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第20話 ランチタイム


「忘れ物は取ってこれたの?」


「その顔つき、道中に何かあったようですね。」


食堂でしっかり席を確保してくれたサリッサとルーシェ。

ちょっとしたトラブル…いや殺されそうになったなんて言ったら二人とも心配するに違いない。

ここは黙っておこう。


「ええ、取ってこれたわよ。途中知り合いに話しかけられて遅くなったけど、特にトラブルもなにもなかったわ。」


「ふーん、まあいいわ。エリーナも来たことだし食事にしましょう。」


サリッサの言葉を合図に私たちは油が多そうな体に悪そうなご飯を食べるのだった。

うん、味が薄い。やっぱりリリーにお弁当頼んだ方が良かったなぁ。

普段はリリーにお弁当を作ってもらうので口に合わない。

とはいえ二人を誘ったのは私なのでとにかく口に運びまくる。


しばらく黙々と食べているとルーシェの手や顔に絆創膏が付いていることが気になった。

ときどき付いてることがあるので特に言わなかったが最近怪我の箇所が多い気がする。

私は食事中喋りまくる系女子なので行儀は悪いが口に食べ物を含んだまま話しかけた。


「そういえばルーシェ、あなた最近身体中すり傷だらけだけどどうしたの?」


「えっ!?あーこの前遊んでたら転んじゃったの。あはは。」


「嘘ね。ルーシェ、目が泳いでるわよ。」


「うっ、サリッサさんそんなとこ見ないでください。」


ふむ、どうやら何か隠しているようだ。友達に隠し事ダメ絶対。

サリッサと手を組んでルーシェが口を割るようにプレッシャーをかけた。


「ちょっ、お二人さん。友達にだって隠したいことが…まあいいか。先生には話さないでくださいよ?」


「あら、ずいぶんと簡単に話してくれるのね。」


「いやいや、あんなにプレッシャーかけてきたのによくそんなこと言えますね。」


ルーシェは笑ったあとキュッと真剣な顔になる。


「あのですね、最近薄明の街で遊ぶ回数を増やしたんです。」


「薄明の街で遊んでること自体初耳なんだけど…あそこ立ち入り禁止よね?それに魔物が出るから危ないじゃない。もしかしてその傷は魔物に?」


「はい。でもまあ低層で遊んでるだけなのでそこまで危なくはないです。」


「そうは言ってもねぇ…。そういえば遊ぶって何をしてるの?」


「魔物を討伐したり植物を採取したり結構お金になるし面白いですよ。それに最近は薄明の街で新しい友達もできましたし。」


「へぇ、あんなところで友達が出来るなんてその人も随分と変わってるね。」


「薄明の街にいるイコール変人みたいな言い方やめてくださいよ。私エリーナさんより普通だと思いますよ。…まあでもその友達は確かに他の人とは()()()()()()()。」


「いやいや、私は普通だよ。」


別の世界からきてるからある意味普通じゃないけど、でも中身は普通なんだよ。


「私からしてみたら二人とも変人だわ。」


「サリッサ…。」


マジなトーンでそんなこと言わないでほしい。サリッサが言うと本当のように聞こえるから。

しかしそれでも付き合ってくれるサリッサ様は女神だ。


「その人は友達に飢えてるので二人にもいずれ紹介したいです。」


「ええ、喜んで。」


薄明の街でルーシェと友達になったのはどんな人なんだろう。多分筋肉ムッキムキのおじさんな気がしなくもない。


そのまえにアクアとアメリアによるお詫びとやらを受けないと。ああやることがいっぱいだ。


私たちはその後他愛のない話をして楽しい昼食を終えたのだった。




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