわたしと海斗に、友達になろうと手を差し伸べてくれた。
関わってみるとなんの特別な才能も持ってない。他の子と何も変わらない普通の男の子。
でも彼はわたしたち二人をみて、必死に追いかけてきた。いままで誰もしなかったことをした。
わたしが5分勉強すれば100点が取れるテストは他の人には20分かかる。
彼はそのテストに向けて1時間かけて勉強していた。
海斗がサッカーでリフティングを100回するのに2分もかからなかった。
でも彼は1時間もかけてリフティングを練習していた。
わたしが彼の似顔絵を書いたら消しゴムも使わず一発描きで金賞を取った。
彼は何回も何回も消しゴムで消して、何枚も何枚も書き直して銀賞を取った。
そんな小学生時代が終わって中学生になると、彼はわたしの身長を追い抜いた。
サッカーの実力は海斗と互角かそれ以上になっていた。
テストの点数は学年トップ。絵を描けば美術の先生が言葉を失っていた。
何もなかった、何も特別じゃなかった彼は、孤立したわたしたちと友達になってくれた。
天才と呼ばれていたわたしたちに追いついて追い抜いていった。
わたしたちを追い越したからといって、彼は特別なんかじゃない、普通の男の子。何もなかったときと変わらず周りにはたくさん人がいてみんな笑っていた。
そんな彼を見てたら、わたしの中ではいつしか彼の存在が友達から特別な人へと変わっていた。
その時から、いや、手を差し伸べてくれたあの時から
…………わたしは彼のことが好きだ。
でも高校に入学してから、彼はサッカーも辞めて成績もガクンと落ちた。
いつしか周りにいる人たちも減っていった。何か理由があるんだろうけど、それはわからない。
そんな彼でもわたしの気持ちは変わらない。わたしが彼を好きなのは特別な何かを持ってるからじゃない。特別になってくれたからだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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