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第8話 小人巨人遭遇

本日二回目の投稿です。よろしくお願いします。


 それから私はサリッサと仲良く談笑していた。仲の良い子とお喋りをしていると不思議なもので、あっという間に時間が過ぎていった。


 昼休みの時間も残りわずかとなったが、この屋上の扉が開かれることはなかった。私たちは教室に戻る準備をする。


(結局あの子(ミア)は来なかったなぁ。)


 荷物があったので取りに戻ってくると思ったが、結局会うことはできなかった。少し残念に思っているとサリッサがこちらに手を伸ばす。


「じゃあ、そろそろ行きましょう。」


 私はサリッサに手を引かれて歩き出す。手が触れている箇所が熱い。あっという間に扉の前にいく。


「あっ。」


 扉の向こうから小さく声が聞こえた。聞き覚えのある声に、扉を開け中を覗くと、そこにはあの少女(ミア)が体を丸めた姿でそこにいた。


 私よりも先にサリッサが声をかけた。


「ん?あなた…こんなところでどうしたの?もうそろそろ授業が始まるわよ。」


 サリッサが優しく喋りかける。ミアはチラッとエリーナを見たあと、サリッサの方を向いた。


「私はそこにおいてある荷物を取りにきただけさ。でもわざわざ教えてくれてありがとよ。」


 シニカルな笑みを浮かべながら感謝の言葉を伝えてきた。背は低く、可愛い顔つきの彼女だが相変わらず男前な喋り方だ。サリッサはいいのよ、と言葉をかけ先に進んで行った。


 せっかく出会えたしこのタイミングしかない!と思い、彼女とすれ違う際に声をかける。


「ねえ!この前も聞いたけどあなたの名前教えてくれない?」


 どうしても気になって、と私は言葉を続けた。彼女は目を見開き、私が聞こえるか聞こえないかの小さな声で、


「ミア、だよ。」


 と言い残して屋上の中に入ってしまった。そんな彼女の後ろ姿を見送りながら、


(ミア……ミアか。可愛い名前だな。)


 私はニヤリとしながら彼女の名前を反芻する。足を止めた私にサリッサが、早くしないと授業に遅れるわよ!と大きな声をかけてきたので私は急いで階段を降りるのであった…。





 ――そのころ屋上でミアは荷物を抱きしめながら表情を崩していた。


(今度はうまく話せた。)


 自分の先ほどの行動に満点をつけ満面の笑みを浮かべるのであった。



 -------------------------------------------------------------------



 午後の授業を終え帰る準備をしているとルーシェから声をかけられた。


「エリーナさん、今日はこのあと用事ある?」


 特にないよと返すと申し訳なさそうな顔で、


「この本、図書館に返しておいてくれませんか?返却日が今日までなんですが、マズイことに急用がありまして。」


 困ったぜ、とキザな仕草をするルーシェ。

 私がオッケーと返すと今度お礼をするから期待しといてくださいと言葉を残し帰っていった。

 そういえばこの学園の図書館にいくのは初めてだ。異世界の図書館ってどんな感じだろう。私は胸をワクワクさせながら目的の場所に向かった。


 失礼します。私は静かに扉を開け図書館の中に入る。


 特段、元の世界と変わったところはなかった。まあこの世界の街並みも元の世界に似ていたし、図書館だけ違うこともないか。私は少し残念に思いながら本を返却した。


 受付の司書の先生が本の表紙を見て怪訝な表情で私を見る。え、なに?と思い本の表紙を見る。


『素手で魔物を駆逐しよう〜上級編〜』


 なんつう物騒な本借りてるんだよ。しかも上級編ってなんやねん。自分で言うのもなんだけど、今の私は物静かな雰囲気をたたえた儚げな女の子(?)である。そりゃあ司書の先生も変な顔するよと、この場にいないルーシェにツッコミを入れる私だった。


 司書さんの目線に耐えられなかった私はその場から離れ、図書館を探検することにした。さすが異世界。元の世界にはない魔法について書かれた本がたくさん置いてあった。


 しばらく本の背表紙のタイトルを追っていると気になる本を見つけた。


「魔法付与により食品の味を改良する…だと。」


 私はこの世界で不満な事がある。それは食事だ。全体的に味が薄い。正直食事に関しては諦めていたところがあったが、この本を利用すれば日本にいた頃の食べ物の味を再現できるんじゃなかろうか。ハンバーガー食べたい。それにこの世界はお菓子の種類が少ない。似かよった味のものばかりだ。元の世界ではチョコレートを買いだめするほど好きだったので、チョコの味も魔法で再現できれば…っ!と思った。


 私が大きな期待に胸を膨らませていると、


「あなた、その本に興味あるの?」


 後ろから声をかけられたのだった。振り返った私の目に飛び込んできたのはそこまで主張していないマシュマロ()。そして顔を見上げる。うひゃー、背が高いなこの人。私はそこまで小さな部類ではなく、むしろ高いほうだ。しかし声をかけてきた女の子はそんな私より頭一つ分背が高い。そんな私の様子を見ながら言葉を続けた。


「もし興味があるなら、あとで調理室においで。甘いお菓子を振舞ってあげるよ。」


 お菓子!?私は魅力的な単語に惹かれ彼女についていくのであった。




今日はここで終わり。疲れたので続きは明日書きます。

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