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第18話 不幸を呼ぶ娘

二日酔いの中書いたので誤字が多いかもしれません。後日見直します。


学園祭が終わってしばらくの間、私は虚脱感に襲われていた。

イベントが終わった後はいつもそうだ。

これは燃え尽き症候群?よく分からないけどとにかくやる気が出ない。

もうダラけたい。


「まるでスライムね。」


そんな私の様子を、サリッサは愛されゼリーボディーのスライムに例えた。

私は子どもでも踏めば倒せるレベルの低級魔物じゃなくて、ただ単にやる気がでなくてダラけてる人間です。

でもスライム可愛いから許す。


「なんかやる気がでないんだよなぁ。サリッサは元気そうね?」


「そうかしら? 私だって元気とまではいかないわよ。学園祭が終わってから急に寒くなったせいで憂鬱だし。寒いの苦手なのよ。」


「そうなんだ。寒いなら温めてあげようか?」


「それはいいわね。お願いするわ?」


腕を広げたのでそこに飛び込みハグをする。確かに体が冷えていたので、これはしっかり温めなければと思った私は手を絡ませ頬っぺたをくっつけてみた。可笑しな格好になり二人で笑ってしまう。


「温かい。さっきはスライムなんて言ったけど訂正するわ。エリーナはスライムじゃなくてホッカイロよ。」


「もはや生き物ですらないのね。」


「人の役に立つ分スライムよりはマシだと思うわよ?」


確かにそうかもと思ったけど微妙な気分になってしまった。


「ああーっ!!二人とも楽しそう!私も混ざりたい!」


サリッサと他愛のない話をしていたら唐突に現れたルーシェが二人を包み込むように抱きついてきた。

私たちはそれを受け入れ三人仲良く一つの塊になる。


周囲にいたクラスメイト達はそんな美少女三人を生温かい目で見守るのだった。


馬鹿騒ぎをしたおかげで気力が戻ったので私は二人に今日のお昼は食堂で食べないかと誘った。

まだ朝なのにもう昼食の話をしているのと笑われてしまったが快く承諾してくれた二人。昼が待ち遠しい。



------------------------------------------------------




ついにお昼の時間がやってきた。

授業中ずっとソワソワしてしまうくらいには楽しみだったのでとても嬉しい。


「サリッサ、ルーシェさん。早く行きましょう!」


「早っ、私まだ教科書しまってすらいないんですが。」


「エリーナが早すぎるだけよ。私たちぐらいが普通よ。」


テンションの差が凄いがそれを気にする私ではない。早くするよう二人を急かしたのだった。

喋りながら食堂に向かってる途中、窓の外から水の音と女の子の小さな悲鳴。


「今の音聞こえた?」


「ん、音?分からないわ。」


「特に何も聞こえませんでしたよ?」


「そう、かな。」


私の耳には女の子の悲鳴が聞こえた。気のせいかもしれないけど。


「教室に忘れ物したから二人とも先に行ってて。」


「あら、そうなの?いってらっしゃい。」


「席は取っておくので安心しておいてくださいね。」


「ありがとう。じゃあまた後で。」


先ほどの音と声が気になった私は二人と別れた後、教室に戻るフリをして先ほど聞こえた悲鳴の場所へ向かう。


人通りの少ない一階まで行き下駄箱のもとにたどり着く。

靴を履き昇降口から外に出ると吐く息が白くなった。すっごく寒い、寒すぎる。


しばらく寒い中を歩いて校舎裏の方まで行くと女の子の集団とすれ違った。どうしてこの寒い中なんで人気のない校舎裏にいるんだろう。


さて、と辺りを見渡してみるが特に何もない。ホッとして帰ろうとすると掃除用具が置いてある倉庫からうぅっと呻き声が聞こえた。急いで倉庫の扉を開け中に入ると水たまり。そしてそこにはびしょ濡れの女の子が倒れていた。今日は非常に寒い。いくら倉庫の中だとしてもこのままでは体温が奪われて危ないだろう。


「もしもし、意識あるなら返事をして。」


「…うっ、貴女は。」


弱々しい声だがどうやら意識はあるようなので一安心。

そんなことを考えるとふと、近くに転がっているバケツが目に入った。もしかして…。


「誰かにやられたのね?とにかくここは寒いから校舎の中に入って着替えたほうがいいわよ。先生には言っておくから安心して。 」


「…あっ、あのありがとうございます。でも大丈夫です…私がノロマだからあの人たちの気分を害してしまったかもしれないし…私が悪いんです。なので先生には言わないでください。…お願いします。」


「でも…。」


この状況から考えてこの子は先ほどすれ違った女の子達にいじめられていたのだろう。なぜ庇うか分からないがこれを放っておくのはダメだと思った。そんなとき、


「貴女、アメリアに何をしてるの?」


背から静かな怒りを秘めた声が聞こえた。振り向くと腕を組んだ少女が敵意に満ちた瞳でこちらを睨みつける。何か勘違いをされている気がする。


「あの、これは私がやったわけでは。」


「言い訳するならもう黙りなさい。」


ッ!


この状況を説明しようとしたが言葉は遮られ怒りを纏った彼女が襲いかかってきた。



読んでいただきありがとうございます。

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