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即興会話劇シリーズ

即興会話劇Ⅳ

作者: 日向陽夏

「自分のパソコンに名前付けてる人ってどう思う?」

「私、サクリファイスって名前つけてるけど」

「どういうセンス!?」

「初代はアナコンダ。二台めは魔王。で、三台めがサクリファイス」

「君は自分のパソコンを何だと思ってるわけ?」

「使い捨ての靴」

「すげーシビアっすね。もっと大事にしてあげてよ……」

「そんなことよりさ、亡命するならどの国がいいかな?」

「どういう話の変え方だよ。普通に世間話みたいなノリで何てこというんだよ」

「もう日本色々な意味で終わってるしさ。そろそろ別の国で暮らそっかなって。台湾かオーストラリアあたりがいいかなぁって思ってる」

「お、おう……」

「パスポートが発行されてる今がチャンス」

「パスポートが発行されなくなる時が来るのか?」

「マジでヤバくなったら、ありうるでしょ。ずーっとこのままって方がむしろあり得ないし。私はこの国と心中する気はないよ。ささっとお金稼いだら、もっとマシな国で楽しく暮らす予定」

「そうか。まぁ、俺はこの国に残るけどな」

「どして? ブラック企業の老人天国で暮らすとか地獄でしょ。金のことしか頭にない人間に一生支配されて生きるとかありえないし」

「まぁな。でもやっぱ、味噌と醤油と米は捨てがたい」

「あー、それは分かる。肉じゃがとか美味しいよね」

「だろ?」

「今のうちに醤油とかの作り方、マスターしとこ」

「そんな簡単じゃないだろ……」

「簡単なことにしか取り組まない生き方だと、簡単なものしか掴めないよ。より良い結果を掴むには、より難しい行動を強いられる。それが人生」

「だな」

「生きるか死ぬかの二択しかこの世界にないから。死にたくないなら、死なないように生きるしかないね」

「はーぁ、めんどくさいっすねぇ」

「常に死を意識すれば生きようって思えるよ。面倒くさいって気持ちも消える。人間は

結局動物だから、生存欲求のプログラムには抗えない。サクリファイスもそう言ってる」

「ここで戻すのかよ! 俺のファントムもビックリだよ」

「ファントム(笑) 中2(笑)」

「サクリファイスに言われたくないわ!」

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